6月に見つけた野草の花
オニノヤガラ(鬼の矢柄)
Gastrodia elata Blume
ラン科 オニノヤガラ属
花 期 : 6~7月
生育地 : 山地の林床、林縁、草地
分 布 : 北海道~九州
RL指定 : 大分県絶滅危惧Ⅱ類
撮 影 : 6~7月 大分県
菌従属栄養植物は限られた少数の菌と特別な関係を築くが、そうしなければ共生菌をだまして栄養を搾取し続けるための共進化が難しくなるからなのだ
オニノヤガラは、巨大な菌糸ネットワークを構築するナラタケと共生する事に成功し、その花茎は、丈1mにも生長する事がある
一般的にナラタケと呼ばれているものは、複数の生物学的種の集合である事が明らかにされた(Cha et al. 1993)
オニノヤガラの根茎からは、Armillaria gallica、A. nabsnona、A.cepistipesが検出され、A.gallicaが優先的であった(Kikuti et al. 2008)
オニノヤガラの生活史は、まず小型の休眠根茎に菌糸束が侵入し、その根茎が成長して花茎に花をつける
その後、根茎は腐れて多くの小型根茎を形成する(Cha et al. 1993)
なお、オニノヤガラの発芽誘導はクヌギタケ属に依存すると言われている
ちなみにオニノヤガラは、光環境により繁殖様式に影響を受け、暗い環境ではアポミクシスにより受精を伴わない種子生産を行うが、明るい環境では、コハナバチの送粉により有性生殖を行う事が多い
初版 2023年7月4日
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