I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

ツルボ(蔓穂)とヤブラン(藪蘭)

2008年09月19日 | 植物のお話

幼い頃からよく見かけていたこのちょっとおしゃれなツクシのような野草。最近までその名前を知らなかったのですが、ユリ科ツルボ(蔓穂)であることが判明しました

          

花期は主に4~5月頃なのだそうですが、秋咲きの種もあり、鬼岳周辺のツルボは今まさに満開の時期を迎えています。

          

ぱっと見ツルボと同じように見えるこちらの野草は、同じユリ科ヤブラン(藪蘭)。私の大好きな野草の一つです。薄紫色の小さな花は、遠くから見ると分かりませんが、近くで見るととっても可愛らしい形をしていて、花が咲き終わるとそのあとには光沢のある黒い実をつけます。(→以前紹介した『ヤブラン』)ツルボもヤブランも鬼岳のコンカナ王国付近から鬼岳園地の駐車場までと、その先の下りの道路脇にたくさん咲いているので、気が付いたらぜひ近くで観察してみてくださいね!きっと惚れますよ~


ムクゲ(槿、木槿)

2008年09月17日 | 植物のお話

コンカナ王国に上る道の途中に、ピンク色の花をたくさん咲かせている一本の木を発見 花の形はハイビスカスによく似ています。ということは、これはきっとアオイ科の植物のはず。その線から調べてみると、やはりアオイ科ムクゲ(槿)であることが分かりました 学名はHibiscus syriacusといって、やはりハイビスカスの名前が入っています。

          

ハイビスカスと言えばもっと色が鮮やかで派手なイメージがありますが、ムクゲはちょっと控えめで和風な感じ。韓国の国花でもあるそうですが、原産地は中国・インドあたりなのだとか。朝方に咲き、夕方にはしぼんでしまうようですが、次々に花が咲き、花期が長い(7月~10月)ので、朝鮮語では無窮花(むきゅうか・ムグンファ)と呼ばれるそうです。

          

青空に向かって元気一杯に咲くムクゲの花達。その咲き方からは、何度躓いても立ち上がり、そこからまた次の希望を生み出していく力強さのようなものを感じます。私達人間も、命ある限り何度躓いても立ち上がれるはず。私もムクゲの花のように強く逞しく生きていきたいな~


ノゲイトウ(野鶏頭)

2008年09月10日 | 植物のお話

鬼岳の農道をドライブしていると、道路脇にめずらしい花がたくさん咲いているのに気が付きました。車を降りて近づいてみると、茎の先端に見たことのない小動物のしっぽのようなものが一つずつくっついています。 なんじゃこりゃ~!?

 

          

色は全体に白っぽくて少しピンクに色づいている程度。この時点ではまだ何の花か分かりませんでした。

          

数日経ってからまた同じ道を車で走っていると、前回見たときにはまだ白に近かった花の真ん中から先端にかけてすっかりピンク色になっていることに気が付きました。これってなんかの花に似てるなー。もしかしてケイトウ(鶏頭)?と思って調べてみると、どうやらこれはヒユ科のノゲイトウ(野鶏頭)で、熱帯アジアの帰化植物なのだそうです。今はまだ薄いピンク色ですが、これからもっと色が濃くなっていくようです。

          

よくよく観察してみると、しっぽのように見えていたのは小さな花の塊で、その一つ一つからやはりピンク色の雌しべや雄しべやがチラチラと顔をのぞかせていました。近くで見てもとても愛らしい花です。しかしノゲイトウなんて花が存在するとは全く知らなかったな。今まで園芸品種のケイトウしか見たことがなかったけど、野生のケイトウも品があってステキだなと思いました。最終的にはどんな色になるのか、もう少し観察を続けてみたいと思います


ニラ(韮)

2008年09月10日 | 植物のお話

家の近所の道端で可愛らしい花を見つけました 

私の植物の知識によると、このようにたくさんの小さな花が集まって丸い形を形成するのは、ネギニンニクラッキョウなど薬味系の植物。で、その辺から調べてみると、これはニラの花だということがわかりました。

          

さらに気が付いたのは、ネギもニンニクもラッキョウもニラも全部ユリ科の植物だということ。ユリ科の特徴と言えば、ユリやチューリップのように地下に鱗茎や球根が発達しているものが多く、ここに紹介したニラを含むネギ属やアスパラガスなど食用のものと、チューリップやヒヤシンスなど園芸用のものとがあるようです。ニラはご存知の通り匂いは多少きついですが、ネギ属の花の中では一番可愛くて私好み 食材としても豚キムチやチヂミ、ギョウザ、ニラ玉には欠かせません。特に夏に食べたくなる野菜ですね。普段スーパーの野菜コーナーで葉っぱしか見ることのないニラですが、花を見ると少しイメージが変わったのでは?ちなみにニンニクの花も薄紫色でとっても可愛いんですよ~ 機会があったらまた改めて紹介しますね!


