7月に見つけた野草の花
シシンラン(石弔蘭)
Lysionotus pauciflorus Maxim.
イワタバコ科 シシンラン属
花 期 : 7~8月
生育地 : 樹木や岩壁に着生する
分 布 : 本州(伊豆半島、京都府以西)~沖縄
RL指定 : 環境省絶滅危惧Ⅱ類
撮 影 : 7月 福岡県
植物の種子には、発芽に光が必要な好光性種子と、光が必要ない嫌光性種子がある
好光性種子の発芽には、水、温度、酸素の条件に加えて、光によるフィトクロムというタンパク質の活性化が必要なのだが、嫌光性種子の場合、活性化に光を必要とせず、水、温度、酸素の条件が整えば発芽する事ができるのだ
植物の半数ほどは光発芽性と言われ、シシンランの種子も好光性種子のようだ
シシンランの種子の発芽率は、60日間で80%と高いが、温度は20℃以上が必要との報告がある
シシンランの生育には、適切な光環境が必要で、暗すぎても明るすぎてもよくないとの記述がみられる
以上のように、発芽生育の環境には、温暖で、安定したシイ類やカシ類などの常緑広葉樹の極相林が適していると思われる
福岡県の自生地は、古くから知られているそうだが、長い間繁栄できたのは、遷移の最終段階である極相林で着生生活する生態が幸いしているのかもしれない
しかし、その安定した自生環境も、開発により壊され、移植が実施されたそうだ
初版 2024年07月25日
画像アップロード 20240725
記事アップロード 20240725