ウンカのなかまの幼虫
ダナンの夜。人家の灯りに集まる蟲たちを見ていると、日本の南西諸島に生息しているものの「そっくりさん」がよくいる。例えばイチゴパフェことアカスジシロコケガ、ルリモンホソバ、オオトモエに似ているものの、それぞれ一部の模様が微妙に違ったりする。
マレーシアトリクイグモ(Cyriopagopus thorelli) Malay Earth Tiger
カレハカマキリの1種 Dead-leaf Mantid
コウグンシロアリの1種(Hospitalitermes sp.) Processional Termite
コノハギスの1種 Leaf Katydid
スズメガの1種 Hawk Moth
【Danum Valley, Borneo, Malaysia(ボルネオ,マレーシア)/30th Dec. 2012 - 3rd Jan. 2013】
トラフタテハ(Parthenos sylvia) Clipper
雨の合間に陽が射せば、蟲たちは一斉に活動を始める。
この日、チョウはトラフタテハの他にもストリオオゴマダラ、ハレギチョウ、イワサキタテハモドキ、アンフリサスキシタアゲハなどを見た。
食糞群のコガネムシの1種
同じ色をしたコガネで私の部屋の中に入ってきていたものは、頭部から伊達政宗の兜みたいなカッコイイ角が生えていたが、写真を撮ろうとしたら逃げられてしまった。
Tractor Millipede (Barydesmus sp.)
ボルネオでは良く見る大きいヤスデ。直訳すると和名はトラクターヤスデ?
真っ赤なマルヤスデの仲間や巨大ダンゴムシことネッタイタマヤスデもロッジの周りで見かけた。
【Danum Valley, Borneo, Malaysia(ボルネオ,マレーシア)/30th Dec. 2012 - 3rd Jan. 2013】
Four-clawed House Gecko(Gehyra mutilata)
ジャングルの夜は昼間に比べて涼しくて、実に過ごしやすい。涼風に当たるのが気持ちよくて、私は毎日のように1人で森を歩いた。
昼間にThree-keeled Ground Skink(Mabuya rudis)がチョロチョロ走っていた木道には灯りがともっていた。そして案の定、そのライトの横の暗い壁面にはヤモリが所狭しとギュウギュウに詰まり、飛来する小虫を待ち構えていた。良く見れば数種類がいる。
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ホソユビヤモリの1種(Cyrtodactylus sp. matsuii or yoshii or other...) Bent-toed Gecko
昼間に目が大きくて可愛らしい顔つきのリッタースキンクの1種がいた細い林道。
樹上で眠るモリドラゴンの1種の下をくぐり歩くと、とある木の幹に大型のホソユビヤモリがべったりと張り付いていた。このグループは指下板が無いくせに、平気で垂直面を歩く。
ヒョウトビガエル(Rhacophorus pardalis) Harlequin Tree Frog
小さな池の周りでは、赤くて大きなヒョウトビガエルが数個体見られた。写真をとっていると驚いてジャンプして私に跳びついてきたこのカエルは、跳ぶ時には発達した水掻きをめい一杯広げて飛距離をかせぐ。静止時にはあまり見えないその水掻きの色はとても鮮烈な赤で、思わずドキッとさせられてしまう。
Dark-eared Tree Frog(Polypedates macrotis)
ダナンのロッジ群と薄い森を挟んだ隣には、ロッジに勤務するスタッフの宿舎が立ち並ぶ開けた場所があるが、ここの環境も夜の生き物達を見るには都合が良いのだ。宿舎のライトには蟲が集まり、それを食べにヤモリが集まる。この日、とある家屋の壁には巨大なトッケイヤモリが張り付いていた。
サッカーのゴールポストや電柱にとまるオオフクロウを見た後にグラウンド脇に並ぶ背の低い木をチェックすると、数種類のカエルが見られた。
Jade Tree Frog(Rhacophorus dulitensis)
【Danum Valley, Borneo, Malaysia(ボルネオ,マレーシア)/30th Dec. 2012 - 3rd Jan. 2013】
コシラヒゲカンムリアマツバメ(Hemiprocne comata comata) Whiskered Treeswift
昼になり、ロッジに戻って食事をする。毎日雨ばかり降っているとはいえ、赤道直下の日中は結構な気温と湿度で、食欲が減退してしまうことすらある。
このロッジは毎食バイキング形式なので好きなものを好きなだけ頂くことが出来るのだけれど、この日は大好きなラムが出てきたのにも関わらず、私は皿に控えめに盛りつけたそれを食べきったところでフォークが止まってしまった。
そんな時には、フルーツを食べるに限る。いくら食欲がなくても果物だけは別腹なのだ。
結局この昼私はおよそ28個のマンゴスチンをたいらげ、皿にマンガ盛りになった殻を残して満足気に立ち去った。
すれ違ったウェイターに「いや驚いた。君はよっぽどマンゴスチンが好きなんだな」と言われた。「まあね、美味しかったよ。」そう眠そうにこたえた私は、自分の部屋に戻って昼寝と洒落込んだ。
昼寝から目覚めた後は、歩いて午後の鳥見へ繰り出す。
珍しく昼間にロッジ周辺をうろつくマレーウオミミズクを数年前のスカウで見た以来久しぶりに見たり、ゴーグルをつけているみたいなミドリヒメコノハドリを見ていると、また辺りが雨雲で暗くなり、そしてやはり雨が降り出した。
この時は雨雲の様子を伺い空を見た時に高木の梢にとまっていたズグロサイチョウ、ロッジへと戻る暗い林内で見たバラエリキヌバネドリが初見となった。
【Danum Valley, Borneo, Malaysia(ボルネオ,マレーシア)/2nd Jan, 2013】