I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

晴耕雨編

2006年06月28日 | 手作りのお話

               麻ひもで作ったカゴに麻ひもを入れて…

私は小さい頃から絵を描いたりものを作ったりするのが大好きでした。それは間違いなく祖母と母と姉の影響によるものです。洋裁学校の先生だった祖母、木彫りや紙粘土工作、さらには籐を編むなど、手先がとっても器用な母、そして幼い頃から絵を描くのがとっても上手だった姉。そんな3人を間近に見ながらいつも「すごいなー」と感心していた私は、次第にもの作りの楽しさを覚えていったのです。

今でももの作りが好きな私は、気が向いた時にちょこちょこといろんなものを作ります。特に雨の日はどこにも行けないので、そんな日は家の中で「何かできないかなぁー」と考えます。そこで、今回私が目をつけたのがこの麻ひもです。

              

ここ数年麻の持つ独特の質感と色合いが好きで、麻布を使った小物をいくつか作っていたのですが、麻ひもでバッグを編むのは初めてでした。こちらの作品はかぎ針一本で編むのでとっても簡単です。しかも材料費は100円ちょっと。100円でこれだけ楽しめればいいかなと

              
               取っ手

              
               側面

              
               底

100均で買った荷造り用の麻ひもはあまり質が良くありませんでしたが、どうにか形にはなりました。一段一段編んでいくうちに、少しずつ形になっていくのが嬉しくて、一日で一気に編み上げてしまいました。このバッグはすべて細編み(こまあみ)という編み方で編んでいくのですが、形ができあがったら最後は引き編みという編み方で縁取りをするように仕上げます。これをすると取っ手が伸びたりしないんですって

 

左側の写真は、ずっと前に雑貨屋さんで買った麻ひもで編んだものです。ご覧の通り、同じ麻ひもでも色も質感も全然違います。 やっぱり高い方がしっかりしてるけど、作るものによっては100均でも十分です。むしろくたっと感を出したいなら100均の方が向いてるかも。今回は試作品ということで作ったので、あまり出来が良くありませんが、また作品ができたら紹介したいと思います

今年の梅雨はワールドカップを見ながら編み物にハマりそうですどこが優勝するんでしょうね?今年もブラジルがきそうな気がするなぁ


海の幸

2006年06月26日 | 五島のお話

               三井楽町波砂間産のウニ

私のちょっとした夢(←たくさんありすぎ…)。それは「とれたてのウニを海水で洗って食すこと」。先日その夢が叶っちゃいました

ウニの旬は産卵期の前の5月初旬から8月のお盆まで。ということは、今がまさに旬の時 この日はnaoのご両親とそのお友達が三井楽町の波砂間(はさま)というところへナガレコ(←後で紹介します)を採りに出かけているということで、我々も早速その様子を見に行ってみました。すると「今日は何もおらん」と言いながら、naoのお父さんがバケツに入れて持ってきてくれたのが、この3匹のムラサキウニ。そしてお父さんの思いがけない嬉しいひとことが…!

お父さん:「海水で洗って食ってみれ」

kero-kero:「え?いいんですか??

              

naoのお父さんのお言葉に素直に甘えて、まだ動いている新鮮なウニを石で叩いて割ってみると、中はこんな風になっていました。ちょっとグロテスクですが、私たちが普段食すのは中の黄色い部分。この部分は生殖巣(卵巣や精巣)といって、一つのウニに5つ入っているそうです。

              

naoが食べられる部分を上手に取り出してくれました 海水でちょっと洗って食べてみると、海水の塩味とウニの甘みが調和してとーっても美味でした 最初にこんなトゲトゲの生き物を割って食べてみようと思った人は偉いなぁ。

お父さんが採ったウニは結局3つとも私たちのお腹の中へ。お父さん、ご馳走様でした!一つずつ中身を取り出して食べてみて気付いたことですが、色の濃い物の方が味が甘くて深みがあるような気がしました。同じウニでもよく味わってみると一つ一つ味が違うんですね

