ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

患者と家族の「あゆむ会」

2004-11-01 | 乳がん
オリーブは 2本あると よく実がつくそうだ。
一本しかないけれど、3粒ほどの恵みをいただく。
蜂蜜に入れると、風味のある おいしい蜂蜜になる。



2003年6月、
がんセンターで がん患者とその家族とがんセンターの職員とで集う、
「あゆむ会」があった。
週に一度、4回で終了。
5月に 術後半年の検診があって、その時にチラシを見たのだと思う。

なあんだ、こんなのがあったのか、今まで知らなかった、
と思ったら、毎年この時期にだけやるらしい。
去年の今頃は 自分の体が癌に侵されている、
とは思ってなかったのだから、「あゆむ会」を知らなくて、当然。

なんだ、6月だけなのか、通年でやってくれれば、
もっと早く参加できたのに、と思ったら、
職員は 全員 ボランティアで参加しているという。
とにかく 世の中、こんなに がん患者がいるのか、
というくらい、いつも患者でいっぱい、
次から次へと 湧いて出てくる患者を
てきぱきと、しかし 決して嫌な顔を見せずに
にこやかに対応してくれている、
看護士(全員女性だった)の皆さんが、
都合をつけて かかわってくれる。
当然 仕事上のローテーションや何やかやで、
参加していない看護士の方にも しわよせがゆくはず。
毎年この時期に、今月だけ、4回だけと言い聞かせて、
全員で頑張ってくれているのだろう。



「あゆむ会」は かなりの人数の 患者と看護士が集まって、
週に一度、平日の午後、1時半から4時まで 行われた。
普段見慣れた白衣ではなく、そろいのTシャツ姿の看護士は、
いつもと違う人みたい。
よくよく見ると、
いつも外科外来でお世話になる面々も見える。

あらかじめグループ分けしてあって、
私のグループは 男性3名、女性4名、うち一組は夫婦。
プラス看護士2名。
名札をそれぞれの胸につけて、自己紹介から始まる。
クロスをかけた机の上には 花が飾られている。

資料のプリントも豊富に用意されており、
スライドを見たり、人体の模型を見たり、
軽い体操や 呼吸法や 食事に関する事、
さまざまな事を 見て、聞いて、実践して、
そしてグループで話し合った。

深刻な雰囲気になってるグループ、
笑い声が上がるグループ。
結構みんな まじめに取り組んでおり、
回を重ねるごとに グループ内は 気心が知れて
和気藹々、言いたい事を言い合える。
毎回必ずアンケート用紙に記入して帰り、
回答が必要な質問には
次回必ず回答をしてくれた。

システムが完全に出来上がっているらしく、
ベルトに乗せられて、シナリオにそって
まわされているように思う事もあった。
アメリカのスライドを使っていた事もあり、
アメリカのシステム、という感じだった。
気恥ずかしいと思うこともあったけれど、
えいやっとやってしまえば、なんとなく納得したり。

今 資料をあらためてめくってみると、
すっかり忘れていて、新鮮で面白い。
あとあとまで 覚えていようとしていたのは、
「癌とは 手術、放射線療法、化学療法、
 プラス態度で治療する、
 慢性疾患である。」
と言う一文だった。
慢性疾患ということは、完治はむずかしい、ということ。
癌とともに生きる、という覚悟が 必要だということだ。

これから少し復習してみるとするか。