森の時間 SINCE 2002

Le Temps Du Bois

テンダーネス-「森の時間③」

2009年04月05日 | 森林・里山・野活

Img_3339 冬枯れに包まれている一角に小さな変化。枯れた草、枯葉の間から柔らかそうな薄緑に輝く芽があちこちに顔を出し始めている。人里離れた静かな里奥。穏やかな日。優しいと言う表現は人間について形容する言葉で、自然が優しいというのは正しい表現ではないかもしれない。だけど、生命の復活、春の兆しが見え始めたこんな時、自然の優しさをふと思う。自然は何も言わずとも、能動的に働きかけずとも、受けてである人間はそれ自体に「優しさ」を感じる。

「春の喜び」、「夏が終わる悲しみ」や暴風雨になると「自然が怒っている」という言う。自然にある一番深い感情は、優しく育む喜び、「春の喜び」だろう。人の感情は自然の変化を感じる感性から生まれたのだと思う。「天地有情」という言葉はそういうことなのだろう。感性を有する人間にとって自然の変化はとても大切だ。Img_3332他の生物は人間と同じような感情はあるのだろうか。

春の山菜が採れるかもしれないという言葉に釣られてS代が同行した。藪に入ってフキノトウを無心に採る。S代が変わった。自然の優しさが満ちていると思った。 人の優しい部分と自然の優しさが通じ合っている。優しさに満ちた空間。 S代が籠一杯にフキノトウを摘んだ。

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