              

ウニの他にも海の幸がこんなに!見たことのない貝に興味津々の私は大喜びだったのですが、どうやら今日は不漁だったようです

              
               タカゼ

              
               マミナ

              
               ナガレコ

タカゼはタカセガイ(高瀬貝)とも呼ばれ、一般にはこのような円錐型の貝を「ミナ」と呼んでいるそうです。マミナはタカゼよりも味が良く、少し丸みを帯びた形が特徴です。ナガレコ(流れ子)は一見アワビに似ていますが、なんと味はアワビよりもおいしいそうです 流れ子という名前は「貝なのに流れるように這うことができる」ことからそう呼ばれているようですが、地方によってはトコブシ・フクダメ(福多目)とも呼ばれているそうです。

              
               ミナの帽子をかぶって… 

最後に、ウニのことについてちょっと調べてみたんですが、なんと1940年頃まではウニは昆布の天敵として漁場では嫌われていたそうです。今や高級食材としてお寿司屋さんでは欠かせないネタとなっているウニですが、そんな歴史があったのですね。また、ある研究者によると、生活排水に汚染されている海域ではウニの発生が阻害されるとありました。その方が20年近く研究した結果、石けんではほとんど影響がないのに対し、合成洗剤では程度の差はあるにせよ全て有害であったということです。詳しくはコチラ→『石けん百科』

この波砂間でもナガレコやウニの量がかなり減ったと言います。何が原因かは分かりませんが、自然環境を不自然に変えてしまうのは間違いなく私たち人間だと思います。 合成洗剤のことを含め、私たちが豊かな海を取り戻すためにできることは身近なところにもあるようです


何の花でしょう?

2006年06月23日 | 植物のお話

               畑で見つけた花。 この花の正体は!?

淡いピンク色で、まるで手まりのような形をしたこの花、何の花かご存じですか?

ヒント1 ゆり科

ヒント2 中国原産

ヒント3 滋養強壮

もうお分かりですか?答えは…

 

 

ニンニクの花でした

                

なかなか可愛い花だと思いませんか?私は今回初めて目にしたのですが、この独特な色と形に釘付けになってしまい、畑の持ち主さんにお願いして写真を撮らせていただきました 普段私たちは鱗茎の部分にしかお目にかかることはないのですが、こうして野菜や果物の花を観賞するのも楽しいものです

ちなみにこの畑の持ち主さんは友達naoの中学時代の恩師で、現在は島内のある中学校の校長先生をされています。とっても気さくな先生で、できた作物は若い先生方に配って回るんですって いいなぁー


ホタルの光とキャンドルナイト

2006年06月21日 | いろんなお話

               富江町繁敷ダム付近にて

毎年5月中旬頃になると、その存在が気になりだすのがこのホタル。真っ暗な闇の中に、儚くも力強く輝くホタルの光をながめていると、自然の持つ神秘的なチカラを感じずにはいられません。普段人工の光に囲まれて生活している私たちは、無意識のうちに必要以上の電気を使い、二酸化炭素を大量に大気中に放出してきました。そのことで地球上の様々なバランスを崩してしまったことに気付きながらも、私たちは日々これまでと変わらない生活を送っています。

源。さんのブログで見つけたキャンドルナイトの記事。皆さんも夏至の夜は電気を消してキャンドルの光で過ごしてみませんか?


2度目の挑戦

2006年06月18日 | 五島のお話

               今晩のおつまみ♪

今日はnaoと二度目のエンビ採りに行ってきました。場所は前回と同じ富江町の勘次が城付近の潮溜まり。前回はエンビの数も少なく、大きさも小さめだったのですが、今回は数も大きさもぐんと増していてかなり大漁でした

              
梅雨入りしたにも関わらず、今日の福江島は雲一つない青空 水温も高く、エンビ採りには絶好のお天気です。エンビの成長を楽しみに潮溜まりを覗いてみると…、

              

