◇ドイツのフランクフルト北部にバッドヴィルベル住宅展示場というのがあります。
◇もう30年近く前の話なのですが、環境先進国ドイツを感じる住宅展示場です。
◇約70棟の戸建て住宅が展示されていますが、日本の総合住宅展示場と大きな違いがあります。
◇日本の総合住宅展示場は、狭い敷地に肩寄せ合って、客寄せパンダのおみやげ物作戦を展開します。
◇でもここは違います。お土産どころか入場料4マルクを取って運営する有料催事場なのです。
(失礼、まだ「ユーロ」導入前で、1マルク約70円の昔話です。)
◇住宅を建築するための情報(知的財産)を得るのは有償であるとの考え方が定着しているとのこと。
◇そして一番の違いは、木々に囲まれ、自然が豊かで閑静な緑地の中に住宅が展示されていることです。
◇「自然環境の中で生きる」という考え方を、30年も前から実践している意図が伺えます。
◇個々の住宅でいえば、自然の太陽熱利用を図る、サンルームのある住宅が目を引きます。
◇ついでに太陽光発電もしているようですが、自然の力を活用するサンルームは、とても目を引きます。
◇シュツットガルト、カッセル、オランダのアムステルダムでも、サンルーム設置住宅が目立ちました。
◇これは、太陽熱の自然な有効利用方法で、日本でも、もっと太陽熱利用の工夫の余地がある気がします。
◇ドイツは地下室を持つブロック造が主流ですが、ここはプレカット工法の木造住宅主体の展示場です。
(言うまでもなく、ドイツ人はワインがお好きで、地下室はワイン貯蔵庫の役目を担います。)
◇寒い国のドイツですので、木造住宅の場合の断熱性には、かなり気を配ります。
◇昨今、日本でも高断熱住宅が主流ですが、壁厚38㎝というのは、驚異的寸法です。
(高気密住宅という考え方については、誤った解釈の横行が感じられますので、解説はまたの機会に・・・。)
◇「このプランでいくら」という展示内容もありますが、基本は建築家による自由設計住宅の展示場です。
◇概要が固まりましたら、ユーザーの要望に基づき、建築家が設計するようです。
◇ただ内装仕上げなど、最終的に仕上げるのはユーザー自身であるとの慣習が主流とのこと。
◇「暮らしづくり」は住まい手がするものであることの考え方が定着していること感じます。
◇展示棟を見ていましたら、「へーベルハウス」を見つけました。
◇視察団メンバーに旭化成の社員がいましたので、聞きました「なんでドイツにヘーベルハウス?」
◇「ヘーベルハウス」というのは、「もともとドイツなのだ」ということです。
◇特許とか著作権というような法律的な話は突っ込まず「そうなんだぁ~・・・」と軽く流しましたけど・・・。
◇視察は土曜日午後で翌日曜日は、キリスト教の国なので街中(国中?)が休日で、営業中はホテルのみ。
◇そこで視察工程もランチをするお店もないらしく、午前は自由行動で、ホテルで昼食後にバス移動。
◇でもねぇ~フランクフルトの街中が休みで広場でのんびり・・・天気が良かったからいいけど・・・。
◇と、また余計な戯言を綴り、また私の30年ほど前の思い出話しにお付き合いさせてしまいましたね。
2023年1月21日 by エコピープルおじさん(一級建築士、エコ検定合格