ノビタキ(Saxicola torquata stejnegeri) Common Stonechat
私にとっては初めての、秋の飛島。
行こう、行こうとは言っていたものの、同行するリンク先のひたき君(以下Y君)とは忙しくて中々打ち合わせを出来ずにいた。直前になって日程を決めることになった時、行きも帰りもどうしても絶対に欠航の憂き目に遭いたくないということで意見が一致した私達。天候、風向、波高情報と数時間おきに睨めっこをして最終決定をした日程案を伝える時、私はこう言った。「信じて」。
結果、船は予想通り出航となり、無事入島を果たした。・・・いいや、正確に言うと無事ではなかった。
私は昔からめっぽう船酔いに弱いのだ。今回も出航時はやる気に満ちて甲板に出ていたのだけれど、船が港から出てうねりを伴う波が船をかき回し始めると私の気分はあっと言う間に急降下して、島に着港するまで地獄の淵をさまよい続けた。
一度船酔いをすると半日は気持ち悪さが持続する私は、しばらく蒼白な顔をして言葉数も少なくなっていた。
荷物を宿に置いた後、島内をまわり始める。電線にとまるコサメビタキを横目に草地へ差し掛かると、ブッシュから木へ、パラパラと小鳥が飛び移った。ミヤマホオジロやアオジだ。
草むらの中には多数のセキレイが潜んでいて、そのうちハクセキレイは草が刈られて歩きやすい場所を、ビンズイとムネアカタヒバリは体が全て草に隠れるような区画を歩いていた。
そのうち、Y君が「alba?」と言う。彼の索鳥能力は本当に優れている。どんな状況下においても鳥をいの一番に見つけ出す能力や、脳内鳥蔵書目録の選択肢の引き出しの多さに関しては今のところ私はかなわない。
さて、このハクセキレイは翼帯が2本あることや少々不明瞭ではあるが胸と側頸に大小の黒い三日月模様がある点について、COLLINS BIRD GUIDEに載っているM.a.alba の冬羽にそっくりだ。しかしなるほど、確かに過眼線はある。
写真や詳しい言及はこちら→FIELDING NOTE
この個体は結局、ほんの数十秒観察した後に見失ってしまった。というのも、この草地周辺には海岸沿いのも合わせて数十羽のハクセキレイがうろうろしていて、いつの間にか草地のものと入れ替わっていたのだ。
写真も撮れなかった私の、観察時の感想を言わせてもらうならば、このハクセキレイ、観察時は確かに尾を「横に」振っていた。イワミセキレイがテイルフリックする時はこんな風に振るんだろうな、とその時思ったのを覚えている。
この草地は、島内では草丈が比較的低いため、適当な構造物や低木にとまって辺りを見回し、虫を見つけて舞い降りる、というような採餌方法をとるノビタキのような鳥にとっても格好の餌場になっていた。
【2011/10/08/山形 Tobishima Island,Japan/Oct.2011】
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むっちゃ恥ずかしいじゃないですか(汗)まあ確かに並みのバーダーに比べれば逝ってるレベルかもしれませんが、まだまだですよ~(^_^;)世界は広いです。。
ハクセキレイに関しては本日遅ればせながら追記という形で識者の方からのご意見を載せておきました。よろしければご覧くださいませ。
飛島記事、これ以降も楽しみにしております。僕のブログじゃなんか芸術性に欠けるというか、なんというか(笑)
世界にはあんなライフリストを持つ人とか、そんな神がかった写真を撮る人とか、ツワモノがウヨウヨいるわけだ。
そういう人を見る(知る)と、どこぞのマンガの主人公じゃないけど何か「ワクワク」してこない?本文にはそういう意味合いも含んでたりするのです。
僕等もただ指をくわえて見ているだけじゃなくて、鳥勉したり鳥見たり経験を積む度に、ほんの100分の1歩でもその境地に近付いた気がしてくる。むしろ、「いつか越えてみせるッ」って思ったりもする。
そんなところも鳥(生き物)をやっていて楽しい部分だったりするのかも。
アレ、ガラにもないこと言って話が脱線してしまった(笑)
>芸術性に欠けるというか
んなこたぁない。みんな違ってみんないいんです。