「おーい、お父さーん!」 山口県の吉田河川公園にて
函館での最終日は、やっぱり雨でした・・・
でもそのうち天気が回復するかもしれないという淡い期待を胸に、朝10時頃小樽へ向けて出発!帰りは有珠山と洞爺湖を見たいという私の強い希望により、ちょこっと遠回りして小樽を目指すことになりました
ちょうど3人のお腹の虫が騒ぎ始めた11時半頃、お昼の休憩場所を探していると、『噴火湾パノラマパーク』という興味深い看板を発見!噴火湾の海岸沿いを走る国道5号線から内陸に少しだけ入ったところに、その建物はありました。
中は子ども達が遊べる広いキッズルームやカフェ、売店などがあり、駐車場も広く、ドライブの休憩にはもってこいの場所となっています。少し高い位置にあるので、天気が良ければその名の通り噴火湾のパノラマが見渡せたのでしょうけど、雨のためにその美しい景色を見ることはできませんでした。一体いつになったら青空が見られるのでしょうか!?
パノラマパークよりも私が気に入ったのは、その対面にある『ハーベスター・八雲』。これぞ北海道!と言わんばかりに広がる一面の緑に、美しく映える白樺の木々。その先には洋風のかわいらしい建物が数棟たっています。
レストランでは石窯焼きのピザが食べられるらしいのですが、ちょうどお昼時だったのでお客さんが多くて入ることができませんでした。その他にも手作りの雑貨屋さんやファーストフード屋さんなどもあります。雑貨屋さんでは羊の毛で作った手作りの小物に一目惚れ うちは転勤俗なので、小物はなるべく増やすまいと思いながらも、やっぱり買ってしまいました・・・。他所に来るといろいろ欲しくなっちゃうんですよね~。
やたらと凛々しい筋肉隆々のドラえもんを発見!!「僕チキえもんで~す」だって。お店の看板キャラかしら!?
八雲でお昼休憩を済ませ、次に目指すのは今も活動を続ける火山有珠山。『西山(にしやま)火口展望所』から見た景色の中には、1943年の噴火で隆起してできた昭和新山(写真左奥)の姿も確認することができます。2000年3月の有珠山噴火により新たに誕生したのが、金比羅山火口群とこの西山火口群で、今もなお煙が上がっており、火山ガスの影響からか周辺の樹木はほとんど枯れてしまっています。
火口付近には遊歩道が整備されていて、今も生々しい噴火の傷跡を見ることができます。噴火したときに飛び散った噴出物と地殻変動によって倒壊した菓子工場は、この展望所からもはっきりと見ることできます。噴火の遺構を当たりにし、人間の無力さと自然の脅威を改めて実感しました。
西山火口展望所から山を下っていくと、やっと二つ目の目的地洞爺湖が見えてきました。周囲には温泉街が続いていて、来年行われるサミット(主要国首脳会議)に向け、町全体が活気付いているようす。天気が良ければ湖の向こうに羊蹄山が見えたはずなんですが、やはり雲に隠れて見えませんでした。
洞爺湖を眺めた後はスタンプラリーを楽しみながら北海道の旅の終着地点、小樽港へ。結局、最後まで天気に恵まれることはありませんでした。がっくり でもね、ここからがまた楽しかったんです!