タマスダレ(玉簾)

2008年09月04日 | 植物のお話

最近住宅の駐車場の片隅に白くて可愛らしい花が咲いているのを見かけます。数年前から気になっていながら、この植物の名前がずっと分からずにブログで紹介することもできなかったのですが、この花の正体がやっと分かりました

           

私が気になっていたこの花の正体は、ヒガンバナ科のタマスダレ(玉簾)。白い花を「玉」に、細長い紐のような葉を「簾」に見立ててこの名前が付けられたのだそうです。南米原産で日本には明治初期に園芸用として導入されたそうですが、今ではこうして道端でも見かけることができます。地下には球根があり、夏から秋にかけて花を咲かせ、日光がよく当たる所では花がよく開きますが、夜になると閉じてしまいます。

          

ちなみに別名ゼフィランティスは、ギリシャ神話に出てくる西風の神「ゼフィロス」と、花という意味の「アントス」を組み合わせたものなんですって。きっと皆さんの家の近くにも咲いているはず。ぜひ探してみてください


センニンソウ(仙人草)

2008年09月02日 | 植物のお話

私が大好きなこの花の名前はキンポウゲ科のセンニンソウ(仙人草)。蔓性の多年草で、今ちょうど花の見頃を迎えています 私が初めてこの花の存在に気が付いたのは、4年前の夏に上五島へ教会めぐりに行ったときでした。多分どこにでも咲いている花なんでしょうけど、島の自然の中ではこの純白の花(←厳密にいうと「花弁」ではなく「がく」)がより一層美しく輝いて見えて、その可憐さに一目惚れ それ以来毎年夏になるとこの花に会えるのが楽しみになりました

          

細長いつぼみがはじけると、中から飛び出すたくさんの雄しべと雌しべ。その姿はまるでパチパチと静かにはじける線香花火の火花のよう。他の植物に絡み合い、太陽の光りをたくさん浴びてとっても気持ち良さそうに咲いています。

高浜海水浴場を望む展望台からは今こんな風景が楽しめます。センニンソウと高浜のコラボレーション、いかがですか?同じ高浜の風景でも周りに咲く草花にちょっと目を向けると、季節によってまた別の雰囲気を味わうことができます。センニンソウは近くで見ると本当に魅力的な花なので、ぜひ顔を近づけてその花の形や香りを楽しんでみてください。きっと幸せな気持ちになれますよ~

 

ちなみにキンポウゲ科の植物には毒性のものが多く、このセンニンソウも毒をもっており、馬や牛は食べないそうです。間違っても口に入れたりはしないでくださいね!まぁないとは思いますが、一応念のため追記しておきます


タカサゴユリ(高砂百合)

2008年08月29日 | 植物のお話

ずっとテッポウユリだと思ってたら、これってどうやら同じユリ科のタカサゴユリのようです 違いは以下の通り。

テッポウユリ(鉄砲百合)

原産国:日本(奄美大島、沖縄諸島など)

茎や葉の特徴:茎は太くて背が低く、伸びても1m程度。葉の幅は広め。

花の特徴:全体に白で花粉は黄色。花期は6~7月。

タカサゴユリ(高砂百合)

原産国:台湾(高砂地方)

茎や葉の特徴:テッポウユリに比べると茎は細く背は2mほどにもなる。葉の幅も細い。

花の特徴:花の外側に赤紫色の筋があり、花粉も褐色を帯びる。花期は7~8月。

どうやら葉っぱが細くて、花に赤紫色の筋があればほぼ間違いなく高砂百合のようですね

       

このタカサゴユリは、大正時代に観賞用として持ち込まれた帰化植物。おそらく今島で見られる白いユリのほとんどがこのタカサゴユリだと思われます。今や観賞用に植えなくても島のあちこちに自生しているので、この時期になると自然の中で観賞できちゃいます。花が終わったあとも細長い種子が花と同じように開いて、これはこれでまたきれい 植物ってそのものがアートだなぁってつくづく思います。タカサゴユリの見頃はまだ続くので、皆さんもよかったら近くで観賞してみてくださいね


クサギ(臭木)

2008年08月28日 | 植物のお話

今ちょうど満開の時を迎えているこの花は、クマツヅラ科のクサギ。最近島をドライブしていると、沿道によく見かけます。この植物、「臭い木」なんて不名誉な名前を付けられていますけど、花の香りはユリの花に似ていてとっても芳しいんです

          