いるわいるわ 前回とは比べものにならないほど泳いでいます。なんと私の足の周りにもこんなに!自慢のはさみで私の足をつつくので、結構チクチクするのですが、そこはじーっと我慢して大きなエンビが寄ってくるのを待ち伏せます。「きたッ!」と思ったらエンビではなくカニだったりすることも…

              

すばしっこいのでなかなかうまく写真が撮れませんでしたが、以前より大きくなっているのがお分かりでしょうか??明らかに前回よりエビらしくなっています

              
               かき揚げ

              
               素揚げ

家に帰ってさっそく調理。今日はたくさん採れたので、かき揚げ(ピーマン・ニンジン・サツマイモ・ゴボウ)と素揚げにしていただきました。不覚にもかき揚げにタマネギを入れ忘れてしまったのですが、これはこれで美味しかったです  素揚げの方はちょっとお塩をふっていいただくと、ビールによく合うおつまみになりましたョ 今日も自然の恵みに感謝

さて、サッカーの応援しようーっと がんばれニッポン今日はクロアチアに勝ってくれーッ


松尾家滞在記5

2006年06月17日 | いろんなお話

               美味しそうなイチゴ発見!

松尾家の裏庭や畑や山には写真の被写体がいっぱい!最後は私が撮影したお気に入りの写真たちを紹介します

              

イチゴの花の色は白だと思っていたのですが、松尾家の畑で見たのはピンク色。調べてみると「ビバローザ」という品種(違ってたらごめんなさい)で、フランスのイチゴ生産者が育種した、観賞用としても食用としても優れたイチゴなのだそうです。普通イチゴは一季成りで、冬から春にかけてのみ実をつけるのですが、こちらは四季成りで、夏や秋にも実をつけるそうです。最終日に松尾のお母さんが真っ赤に熟れたものをとってきて下さいました。ほどよい酸味があってとっても美味しかったです

              

ひわ山への山道では天然の真っ赤なイチゴが緑の山に色を添えます。こちらはクサイチゴといって、本州・四国・九州および朝鮮半島と中国に分布する低木。中は空洞になっているのでナベイチゴとも言われるそうです。味も香りもgoodでしたよ

              

こちらはショウブの花。滞在中日ごとにつぼみが膨らんでいくのが楽しみで、毎日撮影していました。花びらがとっても大きくて重たそうですが、細い茎が倒れることなくしっかりと支えていました。

              

こちらは雨が降った後のショウブ。滴の重みで花びらがますます垂れ下がっています。アジサイと同じように雨の滴が似合う花ですよね

              

作業場の天井に吊された松尾家のタマネギ達。 束ね方にも松尾流のこだわりがあって、タマネギを一つずつ切り離せるように丁寧に編み込んであるそうです。私のお気に入りの一枚です

                

ミニバラの花も満開でした。後ろに見えるのはいろんな種類のレタス達。松尾家の食卓には毎日とれたての野菜が並びます。これがまた美味しいんです♪贅沢をさせていただきました

 
before                                             after 

松尾のお父さんがグミの木になっていた最後の実をとってきてくれました。その心遣いがうれしくて、思わず写真を撮っちゃいました。昔うちの実家にもグミの木があって、近所の友達とよくおやつ代わりに食べていたのを思い出します。甘酸っぱくて美味しいんですよ。種の形まで懐かしい!

              

こちらはカモミール(和名:カミツレ)のお花畑。近づくとカモミールの甘い香りに包まれます。花を乾燥させたものにお湯を注ぐとカモミールティーになります。 リラックス効果の他、いろいろな効用があるそうですよ

              

ドクダミとカタバミの共演。松尾家の裏庭は自然に生えてくる野草の美しさを十二分に感じることができるステキな場所です。目指すはターシャの庭ですね!他にもここでは紹介しきれないくらい様々な種類の花が咲いていました

  

