森の時間 SINCE 2002

Le Temps Du Bois

「緑化の視点から外来種・在来種を考える」

2005年08月31日 | 森林・自然・環境教育

2005年度「市民のための環境公開講座」の8月30日の講座は、都市緑化における外来種利用の必然性と妥当性を評価する、という「撲滅、外来種!」に逆行する持論を展開する大変ユニークな講演でした。

セイタカアワダチソウの有用性、在来種による地域固有の景観造りは幻想、「特定外来生物被害防止法」の運用は慎重に、等々、都市生活者の利便性と自然を克服し利用しようとする人間主体の発想です。講演者は、東京農業大学造園科学科の都市緑化技術研究室の近藤三雄という、都市の緑化、道路建設の緑化に長年携わって来た方です。さすがに日本全国に外来種を導入すべきとは言わず、都市と地方での手法は違う、都市部での緑化に外来種が適していると言う説明だが、地方と都市部との境界が定かでない。外来種は在来種の植生が根付いている地方には侵入しないというが、その根拠が論理的でない。地方の自然公園の外来種の花壇は人集めに成功している等と賞賛したり、多々疑問のある講演でした。公共事業に乗じて、そんな持論で都市化を推進してきたが、逆風が強くなってきて、しきりに正当化を図っているという印象でした。

色々な意見があって、議論され、社会が改善され進歩する。

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