サバクヒタキ(Oenanthe deserti orephila) Desert Wheatear
まだ夜明けから間もなく、沼から生まれた深い霧が冬の田に立ち込めている頃。
砂利が敷かれた農道の地面や刈り取られたまま耕されずに放置された稲株には霜が降り、辺りの景色はまるで色褪せた写真のようにコントラストを失っていた。
この見た目のみならず実にも寒い早朝の濃霧の中で、サバクヒタキは既に活発に行動していた。この鳥の繁殖地に比べたら、日本の環境なんて、ぬるい、ぬるま湯だよ、なーんて思っているのだろう。一方こちらは寒すぎて持っている三脚に手のひらが貼り付きそうだった。
朝日がとっくに出ているはずなのに辺りを暗くしていた霧はやがて晴れ、動かず冷え切った私の体を溶かす待望の朝日に照らされる頃、辺りをチュウヒが飛び始め、タヒバリがピィと鳴いて頭上をかすめていった。また、時折タゲリが10羽程度の群れで飛んで行き、遠くの農耕地に舞い降りた。
そして、ついには霜も完全に溶けた頃。小鳥が隠れるのには十分なほどに稲株が茂った田圃の中で遊んでいた先程のサバクヒタキが、辺りを見回すため目立つ場所に飛んできた。
【2010/12/21/千葉 Chiba,Japan/Dec.2010】
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