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2024年(R6年)木造建築士試験問題・振り返り解説 ④

2024-08-30 08:51:28 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の木造建築士試験問題が公表されましたので、振り返り解説を記述させていただきます。
◇問題と正答表について、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページに公表されました。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説をご一読いただければと思います。

〔No.13〕 都市計画区域内にある敷地の敷地面積を算定する図形問題です。
正答 2
法42条2項:特定行政庁指定の4m未満の道路について、道路中心線から2mの線を道路境界線とみなす。
      また、川・崖地などの場合には、その道路側境界線から4mの線を道路境界線とみなす。
・敷地A:12m×(15-1)m=168㎡
・敷地B:(12-2)m×(15-1)m=140㎡

〔No.14〕 各肢問の用途地域内の建築物で、新築してはならないものを選択する問題です。
正答 2
1.第一種低層住居専用地域内に新築できる。別表第2(い)項六号:建築できるものに該当する。
2.第二種住居地域内に新築できない。別表第2(へ)項五号:建築できないものに該当しているので、新築してはならない。
3.準住居地域内に新築できる。別表第2(と)項二号かっこ書き:「作業場の床面積が150㎡を超えない自動車修理工場は除く」としているので、建築できる。
4.田園住居地域内に新築できる。別表第2(ち)項一号、同(い)項8号:建築できるものに該当する。
5.工業専用地域内に新築できる。別表第2(わ)項:建築できないものに該当していないので、建築できる。

〔No.15〕 第一種低層住居専用地域内において、法に適合する条件の組み合わせを選択する問題です。
A:パン屋として増築する部分の床面積
B:パン屋に設ける原動機の出力の合計
正答 2
 「A」令130条の3:パン屋の床面積の合計が50㎡を超えるものは建築できない⇒「1と2」は適合
 「B」同・第五号:原動機の出力が0.75kWを超えるものは建築できない⇒「2と3と4」は適合
∴両方の条件を満たす「2」が建築基準法に適合

〔No.16〕 準防火地域内において、準耐火建築物の建築面積の最高限度を算出する図形問題です。
※準防火地域内に準耐火建築物を建築する場合の「緩和規定」を使った問題であることの注意です!
正答 4
条件①:準防火地域、準耐火建築物、角地の指定がある ⇒ 建蔽率緩和(※ 敷地全体に適用される)
条件②:法42条2項指定道路がある ⇒ みなし道路境界線(セットバック)による敷地面積の減少
 ・近隣商業地域:8×(12-0.5)=92㎡
 ・準住居地域:6×(12-0.5)=69㎡
法53条3項一号ロ:準防火地域内の準耐火建築物への建蔽率「1/10緩和」が適用
法53条3項二号:角地の指定がある敷地なので、建蔽率「1/10緩和」が適用
近隣商業地域(建蔽率8/10+1/10+1/10)の許容建築面積 ⇒ 92×10/10=92㎡
準住居地域(建蔽率6/10+1/10+1/10)の許容建築面積 ⇒ 69×8/10=55.2㎡
∴敷地の建築面積の最高限度:92+55.2=147.2㎡・・・「4」

2024年8月30日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士
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