(五島原産の椿『タマノウラ』)
ただ今第15回五島椿まつり開催中! というわけで、鬼岳の中腹にある五島市椿園に椿の花を観賞しに行ってきました
五島は昔から椿の産地として有名で、ひと頃は椿油の生産量が全国一だったこともあったそうです。ここ椿園は面積が約6ヘクタールあり、島に自生する野生の椿の他、園芸種約260種、約2000本の椿が植えられています。品種または環境によって若干開花の時期にずれがあり、全ての木が花を咲かせているわけではありませんでしたが、私の目に留まった可愛らしい椿の花達をほんの一部だけ紹介したいと思います
こちらは『京錦』。落ち着いた紅色で所々に白い斑があり、とても端整な姿をしています。
こちらは『峰の雪』。淡いピンク色で淡雪のようにふわふわとした感じです。
『マーガレット・デイビス』は八重の花びらがドレスのフリルのようで、いかにも西洋風な感じ。
小さくて可憐なピンク色の『乙姫』は白の斑入りでとってもキュート
大振りな『春の台』は桜の花を思わせるような淡いピンク色で、濃いピンク色の斑が筋のように入っています。
こちらは『聖子』。野生の椿の素朴な美しさに女性らしさがプラスされたような、そんな雰囲気です。
そして五島で最も有名な椿といえば、こちらの『玉之浦』。
花びらに白い縁取りのあるこの椿は世界的にも珍重されているそうですが、原木は福江島の玉之浦という地区の山奥で発見され、そこから世界各地へと広がっていったのだそうです。私も一度その原木があった場所に行ったことがあるのですが、挿し木によってしかこの白い縁取りの花がつかないらしく、悲しいことに最初の1本は根っこまで全て持ち去られてしまったとのこと。今は2代目が植樹されていて、誰にも邪魔されることなくひっそりと成長を続けています。
枝についている花ももちろんステキですが、地面に落ちてしまった花もまた趣があってステキです。椿は花が枯れる前にまるごと落ちてしまうため、まるで地面に花が咲いているかのように見えるからです。ちなみに椿の花言葉は「気取らぬ魅力」。他にも「完全な愛」、「理想の恋」などいくつか説があるようですが、素朴な色と形の中にも人を惹き付ける魅力がある椿の花にはこの花言葉がぴったりだと思いました。
園内を歩いていて残念に思ったのは、車椅子の方やお年寄りの方が椿の観賞を楽しむには急な坂道が多すぎるということ。特に土で固められた道はとても急で滑りやすく、下る時は私でも少しヒヤッとするほどでした。単に260種の椿を栽培することが目的であるのなら話は別ですが、たくさんの人に椿の花を観賞してもらうために造られたのであるならば、もう少し見る人のことを考えて欲しいなぁというのが正直な感想です。
椿の花は2月いっぱいが見頃となりますので、お天気の良い休日にはこちらの椿園へ出かけてみてはいかがでしょう。椿園以外にも島にはたくさんの藪椿が自生しているので、道端で思いがけず美しい椿の大木に出逢うこともしばしば。椿の木を探しながらのドライブもおススメですよ~