これはコケの仲間 それとも…
七ツ岳では数々の珍しい巨木の他にも様々な種類の植物に出会うことができました。まずは花や実のついていた植物から紹介します
ヒサカキ(ツバキ科)
写真で見るより花はずっと小さいです。ちょっと離れて見ると、枝に白い小さな実が並んで付いているような感じに見えます。
アセビ(ツツジ科)
ドウダンツツジに似た花の形をしています。調べてみるとやはり同じツツジ科の植物でした。
タチツボスミレ(スミレ科)
春になるとよく見かけるようになるのが紫色のスミレの花。中でもこのタチツボスミレは優しい薄紫色で、とってもきれいです
アリドオシ(アカネ科)
枝に付いているトゲがアリをも突き通すほど鋭いことからこの名前がついたのだとか。また、実が一年中持つことから「(実が)有りどおし」という説もあり、マンリョウ(万両)・センリョウ(千両)・カラタチバナ(別名:百両)・ヤブコウジ(別名:十両)・アリドオシ(別名:一両)とおめでたい木の最後に位置づけられるのだそうです。知らなかったなぁ~
ナギ(マキ科)
昔から神社の境内などに植えられ、神の木とされてきた木。葉の繊維が強く、引っ張ってもなかなかちぎれないことから、縁結びの御利益があると言われているそうです。昔は男女の縁が切れないようにと葉を鏡の裏に入れたり、袋に入れてお守りにしたりしてたんですって。ちょっともらってくればよかったかな 艶があってとってもきれいですよ~
他にも様々な植物たちに出会いましたが、最も多様性に富み、印象深かったのが、数々のシダ植物たち。シダ植物といえば、コケ植物と裸子植物の中間に位し、胞子で繁殖する植物のこと。今回のトレッキングでシダ植物には実に多くの種類が存在していることが分かったのですが、その見分け方は決して容易ではありません とりあえず画像に残していたものを紹介したいと思います。
ウラジロ(ウラジロ科)
お正月の注連飾り(しめかざり)などに使われる私たちに一番馴染みの深いシダ植物。でもここのウラジロはデカイッ
コシダ(ウラジロ科)とオオカグマ(シシガシラ科)?
これらの名前に確信はありませんが、こうして見ると明らかに違う種類であることが分かります。
???
明るい緑色で、柔らかい感じの葉っぱです。なんていうシダだろう?
リュウビンタイ(リュウビンタイ科)
これは間違いなくリュウビンタイ 「リュウビンタイ」とは「龍の鱗」という意味で、根元の託葉(黒褐色の塊状の部分)が重なっているのを龍の鱗に見立てて付けられた名前なのだそうです。
イノデ(オシダ科)
おそらくそうじゃないかと… 茎が茶色く、葉に艶があるのが特徴のようですが…
ナチシダ(ウラボシ科)
形の整ったきれいなシダです 和歌山県の那智山で発見されたことからこの名前が付けられたのだとか。
オオカグマ(シシガシラ科)?
葉が深く切れ込まないのが特徴です。
オオカグマ(シシガシラ科)…じゃない!?
上の写真のシダと同じと思っていたけど、微妙に葉の形が違うような…
マメヅタ(ウラボシ科)
ずっとコケの一種だと思っていました よく見るとシダ植物の特徴である胞子嚢(ソーラス)がびっしりついています。
ヒトツバ(ウラボシ科)
これまた知らなかった新事実 ただの木の葉っぱのようなこの植物も実はシダの仲間。その証拠に葉の裏には胞子嚢がびっしり!
オニヘゴ[タイワンヘゴ](ヘゴ科)
そしてこちらが今では大変珍しい存在となっている木生シダの一種、タイワンヘゴ。こちらでは「オニヘゴ」と呼ばれているシダで、茎が高木状をなす大型のシダ植物です。ここ福江島にはヘゴの北限地帯が存在し、以前はその群生が見られたそうですが、そのほとんどが盗掘され、現在こうして自生するヘゴを見るのは大変稀だということです。その証拠にこの日見つけたヘゴはなんとこの一株のみ。インターネットで検索すると、このオニヘゴには驚くほど高価な値が付いており、恐らく商売のために盗掘されたであろうことは想像にかたくありません。ランなどもそうですが、珍しくて美しいものを自分のものにしたいという人間の欲求が、自然の植物を絶滅の危機に追いやっているのです。もし人の手が入らなかったら、この森は巨大なヘゴの森となっていたかも知れません。このトレッキングを通して、自然の中にあるからこその美しさを大切にしなければいけないということを強く感じました。
どのくらい長い年月がかかるか分かりませんが、どうかこのヘゴが大きく成長し、たくさんの子孫を残してくれますように
いよいよラスト!次回は『キラキラ石編』です
川漁師さんへ
名前の分からなかったシダの名前をご存じだったら教えて下さい。間違いがあれば訂正もよろしくお願いします