「子どもたちにこの畑や山をできるだけ良い状態にして引き渡したい」
そんなご夫妻の強い思いが詰まった松尾家の農法は、失敗と成功を重ねながら積み上げてきた知識と経験をもとに、独自に工夫・改良された無農薬農法。大量生産は無理でも、様々な作物を無理のない範囲で作付けすることで、着実に利益を上げているようです。今年のビワも昨年に増して注文が多く、全て完売したとのことでした 「もはや大量生産やコストダウンのための農業ではなく、人や地球のための農業に転換すべき時が来ているのかも…。」なんてことを改めて感じた松尾家での6日間でした。

松尾家の皆さん、本当に本当にお世話になりました。また猫の手になりに行きますので、その時はどうぞよろしくお願いいたします

松尾家滞在記(完) 


松尾家滞在記4

2006年06月16日 | いろんなお話

              ドクダミの花の蜜っておいしいなー♪(ハチの気持ち)

自然豊かな松尾家の裏庭には、草花もさることながら、たくさんの生き物たちが気持ちよさそうに暮らしています。ということで、今回は生き物編です

              

裏庭で一番多く見かけたのがこの色鮮やかな緑色のバッタ。なんという種類かは分かりませんが、幼い頃よく捕まえて遊んだオンブバッタとは顔つきが違います。どちらかと言えばトノサマバッタ系かな!?

              
               写真をクリックするとバッタがどこにいるのか分かりますょ

この写真にはバッタが2匹隠れています。さて、どこに隠れているでしょう?カタバミの葉と同じ色をしているので、よ~く目を凝らして見ないとどこにいるのか分かりません。ちょうどお見合い中のようでした♪オス・メスの区別は分かりませんが…

              

私と違って梅雨の到来を喜んでいるのが、このカタツムリ。残念ながらこの日は顔を出してくれませんでした。お天気がよかったからかな?


よいしょ よいしょ よいしょ…

こちらはハチクの皮むき中にどこからともなく現れたシャクトリムシ。松尾のお母さんと2人でそのキュートな動きに夢中になってしまいました。彼らにとっては普通の動きなんでしょうけど、なんだか可愛くて(笑)

              

他に何かいないかなぁと探していると、足下からガサガサッとあやしい足音が…。その足音の主は、まるで茹で上がったかのような真っ赤なカニでした。近づいてくるカメラのレンズに警戒するカニさん。びっくりさせて悪かったね

                

パッと見ると焼き物のようにも見えるこの物体は、なんとハチの巣。多分スズメバチの巣と思われます。裏の作業場にできていたものをお父さんが取ってきてくれたのですが、まだ初期段階の巣のようで、中は空洞になっていました。薄くて軽くて、それでいて丈夫で、模様も芸術的!一体どうやったらこんなものができるのでしょう?

              

最後に松尾家の四女、リンちゃんを紹介します。毎晩私のお布団の中に潜り込んでくる愛嬌たっぷりのリンちゃんは、昼間はお父さんとひわ山に行って野ウサギを追いかけたりします。もともと猟犬の血が入っているリンちゃんには、ひわ山は恰好の遊び場なのです

              
               お父さんに寄りかかる甘えん坊のリンちゃん

夜はこうして家の中で家族と一緒に過ごしているリンちゃんですが、ある晩おもしろい出来事が起こりました。深夜2時頃、リンちゃんが私の枕元に現れて「アゥワゥワゥ…」と話しかけてきたのです。かと思うと、玄関の方へ向かっていってこちらを見ながら「アゥワゥアゥワゥ…」。私がその様子を伺っていると、再びこっちに戻ってきて、今度は両前足を合わせ「お願い」のポーズを繰り返しながら「アゥワゥワゥ…」
「あ、もしかしたらトイレかな?」
そう勘づいた私は、リンちゃんを連れて玄関の外へ。すると、案の定そうでした 私の滞在中、お父さんもお母さんも屋根裏で寝ていたから、下で寝ていた私に一生懸命分かってもらおうとしてたんだね。その時ふと見上げた夜空は満天の星空でした本当にきれいだったなぁ。リンちゃん、あの深夜のお散歩はずっと忘れないよ

