6月に見つけた野草の花
ナヨテンマ(弱天麻)
Gastrodia gracilis Blume
ラン科 オニノヤガラ属
花 期 : 6~7月
生育地 : 腐葉が堆積した林床
分 布 : 千葉県以西に隔離分布
RL指定 : 環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類 長崎県:絶滅危惧ⅠA類
オニノヤガラ属は菌従属栄養植物で、成長に必要な炭素の供給を全て菌根菌へ依存している
オニノヤガラ属の多くは、クヌギタケ科あるいはホウライタケ科の菌と共生しており、特に種子発芽の誘導に重要な役割を果たしている事が知られているが、他のラン科植物ではほとんど見られない
ナヨテンマは、Textorが日本からオランダに送った標本に基づいて1856年に分類学者Blumeによって記載され後、長い間発見されず幻の植物とされていた
1952年に津山尚博士が100年ぶりの再発見として報告したものは、牧野富太郎博士のコレクションの中で見つかったもので、1934年に広島市南原峡で採集した標本であった
Blumeの発表以来100年あまりの間、実際の植物は発見されなかったことでもその希少さが知られている
ナヨテンマは、草丈10~60cmの菌従属栄養植物
地下に細長い塊茎があり、初夏に花茎を伸ばし、頂部に花柄を出して、長さ1~2cm程度の鐘形で淡褐色の花を3~20個つける
唇弁は三角形で基部は切形、縁は細裂しない
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