花の写真が溜まってきたので、今日は一気に15種類ご紹介します。今回は野生のものと区別できるように、庭で見つけたものには<庭>という表記を付けてみました。和名の覚え方もちょこっと載せているので、参考にしてみてください
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バラ科ヤエザクラ(八重桜)
サクラの花が終わる頃に咲き始めるヤエザクラ。花びらの数が多いので花が開くとポンポンみたいになります
花の色は濃いものから薄いものまであるようです。
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ツツジ科ブルーベリー <庭>
実家にあるブルーベリーが可愛らしい花を咲かせていました
ブルーベリーは北アメリカ原産の植物。ツツジ科ってのがちょっと意外ですが、ドウダンツツジの花にもちょっと似ています。
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アブラナ科ハマダイコン(浜大根)
海辺に行くとよく見かけるハマダイコン。「ハマ(浜)~」が頭に付けば、「浜辺にある~」という意味です。ハマダイコンの他にハマボウ・ハマゴウ・ハマボッス・ハマナス・ハマエンドウ・ハマヒルガオ・ハマユウなどがあり、どれも海の近くに分布しています
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マメ科ハマエンドウ(浜豌豆)
カラスノエンドウ(通称ピーピーマメ)に似ていますが、花も葉っぱも一回り大きく、浜辺でよく見かけるのがこのハマエンドウ。マメ科植物は花や葉の形が似ているので分かりやすいです
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ツツジ科サツキ(皐月) <庭>
一般にツツジよりも花も葉も小さいものがサツキ、またはサツキツツジと呼ばれるようです。このように同じ枝に異なる色の花が咲くものを生物学的には『キメラ(chimera)』というそうで、同じ植物体に遺伝子が異なる細胞が混じっているのでこのようなことになるのだとか。モモにも同じ枝に白とピンクの花が咲くものがありますが、それもまた同じ原理なのだそうです。なるほどね~
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ヤブコウジ科イズセンリョウ(伊豆千両)
センリョウと似ており、伊豆地方に多いことからイズセンリョウ。決定的な違いは、センリョウはオレンジ色の実をつけるのに対し、本種は白い実をつけるということ。八郎岳にたくさん咲いていました。
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リンドウ科フデリンドウ(聿竜胆)
前回もご紹介しましたが、こちらの写真の方がこの花の大きさが伝わるかと思い、再度登場させてみました。名前の由来は花の様子が筆の穂先に似ていることから。花の大きさは2~2.5cmありませんが、この花を見つけた人はみんな笑顔になるという愛嬌たっぷりな春の使者です
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キク科オニタビラコ(鬼田平子)
タビラコといえば、春の七草のホトケノザにあたりますが、それよりも大きいのでオニタビラコ。「オニ(鬼)~」が付くと「大きい~」という意味になり、オニヘゴ・オニバス・オニユリなどはどれも同じ種類のものと比べると大きな植物です。きのこだとオニフスベなんてものもあり、その巨大さは目を疑うほどです
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シソ科タツナミソウ(立浪草)
久々に見つけたタツナミソウ。シソ科の植物の中でも私のお気に入りの花です
花の形を打ち寄せる波頭に見立てて付けられたタツナミソウという名前はこの植物にピッタリ
群生しているとまさに打ち寄せる波しぶきのようです
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ミカン科ミヤマシキミ(深山樒)
薄暗い森の中でコデマリのように小さな花を丸く咲かせるミヤマシキミ。雌雄異株でこれは雄しべがはっきり確認できることから雄花と思われます。頭に「ミヤマ(深山)~」が付くと「山奥にある~」という意味で、雲仙に咲くミヤマキリシマ(*キリシマはキリシマツツジのこと)などがあります。
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ユリ科ホウチャクソウ(宝鐸草)
ナルコユリにも似ていますが、花の付き方からホウチャクソウだと思われます。「ホウチャク(宝鐸)」とは、寺院の軒先の四隅に吊り下げられた飾りのことで、花の様子が似ていることからこの名が付けられたそうです。
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イチヤクソウ科ギンリョウソウ(銀龍草)
この時期山に入ると落ち葉の隙間からピョコピョコと顔をのぞかせるギンリョウソウ。本種は腐生植物といって、菌根を形成し、菌類と共生して栄養素を得て生活しています。ご覧の通り真っ白なので、葉緑素を持たず、光合成で自活する能力はありません。これらはまだつぼみですが、花が開くとうっすらピンク色になるものもあり、より個性的な姿を見せてくれます
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ミズキ科ハナミズキ(花水木) <庭>
別名アメリカヤマボウシ。ヤマボウシ(山法師)は日本原産ですが、本種は北アメリカ原産です。ヤマボウシより花が大きく、色も白の他にピンク色のものもあります。英語ではdogwood。以前ヨセミテに住んでいた友人に教えてもらいました。
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バラ科コデマリ(小手毬) <庭>
中国原産の帰化植物。花の様子が小さな手毬のように見えることからコデマリと名付けられました。色は白のみですが、八重咲きのものもあり、シモツケの花と良く似ています。
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アヤメ科スイセンアヤメ(水仙文目) <庭>
原産地は南アフリカで、色は赤の他に白やオレンジなどがあるようです。球根植物なので、この時期になると毎年旦那さんの実家の庭できれいな花を咲かせてくれます。
春の山歩きは本当に楽しい♪次から次へと個性豊かな花を咲かせる植物達と出逢えるから。今回紹介した中で最も個性的なギンリョウソウはこれからが開花のシーズンです。山の中で落ち葉がふかふかした少し薄暗い場所に入ったら、ちょっとだけ足を止めて辺りを探してみてください。真っ白なイカしたアイツと目が合うかもしれませんよ~
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