松尾家に暮らす愛嬌たっぷりの生き物たち、いかがでしたか?滞在記はいよいよラストを迎えます 


松尾家滞在記3

2006年06月11日 | 植物のお話

               ヤマアジサイの一種(おそらくベニガクもしくはクレナイ)

長崎では毎年6月になると梅雨の時期を迎えます。毎日どんよりとした曇り空で、雨がしとしとと降り続き、あまり気持ちの良い季節とは言えません そんな中、私の気持ちをパッと明るくさせてくれるのが、色とりどりのアジサイ(漢名:紫陽花)たちです。松尾家の畑の一角にも様々な種類のアジサイたちが賑やかに顔を並べていました。

              

ユキノシタ科のアジサイは日本原産、「アジ」は「あづ=集まる」、「サイ」は「さあい=真藍」、つまり「青い花集まっている」という意味だったようです。原種はガクアジサイで、名前の由来の通り色は青だったと言われています。西洋人がヨーロッパに持ち帰ったガクアジサイを改良し、日本に里帰りしたものがテマリ型のアジサイで、一般に西洋アジサイと呼ばれています。最初に西洋に紹介したのは長崎に縁の深いシーボルトで、彼は日本から持ち帰ったガクアジサイを愛する人「お滝さん」の名前にちなんで「ハイドランジア・オタクサ(Hydrangea Otakusa)と名付けました。ちなみに長崎の銘菓「おたくさ」はアジサイを象ったパイ菓子で、お土産に持っていくと結構喜ばれます

ではここで松尾家のアジサイたちを紹介しましょう♪品種を調べてみましたが、おおまかにしか分かりませんでした。なんせ種類が豊富なもので…

              
               ガクアジサイの一種 アマチャにも似ています 

               
                隅田の花火 本当に花火みたい!

                
                ガクアジサイの一種 おそらく西洋で改良されたもの

               
                西洋アジサイの一種 半テマリ型

              
               カシワバアジサイ (八重) 葉が柏の葉のような形をしています

ご存じの通り、アジサイの花びらのように見えるものは「がく」で、専門的には装飾花と呼ばれています。ガクアジサイは装飾花を「額」に例えた名前で、中央に集まっている細かい花を装飾花がぐるりととり囲んでいますが、テマリ型のアジサイは全てが装飾花で、花は退化し結実しません。驚いたことに、松尾家のアジサイたちは、そのほとんどが挿し木によって成長したものなんだそうです。挿し木は、花の終わった枝や花のついてない枝で、緑色の若い枝を使い、梅雨の時期に行うと立派に成長するようです。ただし、8月以降に枝を切ると翌年花がつかなくなるそうなので気を付けましょう

                

それにしても、調べてみるといろいろなアジサイがあるものです。中でもこのカシワバアジサイはアメリカ種で、花の形も葉の形もアジサイの原種とは全く違う植物のようです。和品種のアジサイと西洋アジサイを比べてみると、繊細で素朴な味わいのあるものが和品種、豪華で色鮮やかなものが西洋種という印象を受けます。やはりその土地の文化が反映されるものなんでしょうね。

皆さんもこのじめじめとした梅雨を楽しく過ごせるように、アジサイの観察をしてみてはいかがでしょう?新種のアジサイを発見できるかも知れませんょ

滞在記はもうちょっと続きます

松尾家の皆さんへ
最初に「おそらくベニガク」と紹介していたアジサイは、もし本当にベニガクだったら徐々に赤くなっていくそうです。時々観察してみて変化があったら教えて下さい


松尾家滞在記2

2006年06月10日 | いろんなお話

               剥きたてのハチク(淡竹)。ほのかに甘~い香りがします♪

びわの収穫ができなかった初日は、長靴を履いて竹林にハチクを採りに行きました。背丈が50~60㎝くらいで、ある程度太さのあるものを根本から切って収穫します。わずか数10分で持っていたカゴは全て満杯になってしまいました!

