一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

手作りベーコン 其の二

2006-06-27 15:24:13 | 食・レシピ
Bacon73
 スモーカーからベーコンを取り出し、一切れ切ってみる。
良い色合いだ。
頬張ると口の中いっぱいにスモークの香りが広がった。
これは美味い!
彼氏に「食ってみろ」とご主人様は言うが、彼氏はなかなか食べようとしない。
訊くと「Nちゃんより先に食べると怒られる」と言う。
あらあら可愛そうに・・・
そう思っているとパンを買いに行っていた奥様と娘が帰って来た。
「あら、できたの?」
そう言いながら娘は直ぐにつまんだ。
ついでにビールも飲んでいる。
彼氏は? というとその横でせっせとフランスパンを切っていた。
将来が見えてきそうだ。
Bacon83
ご主人様は今度はスモーカーにゆで卵を入れた。
燻玉を作るようだ。
Bacon93
出来上がった薫玉は程よくスモークの香りがしてとても美味しい。
奥様がサラダとピクルスを持ってきた。
その横で彼氏はワインの栓を抜いている。
Bacon103
僕はいつも見ている。
娘の彼氏は本当に気がつき、まてなやつだ。
ご主人様も少しは見習って欲しいくらいだが、それは望むべくもない。
奥様のけなげしさが伝わってくるのに・・・
Bacon113
テーブルの上にいろんな料理が並んだ。
今日はちょっと豪華なブランチだった。


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手作りベーコン 其の一

2006-06-26 22:39:11 | 食・レシピ
Bacon13
 裏庭でのんびりとしていると、ご主人様が何かを作り出した。
どうやらベーコンを作るようだ。
空いた一斗缶を利用して手作りのスモーカーを作っている。
Bacon23
その中に数日前から仕込んでおいた豚ばら肉を吊るした。
ついでにチーズも吊るしてある。
豚ばらの仕込みはどうやったかって?
まずは肉にフォークをブツブツと刺し、塩がなじみやすいようにする。
そこに粗塩を擦りこみ黒胡椒も擦りこんでおく。
それを冷蔵庫で三日間ほど寝かせ、きちっとドリップ(肉汁)を切る。
その後塩抜きをして冷蔵庫内で乾燥させると仕込みの出来上がり。
Bacon33
一斗缶の底にクルミのチップを敷き下から七輪で炙った。
ダンボールで作ったふたをしてしばらくたつとスモークの良い香りがしだした。
Bacon43
だが、ここからが問題だ。
温度を上げすぎても下げすぎてもだめ。
60℃位が良さそうなのだが、ご主人様はいつも高めにしている。
それでも三時間ほどかかる。
僕は眠くなってきた。
Bacon53
うとうとしていると何やら声が聞こえる。
どうやら娘と彼氏が来たようだ。
二人とも手作りベーコンを楽しみにしている。
その時、スモーカーの中で何かが落ちる音がした。
「アッ! ヤベッ!!」
ご主人様が恐る恐るふたを開けると、チーズが溶けて落ちていた。
チーズをスモークするには温度が高かったようだ。
でもそんなことは気にせず、焦げたチップを払い落として娘と彼氏は食べていた。
「ウマイ!!」
ご主人様も食べてみたが、かなりいける味だった。
そしてさらに二時間ほど待つと豚バラがきれいな狐色になっていた。
Bacon63
「ウン、今日の出来はかなり良いぞ!」
さて、そのお味は・・・


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休日

2006-06-13 18:57:04 | 日記・エッセイ・コラム
 今日、ご主人様はお休みのようだ。
でも、なぜか最近のご主人様は休みでも忙しい。
と言っても、仕事ではなく趣味の方だ。
好きなカヌーにも行っていない。
行かないどころか、シートすら外していない。
 朝起きるとすぐにパソコンのスイッチを入れた。
なにやらモニターを見つめ、考えごとをしながらキーを打っている。
机の周りにはプリントした書類や本が雑然と置かれ、何がなんだかわからない。
Kyuujitu13
ご主人様が席を立ったすきに僕はこっそりと見てみた。
しかし、僕には何が書いてあるのかさっぱりわからない。
ためしにキーを押してみた。
「コラーッ!!」
後ろから怒鳴られた。
どうやら本当に大事なものらしい。
ご主人様は何かを始めると、とことんやっちゃう性格だ。
時々、僕にはついていけない時がある。
Kyuujitu23
 疲れたのかご主人様は裏庭に行った。
僕も一緒について行った。
時々、ご主人様は裏庭でボーとしていることがある。
何を考えているのか・・・?
Kyuujitu33
 ご主人様はまた家の中に入り、続きを始めた。
僕は玄関に残り、道行く人々を眺めていた。
いろんな人が通る。
でも決まって同じ行動をする。
何かって?
皆立ち止まって僕を見るのさ。
「アラッ? 猫ですよね?」
玄関先につながれている猫はそういないらしい。


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円山八八ヵ所

2006-06-03 19:55:03 | 日記・エッセイ・コラム
 先週、ご主人様と奥様は円山八八ヶ所に行って来た。
円山は子供達が小さかった頃よく登った山だ。
今回は娘といつもの通り彼氏も一緒だ。
Maruyama13
登山道にはお地蔵様がならんでいる。
Maruyama23
一番から八八番まで、その数以上のお地蔵様がいる。
どの顔も表情がやわらかだ。
同じ顔は二つとてない。
Maruyama33
途中、子供達が小さかった頃、「トトロの木だ」と言って木の根っこで休んだ大木がある。
今見ても本当に大きい。
精霊でも宿っていそうな気がする。
 円山は標高300mほどの手ごろな山だ。
しかし、登山道が急で結構体力を使う。
途中、休んでいると何かの視線を感じた。
振り向くとシマリスがいた。
Maruyama43
別に逃げる様子もない。
何か考え事でもしているのか。
ただじっとしている。
じゃましちゃ悪いのでそーっと通り過ぎた。
 登山道の上が急に開けた。
やっと頂上だ。
Maruyama53
八八番、最後のお地蔵様に挨拶ををした。
「お疲れ様でした」
という声がしたような気がした。
 子供達が大きくなっても円山八八ヵ所はどこも変わっていなかった。
また登りたい。
帰り際にそう思った。


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