ただ、木を折ったり葉をちぎったりするととってもいやな臭いがするのだとか。でもそれって、自分の身を守るための防衛手段なのかな?だとしたらスゴイなぁ

          

名前はクサギでも、花はとってもよい香り。どうして臭い方が名前になってしまったのでしょう?花の形もとっても可愛らしいステキな植物なのに。名前を付けた人にとっては香りよりにおいの方が強烈なインパクトがあったのかも知れませんね 

福江島にはたくさん自生しているようなので、皆さんも一度クサギの「香り」と「におい」を体験してみては?私も今度「におい」の方を試してみようと思いまーす


ひまわりのような人

2008年07月29日 | 植物のお話

先日、島友達のkaoriちゃんに誘われて、ひまわり畑を見に行ってきました

ここは五島市野々切町のとある場所。花は小さく、背丈もそんなに高くはありませんが、このうだるような暑さの中、ひとつとして頭を垂れることもなく、みんなまっすぐに上を向いて、しっかりとそれぞれの花を咲かせていました。

     

ひまわりを見ると、今は亡きある友人のことを思い出します。小学校から高校まで同じ学び舎で過ごしたその友人は、30歳という若さで短い生涯に幕を閉じました。長い間癌という恐ろしい病魔と闘いながらも、決してその現実から目を背けることなく、最後の最後まで前向きに生きた彼女は、まさにこの満開のひまわりのような人でした。その友人が中学を卒業するときに、私のサイン帳にこんな言葉を残してくれました。

       

どんなときも どんなときも

「君」が「君」らしくあるために

好きなものは好きと言える気持ちだきしめてたい

そしていつかだれかを愛し、その人をまもれるつよさを

自分の力にかえてゆけるように。

いわずと知れた槇原敬之さんの『どんなときも。』の歌詞の一部ですが、「僕」のところが「君」に変えてあります。今年のお正月に帰省した際、たまたま母が「こんなものが見つかったよ」って渡してくれて、それまでこのサイン帳の存在すら忘れてかけてたけど、彼女からの言葉が大切なことを思い出させてくれました。

いつも自分らしく。

自分が信じた道なら、きっとどんな道でも後悔はしないはず。

私もしっかりと前を向いて歩いていこう。

ひまわりのようなあなたみたいに。


スイカズラ(吸葛)

2008年07月26日 | 植物のお話
この花は6月に野母崎に行ったときに見つけたスイカズラ科のスイカズラ。つる性の植物で、別名をキンギンカ(金銀花)といい、花色が白から黄色に変わるところから、その名前が付けられたのだそうです。また祖母の話によると、昔はこの花を口にくわえて蜜を吸っていたと言いますから、スイカズラ(吸葛)という名前はそこから来たのでしょう。砂糖が無かった頃の日本では、この花の蜜を砂糖の替わりに使っていたそうなので、その味はよほど甘いのでしょうね!花の形も特徴的で、その香りはキンモクセイのように甘く、近くを通るとまるで自分の存在を知らせるかのようにほのかに漂ってきます。名前の由来は後から調べたので今回は蜜を吸いそびれてしまいましたが、来年は祖母と一緒に味わってみたいと思います 

唐比蓮祭り

2008年07月16日 | 植物のお話

                    色鮮やかな蓮の花。作り物みたいですけど本物ですよー!

最近このブログによく登場する私の祖母(83歳)。母の話によると、祖母は近頃私が帰ってくるのを心待ちにしているらしい。というのも、お散歩好きの祖母は、これまたお散歩好きの私を誘って、いろんな場所に連れて行ってもらえるのを楽しみにしているというのです。小さい頃は逆によくお散歩に連れて行ってもらっていたので、今度は私がお返ししなければ!

     

というわけで、この日も朝から「蓮ば見に行かん?」と祖母に誘われ、2人で唐比の蓮園へ。実家のある諫早からは車で20~30分ほどで到着しました

 

私はここの蓮を何度か見に来たことがあったのですが、祖母は初めてだったようで、その広さに大変驚いていた様子でした。可憐な睡蓮の花もたくさん咲いていて、カエルが乗っていそうな葉っぱが水面にたくさん浮かんでいました

       

一口に『蓮』と言ってもいろんな種類があって、左の白い蓮は『王子蓮』、真ん中のピンク色の蓮は『茶碗蓮』というそうです。他にも数多くの種類の蓮が植えられているのですが、種類ごとに分けられていて、しかもちゃんと名札が付いているので、とっても興味深く見物することができました 天に向かってまっすぐ伸びた茎の先にある今にもはじけそうなつぼみも、凛としていてとても美しかったです

                    

蓮の花が落ちると、こうして種子の部分だけが残ります。祖母が「実も食べれるとよ」って言ってましたけど、ほんまかいな~!?