              

カゴ一杯のハチクはずっしりと重く、背中に背負うと脱力した子どもが負ぶさっているような感じです 採ってきたハチクは裏の作業場に運び、まずは幾重にも重なっている外側の皮を剥きます。

              

松尾のお母さんに皮の剥き方を伝授してもらい、私も挑戦してみました!まずはハチクの皮を一枚ずつ手で剥いていきます。白くて柔らかい皮が出てきたら包丁の背を使って筍の先を折らないように丁寧に剥いていきます。全体の皮が剥けたら細かい部分を包丁できれいに仕上てできあがり

              

もともと細かい作業が好きな私は、ハチクの皮剥きにかなりハマってしまいました とれたてのハチクってとってもいい香りがするんですよ。なかなか言葉では表現しにくいのですが、ほのかに甘くてそのまま食べてしまいたくなるような香りです。 皮を剥いたら大きな釜で30分ほど湯がいてあく抜きをし、最終チェックをしたものを翌朝じげもん市に出荷します。

                

お昼休みに松尾のお母さん特製ハチク入りタイカレーをご馳走になったのですが、これが絶品でついついお代わりをしてしまいました♪タイカレーに筍って合うんですね!驚きの美味しさでした 本当にご馳走様でした!

 今回筍採りを体験させてもらって、私の中に次々と「竹」に関する疑問が湧いてきました。家に帰って早速調べてみると、以下のようなことが分かりました

①竹の根はどうなっているのかな?

  地下茎が横にはっていて、そこから直角に筍が伸びる。

②竹の花ってあるのかな?

  花は数10年に一度しか咲かないと言われている。竹はイネ科の植物なので、発芽してから長い年月地下茎によって繁殖を続けるが、ある一定の時期に達すると花を咲かせ、種子を実らせた後一生を終える。その周期は開花周期と呼ばれ、竹の種類によって異なる。竹の七不思議の一つと言われる。

③普段スーパーで見かける筍はハチクとは違うのかな?

  私たちがスーパーで見るのはモウソウチク(孟宗竹)という別の種類の筍。ハチクより太い。ちなみに「孟宗」とは冬に年老いた母のために筍を採りにいった親孝行な子どもの名前にちなんで付けられた。

④竹細工などに使う竹はまた別の種類なのかな?

  利用度が最も高いのはマダケ(真竹)。伸縮性が小さいので、物差し・尺八・提灯・傘の骨・熊手などに使われる。皮は物の包装などに使われる。

どれもこれも全く知らなかった新事実! そして昨日明らかになった新事実がもう一つ。昨日naoのご両親から「クロタケ」を採りに行こうとのお誘いを受け山に行ったところ、採れた筍がコレ! 

              

あれれっ!?クロタケとハチクは明らかに皮の様子が違います! 左のヒョウ柄のような筍が地元の人が言うところの「クロタケ」なのですが、調べてみるとこれは「マダケ」であることが分かりました。ハチクは春に筍を出しますが、マダケは初夏。さらにハチクの皮には黒い斑がないそうです。改めて松尾家の竹を見てみると、黒い斑が… もしかしてあれはマダケだったのかな!?竹になってしまうと両者は見分けがつきにくいそうですが、マダケの方が光沢のある深い緑色をしているそうです。いずれにせよ、どちらもお味はgoodです

今まで竹の生態にはあまり関心がなかったのですが、今回いろんな発見があって驚きました。最も驚いたのは竹の花の開花周期。確実なデータはないようですが、モウソウチクは67年に一度、マダケは120年に一度花を咲かせると言われています。マダケに関しては昭和40年代に世界中で一斉に開花したのだとか。ということは、マダケの開花は一生見られそうにありませんね… 

竹ってとっても神秘的な植物なんだなぁ これから竹林を見かけたらよく注意して見てみようと思ったkero-keroなのでした。

滞在記はまだ続きまーす

ケロケロ豆知識

「破竹の勢い」とは、竹を割る時、初めの節を割ると後は簡単に割れることから、激しくとどめがたい勢いのことを言う。竹の種類のハチクは「淡竹」ですのでお間違いなく!(←実際自分が間違っていました


