前々から行ってみたかった三井楽カトリック教会(岳教会)に行ってきました
こちらの教会は1797年(寛政9年)に大村藩から迫害を逃れてやってきた潜伏キリシタンの流れを汲む信徒が、1880年(明治13年)にゴシック様式の木造聖堂を完成させたのが始まりなのだそうです。約90年間親しまれてきた旧聖堂は、木造だったためにシロアリの被害に遭い、1971年(昭和42年)に現在のコンクリート建ての教会が新たに建立されたとのこと。したがって、旧聖堂の姿は現在は案内板の写真(上)でしか見ることができませんが、二階部分にはテラスもあり、その佇まいはなかなかステキです
向かって左側が教会で、右側には背の高い鐘楼があり、その奥には司祭館や信徒会館があります。この教会のシンボルは、島の貝殻を集めて作られたというモザイク壁画で、教会の正面と内部、そして司祭館の壁面を色鮮やかに飾っています。
壁画に近づいてみると、タイルやお皿のようなものまでが装飾に使われていました。
こちらは司祭館のモザイク画。人々が麦の収穫をしている絵のようです。
教会の内部は少し広めで、中央のキリスト像を中心に広がって行くような形になっています。出入り口に向かって斜めに下がっている天井からはたくさんの照明が吊り下げられていて、現代的な雰囲気を漂わせています。木造やレンガ造りの教会が多かった当時はものすごくモダンな建物だったでしょうね~。
窓ガラスにはキリスト教の歴史が描かれたステンドグラスがはまっていました。五島の教会のステンドグラスといえば椿の模様が多いのですが、この教会には見当たりませんでした。
こちらは駐車場から見た教会の様子。庭の木々も丁寧に剪定されていて、とってもきれいでした。手入れが行き届いているということは、この教会が今も多くの信者さんに親しまれている証拠なのだと思います。
教会のすぐ目の前にはカトリック墓地もあり、こちらもきれいに管理されているようでした。このような風景は五島ではあまり珍しくありませんが、日本のキリスト教信者の割合はほんの0.8%で、いまだかつて1%を超えたことはないのだとか。それを思えば、カトリック教会が50棟以上も点在するこの五島列島は、とても珍しい例だと言っても過言ではありません。ちなみに五島のキリスト教信者の数を調べてみると、新上五島町と五島市を併せて約1万人。人口は約7万2千人ですから、その割合はなんと約14% 以前から教会が多いことは知っていましたが、調べてみて改めてその特殊性に気付いたkero-keroなのでした。たいていの教会は行き尽くしたつもりですが、もしかしたらまだ行っていない場所があるかもしれません。残り少ない五島生活ですが、その間にもまだまだ新たな発見がありそうな予感です
次は夕映えの路へ向かいます
三井楽カトリック教会(岳教会)
場所:五島市三井楽町嶽郷1420