                 

しかしこの日は暑かった 例年より二週間も早く梅雨が明けたお陰で、7月最初の週末だったにも関わらず真夏日といった感じでした。普段アイスなどの冷たいものはあまり口にしない祖母も、「つんたかとば食べんね?(冷たいものを食べない?)」と言って私の分まで100円アイスを買ってきてくれました。いやぁー、あれは生き返ったね!ごちそうさまでしたっ

      

この日はお祭りの初日ということもあって、まだつぼみの方が多かったのですが、きっと今頃数々の蓮達が大輪の花を咲かせていることでしょう 天気が良ければ雲仙もはっきり見えて、ロケーションも抜群です 一見の価値ありですよ~!機会があれば私ももう一度見に行ってみようと思います

                            

ちなみに、この蓮園に入るのに料金は必要ありませんが、管理費として一人100円支払うことになっているようなので、この看板を見つけたら100円玉を投入しましょう!来年もきれいな蓮の花を見ることができますように


ブラシノキ(ブラシの木)

2008年06月07日 | 植物のお話

         諫早市堂崎町にて

堂崎町にある川沿いの遊歩道をたどって行くと、遠目にも鮮やかな真っ赤な花が咲いているのを発見

         

一体何の花だろう?近づいてよくよく見てみると…、

         

なんだこりゃ~その姿はまるでコップを洗うブラシのよう。その名もブラシノキ。異国情緒漂うこの木はフトモモ科の常緑小高木で、オーストラリア原産なのだそう。日本へはどうやら明治中期に渡来したようです。世の中には変わった植物があるものですね!

それにしても覚えやすい名前だなぁ。見た目からするとタワシノキでもよかったような…。でもやっぱブラシの方がお洒落かな今回のお散歩でもたくさんの植物の名前を覚えることができました。次はどんなステキ植物に出遭えるかな~。梅雨の合間にまた散歩に出かけたくなったkero-keroなのでした


ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)

2008年06月06日 | 植物のお話

         諫早市堂崎町にて

引き続き遊歩道を歩いていると、コンクリートの壁の隙間から元気に蔓を伸ばしている可愛らしい植物を発見 

         

その姿はまるで天然のリースのよう

                 

花は薄いピンク色で、金平糖のようなカタチ。

         

葉っぱはすごくおしゃれで、矢印のようなカタチの斑が入っています。中には真っ赤に紅葉したものもあってとってもきれい

蔓(つる)性で金平糖のような花のカタチといえばツルソバを思い浮かべますが、こちらは同じタデ科ヒメツルソバ。ツルソバに似ているけど、花の色がピンク色で愛らしいことから、頭に「姫」を付けてヒメツルソバと名付けられたのでしょう。ツルソバさえ覚えておけば連想しやすい名前ですよね

この後はなんとも珍しい花と遭遇します

 


ネジキ

2008年06月06日 | 植物のお話

         諫早市堂崎町にて

階段を下りると川沿いに遊歩道を見つけました

82歳のおばあちゃんにはこの階段はツライかな?と思いきや、なんなく下っていく私の祖母。うーん、やっぱり只者ではないな 

         

遊歩道を歩いていると、足元に変わったカタチの花が落ちているのに気が付きました。ふと見上げてみると、青々と茂った葉っぱの間に同じ釣鐘型の花がたっくさん咲いているのに気が付きました

         

この木の正体はツツジ科ネジキ。幹が途中からねじれているのでその名前がついたのだそうですが、花のカタチは同じツツジ科のドウダンツツジアセビも似ています。しばらくその場に立ってこの木を観察していると、そよ風に吹かれてネジキの花がパラパラと落ちてきて、まるであられが降ってきたかのようでした

                 

ちなみにこちらは上山公園の登山道で見つけたネジキ。確かに途中からぐにゃりとねじれています。どうしてこんな風にねじれてしまうんでしょうね?それは私にも分かりません 


ノハカタカラクサ(野博多唐草)

2008年06月05日 | 植物のお話

         諫早市堂崎町にて

おばあちゃんが「森林浴ができる場所がある」というので、その場所へ連れて行ってもらうと、住宅地の傍らにちょっとした森が現れました。

         

緑のトンネルの中は、太陽の光が程よく遮断され、心地よい涼しさが漂います。例のごとく何か変わった植物はないかと足元を探していると、ツユクサに似た真っ白な花を発見!

         

この植物はツユクサ科ノハカタカラクサ。カタカナで書くとなんとも覚えにくく、舌をかみそうな名前ですが、「野+博多+唐草」と漢字で覚えればそんなに難しい名前でもないように思います。別名をトキワツユクサ(常盤露草)と言うようですが、そちらの方が覚えやすいかも知れませんね。

次は木に咲く花でーす