7月に見つけた野草の花
ヤマアジサイ(山紫陽花)
Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata
アジサイ科 アジサイ属
花 期 : 6~7月
生育地 : 山地のやや湿潤な場所
分 布 : 本州(福島県)~九州
RL指定 : なし
撮 影 : 6月~7月 長崎県 大分県
アジサイの花の色は、生育する土壌pHにより変化する事は、よく知られているが、実際は、二種類のpHが関係する
一つは土壌pHで、一般的にpH5.5以下を酸性土壌といい、植物の成長が妨げられる
アジサイは、酸性土壌に強い植物で、そのような土壌環境で溶け出すアルミニウムイオンを吸収し、萼片でアントシアニンと錯体形成して青色を発色する
pH6以上の中性土壌では、アルミニウムイオンはほとんど水に溶けず、吸収される事はない
もうひとつは、ガク片の中の細胞のpH(液胞pH)である
液胞内部のpHは酸性で、これは無機イオン、有機酸、アントシアンその他の化合物が液胞膜を通して選択的に輸送・蓄積された結果である
青色品種は液胞pHが平均4.1、赤色品種は3.3であるが、品種間差、個体差がある
時間とともに色が変わる要因としては、液胞pHの変化および助色素の量的変化が最も考えられる要因である
なお、白花のアジサイに関しては、もとよりアントシアニンを含有していないので、土壌pH、液胞pHに関係なく、白い色となる(下図)
名古屋大学人間環境学部 吉田久美教授の記述を引用した
初版 2016年6月15日
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