高校時代からの悪友、いや親友が心臓発作で死に損なったという。
いや完全に心停止に至ったので一度死んだと言うべきだろう。
その親友をカミさんと二人で見舞いに行ってきた。
結構元気な様子で、一日5グラムの減塩生活の中、奥さんの支えもあり、それなりに生活には支障はなさそうだ。
家業のコンビニも相変わらず繁盛しているようだし、とりあえず問題はない。
そんな親友と色々な話の中で、ふと、
「三途の川は見えたか?」
と訊いてみた。
すると、
「ああ、確かに三途の川はあった。
しかもとてつもなく色鮮やかな原色で、花がたくさん咲き、その花の色がとても綺麗だった」
と言う。
私は続けて訊いてみた。
「三途の川の向こうに誰かいたか?
死んだ爺さんとか・・・婆さんとか・・・」
すると、
「三途の川に橋が架かっていて、その向こうに人影がいるのは分かっていたんだけど、あえて見ないようにしていた。
それにあの橋を渡ると、本当に楽になるのは何故か分かっていたんだ。
だけど渡らずに苦しい首を押さえながら戻ってきた。
すると気が付いた時には、体中チューブに繋がれベッドに横たわっていた」
こういう話って結構あるんじゃないだろうか。
私が幼い頃に亡くなった爺さんもほとんど同じような話をしていた。
やはり三途の川って本当にあるんだろうか・・・
そんなことを想いながら、墓参りに行ってきた。