7月に見つけた野草の花
ヒゼンハナゼキショウ(肥前花石菖)
Tofieldia nuda Maxim. var. hizenensis T.Yamaz.
チシマゼキショウ科 チシマゼキショウ属
花 期 : 6~7月
生育地 : 湿り気のある岩場
分 布 : 長崎県、佐賀県
RL指定 : 佐賀県絶滅危惧Ⅰ類
撮 影 : 7月 佐賀県
2024年7月17日現在、Ylistには、ヒゼンハナゼキショウは、ハナゼキショウのシノニムとはなっておらず、変種として掲載されている事から、この図鑑では、種名をヒゼンハナゼキショウ(Tofieldia nuda Maxim. var. hizenensis T.Yamaz.)とした
佐賀県黒髪山には、ハナゼキショウに似る、通称クロカミゼキショウなるものが存在する
山崎敬(T.Yamaz.)は、黒髪山と長崎県平戸島に自生するものは、走出枝を持たず、花柄が短く、果実が広楕円形であることは、ハナゼキショウに似るが、ハナゼキショウとは分布が離れていること、果実がやや小さいことで変種として区別すると提唱し、ヒゼンハナゼキショウと命名した
しかし、田村実(M.N.Tamura)や岩槻邦男(K.Iwats)らは、ヒゼンハナゼキショウはハナゼキショウと区別しないとの見解
ハナゼキショウ(T.nuda)には分布を異にする4変種が存在する(T.Yamaz. 2002)
それは、愛知県、三重県、福井県のハナゼキショウ(var.nuda)、栃木県のヤシュウハナゼキショウ(var. furusei)、屋久島のヤクシマチャボゼキショウ (var.yoshiiana)、佐賀県、長崎県のヒゼンハナゼキショウ(var. hizenensis) である
最終的には、分子系統解析に基づき、ハナゼキショウ(広義)は、ハナゼキショウ(T.nuda)、ヤシュウハナゼキショウ(T.furusei)、ヤクシマチャボゼキショウ(T.yoshiiana)に分けられた
これら3種は近縁とはいえず、それぞれが独立種と位置づけられたのである(Tamura 2004)
また田村は、ヤクシマチャボゼキショウ(広義)の中に、ヒュウガハナゼキショウ(新変種)とコハナゼキショウの2変種を提唱した
初版 2017年7月13日
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