松尾家滞在記1

2006年06月09日 | いろんなお話

               この時期だけのおご馳走♪

5月29日~6月3日まで野母崎で農業を営む松尾さん宅にお邪魔してきました。何をしに行ってきたかというと、主な目的はびわの収穫のお手伝いです。その他にも破竹の収穫や野菜の種のポット植えなども体験させていただき、kero-keroにとってはとっても楽しく有意義な滞在となりました

              
               ひわ山(←こちらでは「ひわ」といいます)にてびわの収穫中!

長崎県は全国でも有数のびわの産地で、びわ農家では例年五月下旬頃からびわの収穫に追われます。びわは桃のようにとっても実が柔らかく、一日でも収穫が遅れると熟しすぎてしまって実が落ちてしまうため、収穫は短期間に集中して行われます。夫婦2人で農業を営んでいる松尾家では、毎年びわの収穫の時期は連日徹夜で出荷の準備に追われるそうです              

そんなお話をお二人から聞いていた私は、五島に来る前「その時期になったらお手伝いに行きます!」と宣言してこちらへ引っ越してきました。その時の約束通り、今回野母崎へ向かったというわけです。初めての体験に胸が躍ります

              

今年は日照時間が短く、なかなか実が熟さなかったため、例年より一週間ほど遅い収穫となりました。びわを収穫する時はのぞき穴から袋を破り、実の熟し具合を見て袋ごと収穫します。 そっと袋を破り、中から産毛をまとった橙色のびわの実が現れた時、その美しさに私の口から思わず「うわぁ…」とため息がこぼれました。まさに感動の瞬間です 一つの房には実が4つなるように、袋がけの際摘心しておくそうです。3~4つがベストなんですって

              

お父さんが山から収穫してきたびわの袋を外した状態がコレ↑。ここから実を一つずつ切り離し、S・M・Lに仕分けします。私のお仕事は主にこの作業です。

              

びわの実は柔らかいので手で持つ時は頭とお尻を持つようにします。打ち身をするとアザのように黒くなってしまい、出荷できません。とってもデリケートな果物なのです

              

最後に、私が仕分けしたものからお母さんがきれいなものだけを選んで箱詰めします。かさぶたのような傷の付いたものは地元の市場にくずびわとして1キロ300円で販売します。皮に少し傷がついているだけで、味は全く変わらないので、たくさん食べたい人にはとってもオススメです!打ち身したものはすぐに傷んでしまうので、絶対に売りには出しません。それらはおやつとして私たちのお腹の中に収まります

                

農薬を全く使わず、こだわり抜いて作られた松尾家のびわ。ギリギリまで太陽の光にあて、甘みが増すまで収穫を待ったものの、今年は日照不足で去年に比べると糖度が低いそうです。でもそれも自然の中で育ったものだからこそ。人はとうてい自然にはかなわないのです。

              
               ひわ山のクチナシ。お花が満開でした!

自然と共に生きていくということは、自然を支配しようとすることではなく、自然を受け入れ、その恩恵に感謝することから始まるのだと思います。 できるだけ自然に近い状態で作物を育てようと、日々試行錯誤しながら無農薬栽培を続けている松尾夫妻のお話を聞いていると、つくづくそう思います。

              
               ひわ山のレモン。今年はたくさん実がなりそうです! 

「無農薬をブランドにはしたくない。ごく当たり前の農法なのだから。」と松尾のお父さんは言います。無農薬だからといって決して高価ではないし、びわに限らず、松尾家の作物には自然に対する感謝の気持ちがたっくさん詰まっています。野母崎の水仙公園内にあるじげもん市に行くと松尾家のお野菜が並んでいますので、興味のある方は是非是非ご賞味くださいませ!

滞在記はまだまだ続きます