道中で見つけた一対の道祖神様
小値賀の旅もいよいよ終わりに近づいてきました。最終回は黒島と笛吹地区界隈を散策します
小値賀のターミナルから程近い場所にある黒島は、斑島同様橋で繋がっており、車で渡ることができます。島内にある黒島園地には展望台があり、笛吹地区を一望する事ができると聞いていたので、さっそくその場所へ。駐車場に車を止めて外に出ると、蝉達の大合唱が私達を出迎えてくれたのですが、その声の大きいこと私達をでっかいメス蝉と勘違いしてるのか??って思うくらいの勢いで鳴くので、思わず耳を塞いでしまいましたあんなにたくさんの蝉が一斉に鳴くのを聞いたのは初めてです
階段を上り終えると、城壁のような石垣を発見どうやらこれが展望台のようです。
確かに展望台からはターミナル周辺の笛吹地区を一望することができました
笛吹地区は小値賀の中で最も人口が密集している場所で、役場はもちろん商店や食堂などが立ち並び、島の人たちの生活の中心となっている場所。島の自然は目一杯堪能できたので、最後に人々の生活が垣間見えるその場所へ行ってみましょう!
これがアレックス・カーさんに「昭和30年代のような風景がそのまま残っている」と言わしめる小値賀の町並み。右側に見えるのがアレックス・カーさんのプロデュースによって再生された古民家ステイの「先小路(SAKISHOJI)」です。
こちらは普通の民家。築何年かはわかりませんが、このような古い造りのお家が小値賀にはたくさん残されています。古い神社やお寺などの歴史的建造物にはよく見ることがありますが、普通の民家で手すりや格子まで全て木で造られているのは驚きました。少し手をかけてあげればステキなお家に変身しそうだな~
ここは小値賀町民族資料館。江戸時代に栄えた小田家のお屋敷を改装し、平成元年に開館した町営の資料館です。入館料は100円で、古代の遺跡から近代までの民俗資料が集められていて、それらを通して小値賀島の歴史を知ることができます。
こちらは小田家代々の家長の肖像写真。管理人の方のお話によると、一人ずつ家長の像が作られ、それらは今も近くにある阿弥陀寺万日堂に収められているのだとか。小田家は江戸時代初期に壱岐から渡ってきた初代から12代目まで続き、捕鯨や新田開発や酒造りなどで巨万の富を築いた名家なのだそうです。
平戸藩のお殿様も訪れていたというこのお屋敷は本当に立派で、当時の小田家の繁栄が伺えます。
お隣には町が建てた資料館も隣接していて、たくさんの展示品が並べられていました。こちらでは小値賀のPRビデオも見せてもらえるのですが、ちょっと長いので時間のない時にはご遠慮した方が良さそうです。実際に管理人の方がわざわざご親切に見せてくださったのですが、10分や20分では終わらず、フェリーの時間が迫っていた私達は、「いつになったら終わるのかな」とハラハラドキドキででも管理人の方には小値賀の歴史から観光地にいたるまで懇切丁寧にお話していただいたので、とてもありがたかったです
こちらが小田家代々の像が収められているという阿弥陀寺万日堂。資料館から歩いてすぐの所にあります。
なんと驚いたことにこのお寺は小田家専用なのだそうで、おそらくこれらのお墓も小田家の人たちのものだと思われます(時間がなくて確認できませんでしたが…)。しかし専用のお寺があるなんてすごいですよね~。小田家がどれほど裕福であったかが容易に想像できますよね
さて、小値賀の旅もいよいよ終わりに近づいてきました。が、その前に14時発のフェリーに乗る前に腹ごしらえといきましょう~資料館で思いのほか時間を取ってしまったためすでに13時を回っていましたが、地元の食堂の味を堪能すべく最後に訪れたのは、港のすぐ近くにあるやませ食堂。
ここはお年寄り夫婦が経営されているお店で、小値賀では日曜日定休日というお店がほとんどなのですが、「観光客のために」とここ最近は日曜日でもお昼過ぎまでお店を開けるようになったという、とても良心的なお店なのです。ちなみに町歩きの途中で出会った島のおじちゃん達イチオシの食堂ふるさとさんは、やっぱりお休みでした島にもっと観光客を呼び込むにはお食事処をもう少し充実させる必要がありそうですね
やませ食堂のおばちゃんに「オススメは何ですか?」と尋ねると「うちはチャンポンです~。」とおっしゃったので、迷わずチャンポンを注文。日によって味が違うという噂もちらほら聞いていたのですが、野菜たっぷりで美味しゅうございました~
最後にいつも何かやらかす私達ですが、やはりこの旅でもありましたよ、ちょっとした笑い話が。
チケットを買い、フェリーの出航時間までターミナルの売店を物色していた私達。何気なくふと外を見ると、なんとフェリーが岸から離れているではありませんか
tami「ねえ、あれ私達が乗るフェリーじゃない??」
kero「え?いや、あれ別のフェリーやろ?だってまだ2時じゃないよ?」
tami「でも岸から離れていってない」
kero「えぇーっうっそーん」
このフェリーが最終便で、これに乗らなければこの日の内に帰れないという事だけはしっかりと分かっていた私達は、ターミナルの中でこのような会話を繰り広げ、プチパニックに辺りを見回すと、さっきまでチケット売り場のまわりにいた他のお客さん達の姿も見えません。ますます焦る私達に近くにいたおばちゃんが「どの船に乗るの?」と声をかけてくれたので「佐世保行きのフェリーです」と答えると、「それなら今入ってきてるところだよ」と。なんと、私達はフェリーが入港してきているのを、岸から離れていっていると勘違いしていたのです他のお客さん達も一足先にフェリー乗り場の方へ移動していただけ。なんとも人騒がせな我々なのでした~
例のごとく、最後にちょっとドタバタ劇があったものの(屋久島の時もそうでしたが…)、無事にフェリーに乗り込む事ができ、ほっと一息。フェリーには子ども達もたくさん乗船していて、島の方達から温かい見送りを受けていました。この光景を見ていると、自分が福江島を離れた時の事を思い出します
夏休みの間、福島の子ども達も受け入れていたようで、この島にいる時間だけでも何の心配もせずに楽しい時間を過ごしてくれたらと願わずにはいられません。3月11日に起こった大震災から半年以上経った今もなお解決のめどがたたない原発問題。これからも私達一人一人が関心を持ち続け、息の長い支援を続けていかなければいけません。
さて、小値賀の旅日記もこれでようやくおしまい。たった一泊二日の旅をアップするのに一ヶ月も経ってしまいましたが、それほど紹介したい事がたくさんあったということでお許しくださいませ!皆さんも神秘の島小値賀島へ出掛けてみませんか?心のこもったおもてなしと、ここでしか見る事のできないステキな景色に感動すること間違いなしですよ~
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