鳥の目線で見るジャングル

2013-06-05 20:31:08 | 鳥(Birds)


クビワヒロハシ(Eurylaimus ochromalus) Black-and-yellow Broadbill


ボルネオ3日目。ロッジで早めの朝食をとった後、6時半から鳥見を開始する。
6時から丁度明るくなり、30分後には鳥が探せるぐらいの明るさになる。朝のジャングルからは実に様々な鳥の声がして、時おりカサコソと葉を揺らして動く鳥影が見える。
「ビッ!ビビッ!」と鋭い地鳴きを発して飛んでいったコクモカリドリは、昨日ロッジの植え込みの花に来ていたのも見たけれど、あまりにも動きが速くて双眼鏡で追うのがやっとだ。コクモカリドリは動きは速いがすぐに全身を現してくれるので観察自体は容易。
しかしこの森で特に見づらいのがBabblerの類。彼らは、ただででさえ暗い熱帯雨林の、さらに暗い林床やブッシュの中が大好きで、なかなか姿を見せてくれない。体色も茶色やグレーを基調とした種が多くて背景に溶け込みやすいがために、識別も厄介だ。
唯一救いなのはBabblerの仲間は鳴き声が大きい種類が多いことである。だからまず鳴き声で識別して、声を発している場所のブッシュを丹念に双眼鏡で見ていると1秒ぐらいは姿を見せてくれることがあるから、そこですかさずものにするのだ。
この時も潜行性の強いアオメモリチメドリとセアカマルハシ、ズアカチャイロチメドリをやっとの思いで見た。

1人で歩いたら絶対迷いそうなトレイルの途中に突如階段が現われた。
その急な階段は樹冠の足場へと続いていて、そこから背の高い樹と樹の樹冠を狭いつり橋で繋ぐ「キャノピーウォークウェイ」が始まる。
キャノピーはこれまでも同ボルネオのグヌン・ムルやポーリンで何度か経験があったから、もうつり橋を渡る時の恐怖心は無かった。つり橋を渡る私から恐れを取り除いたら、後には好奇心と、樹の上層を歩きながらにして見渡せているという不思議な感覚が残った。まさにこの熱帯雨林の樹冠部に生息する鳥達がいつも見ている景色なのだ。
樹冠の足場部でしばらく静かにしていると、鳥の気配が結構する。
そのうち直線的な軌道で飛んできて、私のほんの目の前にとまったのは、おとぎの国から抜け出してきたかと思うほどコミカルな色と形をしたクビワヒロハシだった!マンウォッチングにでもやってきたのだろうか。
そして間もなく、とても嬉しい出来事が起こった。
なんと私が見ている前で、「ピュー、ピューピューピューピュピュピュピピピピピピピピピ......ッッ!」と段々リズムが加速していくトンデモナイさえずりを始めたのだった。このsongは一度聴いたら忘れられないほどに印象的だ。











【Danum Valley, Borneo, Malaysia(ボルネオ,マレーシア)/31th Dec, 2012】


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