I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

秘密の場所で山登り

2009年10月22日 | 長崎県北部のお話

晴れの日が多いと言われる10月10日(旧体育の日)、いつも普通の人には思いも寄らないネイチャースポットへ連れていってくれる川漁師さんファミリーから久々にお誘いがあり、とある場所へ山登りに行ってきました

登山や自然散策と聞くと、いつも「いってらっしゃ~い」と言って留守番を決め込むインドア派の旦那さんも、珍しいことに今回は一緒に行くとのこと。私自身も本格的な山登りは去年の屋久島以来ということで、私達夫婦が果たして健脚の川猟師さんファミリーについていけるのかというプチ不安を抱えつつも、お昼ごはんのおにぎりとあったかいコーヒー、スポーツドリンクなどをザックに入れ、朝7時半に我が家を出発!果たして登頂できるのか

最初に述べておきますが、川猟師さんのお話によると、今回案内していただいた場所は希少な植物が多く、その珍しさゆえにそれらの植物を盗掘する人がおり、それが原因で今や絶滅の危機に瀕している植物も多いとのこと。それらの植物を守るためにも、今回は詳しい場所はご紹介できません。どの山に登るときもそうですが、むやみに山野草を持ち帰ったり、足元にある植物を踏みつけたり、樹木を傷つけたりするようなことはしないようにしたいものですね。

人って不思議なもので、興味のない物には全く気づきもしないんだけど、興味のあるものには自然と目が行ってしまうもの。私の場合は植物が好きなので、今回もいろいろな植物を発見することができました 浜辺で見つけた赤い実のついた松の葉のような葉を持つこの植物は、なんと野生のアスパラガス!アスパラガスはユリ科の植物で、和名はキジカクシ。5~6月の花期には可愛らしい白い花を咲かせるのだそうです。一方、私が手のひらにのせているのはハマゴウの実。ハマゴウと言えば、五島の海岸でもよく見かけた薄紫色の花を咲かせるクマツヅラ科の植物ですが、その実を見たのは初めて 山椒のような強い香りがするのにも驚きました

海岸から山に入り、薄暗い森を抜け、山の上まで来ると、無数の小さな石が固まってできたような岩がむき出しになっていました。一見触ると崩れそうに見えますが、一つ一つの石がしっかりとくっついていて、そう簡単には外れません

今回登ったのは300m弱の山ですが、結構スリリングな場所もあり、途中ひやっとしながらも、2時間ほどかけて無事登頂

この日はとっても天気がよく、頂上からの眺めは最高でした 初めて一緒に山に登った旦那さんも、「自分の脚で登らないと、この感動は味わえないよね」と、山登りの楽しさを実感した様子。そうそう、その通り。決して楽ではないけれど、時間をかけて自分の脚で登ったからこそ、登頂の喜びや感動を味わえるのであり、またそれらの喜びや感動があるからこそ、山頂からの景色が私達の目により美しく映るのでしょう。もしかしたら人生もそんなものかも知れませんね

岩場にはマンネングサ科の多肉植物や、希少なユリ科のイトラッキョウ、乾燥すると丸くしぼんでしまうイワヒバ科のイワヒバ、クマツヅラ科のダンギクなど、岩場ならではの植物を観察することができました

こちらは島自体が国の天然記念物に指定されているという阿値賀島(無人島)。ここからでは分かりませんが、玄武岩の柱状節理(→生月塩俵断崖)が発達して断崖をなしており、亜熱帯性植物群落の北限を代表する原始林となっているのだとか。やはりこの島にも希少な動植物が生息しており、貴重な繁殖地ともなっているそうです。珍しいものを見たいという欲求に任せてそこに足を踏み入れ、彼らを絶滅に追い込むようなことだけはしないようにしなければいけません。私自身、常にそのことを肝に銘じておきたいと思います。

目にも留まらないような小さな動植物が、健気にも厳しい環境の中で生きている。

私達人間が誕生するずっと前から、この地で命のバトンを繋ぎ続けているのだ。

そのバトンを途切れさせることは絶対にしてはいけない。

なぜならそれはこの地球を育んできた大切な“命のリレー”なのだから。

そんなことを思いながら、眼下に広がる美しい景色を眺めていたのでした。川猟師さんと一緒に山を歩くと、その山の歴史やそこに息づく植物の生態などを知ることができ、足元に転がっている小さな石の一粒一粒にさえ命が宿っているように感じます。初めて一緒に山に登った旦那さんも、登山の醍醐味を十二分に味わえたようだし、私達夫婦にとっても貴重な一日となりました。 このような貴重な体験を共有させてくださった川猟師さんファミリーに感謝 本当にありがとうございました うちの旦那さんも味を占めたようなので、また近々誘ってください。お待ちしてまーす


2 コメント

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Unknown (tami)
2009-11-08 10:35:15
素敵な景色がいっぱいの登山,最高だね。
確かに人生そのものを表しているように思います。
二人で登れて,それがさらに楽しさを増すんだろうな。
秘密の場所だけど,こっそり今度
教えてください!
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気持ちよかったよ~ (kero-kero)
2009-11-09 10:05:19
>tami
こっそり教えたいけど、私一人じゃ道案内は無理だなぁ
なんせ道なき道を行ったからね

山登りは人生そのもの。
山があり谷があり、それを乗り越えると、最高の景色が待っている。
何が起ころうと、前向きに歩みを進めれば、いつかきっと乗り越えられる。
いろいろあったけど、そう信じて生きることが大切なんだと思ったよ。

ぜひまたいつか一緒に山登りに行こうねっ!
その日を楽しみにしているよ
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