暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

二級建築士試験2022ブログ講座⑰(2021年試験問題解説)

2022-03-29 10:01:06 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
  ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.23〕「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に関して、誤っている記述を選択する問題です。
ここで扱う呼称の法律とは、原則、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」とする。
1.正しい。法律17条10項:確認済証の交付があったものとみなし、所管行政庁は、その旨を建築主事に通知する。耐震改修法に基づく所管行政庁の認定を、建築基準法の確認
 済証交付と同等の扱いとすることです。
2.誤り。法律2条2項:用語の定義の規定において、「又は敷地の整備をすることをいう。」としており、敷地の整備も、耐震改修に含まれる。法律の規制範囲の原則を知るう
 えで、用語の定義は重要事項です。
3.正しい。法22条3項:条文参照。任意の申請事項なので、広告できることで、インセンティブの付加を与える意図がある事項です。
4.正しい。法5条3項二号:条文参照。なお、通行障害建築物の要件は、同令4条の規定されている。
 政令4条では、法第5条第3項第二号の政令で定める建築物の定義について、次のように定義している。  
  一号:12m以下の場合6m
  二号:12mを超える場合前面道路の幅員の1/2に相当する距離
 考え方としては、前面道路の中心から45度の斜線にかかる沿道建築物を対象とする、ということです。
5.正しい。法7条:各地方行政の耐震改修促進計画記載の期限までに報告。行政の情報管理を円滑にするための手続き規定です。
 ◇耐震改修法の主な事項を整理すると、
 ・建築物の耐震改修を計画している者は、所管行政庁の認定を申請が出来る。
   (軽微な変更申請不要・法律18条)
 ・認定された建築物は、確認済証の交付があったものとみなされる。(法17条10項)
 ・所管行政庁は、認定された建築物について、耐震改修の状況報告を求めることができる。(法律19条)

〔No.24〕関連法規の寄せ集め問題で、誤っている記述を選択する問題です。
1.正しい。「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」第2条十八号、同令6条七号
 条文参照で理解できる「用語の定義」ですので、法令集で確認してください。「建築物特定施設」は、重要な用語の一つです。
2.正しい。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」第6条1項四号ロ:この法律の重要な定義である、「認定基準」の理解を促す肢問の一つです。
3.正しい。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」第6条1項二号、同規則4条(認定規模の基準): 共通の規模の基準を規定し、ただし書き一号で一戸建て住宅を、ただし 
 書き二号で、共同住宅等を規定している。数値を伴う設問ができる事項なので、過去問でも、結構散見されます。このような数値の定義がある条文は、要注意事項です。
4.誤り。「宅地造成等規制法」第8条、第2条二号、同令3条:原則、規制区域内の宅地造成工事は、都道府県知事の許可を必要とし、法2条二号に定義する規制対象の宅地造成
 の定義は、同令3条示されており、切土は2mを超えるもの、切土・盛土の基準に該当しない場合は、土地の面積が500㎡を超えるものとしており、設問の、切土2m、土地面積
 500㎡は、基準に満たないので、許可を受けなくてもよい。この条文の問題は、3年に2度出題されている重要事項ですが、本年(R4)は、空白年か???
5.正しい。都市計画法53条1項ただし書き一号、同令37条:許可を必要としない軽易な行為(都計法53条1項ただし書き)は、令37条において、地階を有しない木造2階建て以下
 の、改築又は移転であり、新築は対象外なので、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
  出題傾向に見る「都市計画法」重点事項をまとめると、次の3項目になります。まずは、都市計画法については、この条文を把握することです。
  ・法53条、令37条(建築行為の規制)
  ・法29条、令19条(許可を要する開発行為)
  ・法43条、令35条(許可を要しない軽易な行為)

【蚯蚓の戯言(その他関係法規)】
◇法律の数、条文の範囲と、かなり広範囲だが、出題傾向を見るに、意外と狭い範囲で出題されています。
◇重点指向で、その法律の条文構成に慣れ、法令集で確認できるスキル習得だと思います。
◇5択まるまる一つの法律での出題は、今年は、バリアフリー法か長期優良住宅促進法あたりと推察。

◇「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称:バリアフリー法)」の重点事項は、
 ①特定建築物(法2条十六号、令4条)について
   ⇒多数の者が利用する建築物、その部分、付属する建築物特定施設
 ②特別特定建築物(法2条十七号、令5条)
   ⇒不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物
  ・建築物移動等円滑化基準への適合義務(法14条1項)
  ・適合義務対象規模(令9条)⇒床面積の合計2,000㎡(公衆便所は50㎡)
  ・建築物移動等円滑化基準の内容:令11条~令23条を照合確認
   ⇒移動等円滑化経路の定義(令18条):道又は公園、広場その他の空地から当該利用居室までの経路


◇また、建築物省エネ法改正で、建築士の法的義務(法律27条)が加わり、出題条文として、要注意です。

2022年3月29日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする