アリサンヒタキ(Tarsiger johnstoniae) Collared Bush Robin
阿里山の早朝。
例によって夜明けとともに起き出した私達は、大飯店(ホテル)から出て冷たい外気に身を晒し、眠気を振りほどいた。
まだ辺りはかなり薄暗いけれど、鳥の気配に満ちていた。というのも、そこかしこで羽ばたきや何かをつつく音がするのだ。
やっと目が利くようになってきた頃、茂みで動く影を双眼鏡で追うと、キクチヒタキの雄が隠れていた。次に、2羽で地面を跳ねるムクドリ大の鳥が道を横断した。目先の黄色斑がチャームポイントのヤブドリだ。さらに、すぐ近くの藪の中には、日本の亜種よりも随分冠羽の目立つヒガラがいる。また、お腹がまっ黄色のキバラシジュウカラもいる。針葉樹の一帯では、カケスが数羽で遊んでいた。カケスといっても台湾亜種で、日本のミヤマカケスの頭部の黒斑を無くしたような姿をしている。
阿里山鉄道の線路沿いを歩いていると、目の前の線路を囲う柵に小鳥がとまった。
肉眼でもその体色がわかる距離に居ながら、「も、もしかしてこれは....!」とわざとらしく言って、もったいぶる私達。双眼鏡に入れるまでの数秒、胸の高鳴りは最高潮に達し、顔の緩みに歯止めが利かなくなった。
アリサンヒタキだ!
初めての阿里山、鳥達による最高の歓迎である。
【2010/09/24/台湾、嘉義 Chia-i,Taiwan】
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こんな可愛い小鳥がこの世に存在するの?
写真見ただけでドキドキしたのに目の前で見たら心臓発作で倒れてしまうわこんなの。
前回台湾鳥三昧で浮かれて帰ってから、何か忘れ物をしたような気がして、よくよく思い出したら肝心のこの子に会っていなかった事を思い出し悔やみきれない。阿里山に行って見損なった事にも気が付かないなんてね。
これが存在しちゃうんです。
この表情は反則ですよね。僕らをときめかせてどう責任を取ってくれるんだとこの鳥に言いたいですよ(笑)
可愛さもさることながら、ルリビタキにカブトトカゲを掛け合わせたかのようなこのクールな赤黒の体色も紅蓮な感じでグッと来ます。
>arumさん
arumさんの行かれた時は、たまたま採餌混群にアリサンヒタキが混ざっていなかった、ということなのでしょうかね。例えば僕はタカサゴウソを見ていません。それとも繁殖期が関係しているのかもしれませんね...。はたまた、いい意味で「阿里山にまた来て欲しい」という何か大いなる存在の働きかけかもしれないですし。
何にせよ、次回はきっと見られることを祈っています。