行きと同じように、小樽からは新日本海フェリー『あかしあ』に乗船し、約20時間の船旅を経て舞鶴港にたどり着いたのは、すっかり日も暮れた夜の9時。普通ならここで一泊するところですが、倹約家の母が考えたプランは、そのまま高速道路に乗り、途中のサービスエリアで一夜を過ごすという、ドライバーにはあまり優しくないプラン。でもね、ETC搭載車なら、深夜0時から4時の間に高速道路を走っていれば、料金がなんと30%OFFになっちゃうんです!(詳しくはコチラ→『NEXCO西日本』)長崎まで約15000円かかるところが、およそ10000円で済むという計算になります。お得でしょ!?しかしこの後、計算外の出来事が起こるとは、この時はまだ誰も知りませんでした・・・。
帰りはちょうどお盆の帰省ラッシュにあたっていたので、渋滞を避けるため交通量の少ない中国道を通ることにしました。この日私達が宿泊したのは、広島県の『七塚原SA』の駐車場。8人乗りの車だったので、寝るのには十分な広さがあり、なかなか快適でしたよ。朝起きて車の外に出ると、すっごく天気が良くてびっくり!北海道でもずっとこんな天気だったらよかったのにな~。でもいろいろ言っても仕方ない。所詮人は自然には勝てないのだ。とりあえずお腹がすいたので、SAのレストランで朝ごはんを食べ、パワー充電!お昼過ぎには長崎に着くように早めに七塚原を後にしました
中国道のサービスエリアは、一昔前に比べるときれいに整備され、施設も充実していたような印象を受けました。途中立ち寄った山口県の『吉和SA』はちょっとした日本庭園風になっていて、花も緑もとてもきれいでした。空が青かったからますますきれいに見えたのかも知れませんね。
中国道を順調に走り続け、「さぁもう一息で九州だ!」と思い始めた時、ある事件が勃発しました。それは・・『父ぶち切れ高速道路走行中断事件』。
ちょうど下関まであと一歩というところで、高速道路上であるにも関わらず、なんと車がストップ。ここにきて帰省ラッシュの渋滞に巻き込まれてしまったのです。そして電光掲示板には「20km渋滞」の無情な文字が・・。
父「20kmだと!?そんなに続くのか??ダメだ!下りろ下りろっ!」
普段は温厚な父ですが、渋滞や順番待ちはめっぽう苦手で、イライラメーターが一気に急上昇してしまう癖(?)があるのです。都心ではしょっちゅうかも知れませんが、私も父も母も高速道路でこんな渋滞にあったのは初めて。母は「また始まった」と言わんばかりに父の言葉に難色を示していましたが、ドライバーだった私は父のイライラを治めるため、近くのICで高速道路を下りてしまったのです。当然、ETC深夜割引作戦もここまでとなり、母も私もちょっとがっかり(せこっ!)。渋滞の列を離れたことで父のイライラは解消されたものの、3人の間にしばらく不穏な空気が流れます。
そんな空気の中、下道で発見したのが『吉田河川公園』という看板。これは気持ちが良さそうだと思い、トイレ休憩もかねて河川敷で少し休むことにしました。
天気も良かったし景色もきれいだったので、先ほどまでの不穏な空気も薄れ、ちょっと和んだ我がファミリー。
父「よーし、次のICからまた高速に乗るか」
気分を変えて再び車に乗り込み、鼻歌交じりに車を走らせていると、さっきまで乗っていた高速道路がふと私達の視界に入りました。よくよく見てみると、あの渋滞はどこへやら、車が次から次へと軽快に走っているではありませんかっ!
母「もしかしてあの渋滞、ICの付近だけだったのかも・・」
またしても車内に不穏な空気が流れ始めます。さらに!勘のいい人はもうお気づきかも知れませんが、ナビの画面上で次のICのマークが見え始めた頃、今度は高速道路に乗る車の渋滞に巻き込まれてしまったのです。
父「・・・・・。」
母「やっぱりそのまま高速道路に乗ってればよかったのに・・・。」
私「でもまあいいんじゃない?河川敷で遊べたし(笑)。」
それから家にたどり着くまでの間、父のイライラメーターが上昇することはありませんでしたとさ。ちゃんちゃん♪
家族っておもしろい。たくさん喧嘩もするし、お互いの欠点も分かっているけど、やっぱり仲良し。我が家の場合、このような話はのちのち「父伝説」として語られ、家族の団欒には欠かせないネタとなっています(笑)。ちなみに私の伝説もかなりありますけどね~。
10日間に及んだ北海道旅行のお話はこれでおしまい。久々に親子3人で過ごした今回の旅もまた私の思い出の1ページにしっかりと刻まれました。車と船の旅、いかがでしたか?みなさんも機会があったら是非試してみてください。思いがけない出会いや発見があって楽しいですよ~
2007年北海道旅行記 完