花追い放浪記

登山や野草観察のブログです
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ゲンカイイワレンゲ

2024-12-04 | 花散策

このところ毎年観察しているゲンカイイワレンゲ

そろそろ見ごろだろうと、昨日出かけてみました

 

切り立つ断崖にへばりつくゲンカイイワレンゲ

 

ここでは、盗掘が横行し自生数が激減したため、植栽が行われたようだ

たくさん自生しているように思ったが、ほとんどは植栽株由来だそうで、ちょっと残念

植栽株の起源が不明との事で、遺伝的攪乱が懸念される

 

国内の分布は、福岡県と対馬との事

ゲンカイイワレンゲは、東シベリアと中国北部に分布している、O. malacophyllus(タイプ産地はダウリア)と同一とされ、O. malacophylla var. malacophyllaとされた

ylistによると、O. malacophyllus(広義)の変種は、現在次の3変種

①コモチレンゲ    O. malacophylla var. boehmeri

②イワレンゲ     O. malacophylla var. iwarenge

③ゲンカイイワレンゲ O. malacophylla var. malacophylla

 

かつて、O. malacophyllus(広義)の変種と定義されていたものは、現在のYlistでは以下の学名となっている

レブンイワレンゲ Hylotelephium ohbae(シノニム O. malacophylla  var. furusei)

アオノイワレンゲ Hylotelephoum malacophyllum var. aggregeatum(シノニム O. malacophylla  var. aggregeat)

ウスベニレンゲ  Hylotelephium malacophyllum var. aggregeatum(シノニム O. malacophylla  var. aggregeata f. rose)

Hylotelephoumはスペルミスで、Hylotelephiumだと思われるが、なぜムラサキベンケイソウ属に分類されているのか?

2007年の分子系統解析では、イワレンゲ属に分類されていたのに・・・

 

ゲンカイイワレンゲとイワレンゲの葉の比較

イワレンゲはゲンカイイワレンゲと比較して、葉の色が青味がかっている

葯の色はイワレンゲは黄色、ゲンカイイワレンゲは濃赤紫色と言われているが、山口県のレッドリストによると、イワレンゲの葯の色は、黄色~汚淡紅色とされている

 

ゲンカイイワレンゲの花序

 

今年は、シマカンギクの花が多く見られた

 

当日の波は穏やかなものだった

実は、当日大分まで、ツツザキノコンギクとキバナノジギクの調査に行こうとおもったのだが、寝坊してしまったのだ(''◇'')ゞ

大分に自生するツツザキノコンギクは、園芸種のチョクザキヨメナ(Aster microcephalus var. ripensis f. tubulosus)の原種なのだろうか?

今年で3年目の観察なので、筒咲きと矮化の形質が固定化されている事が今回確認できると思っていたのに無念である

なお、チョクザキヨメナは、学名からタニガワコンギクの品種と定義されている

また、私がキバナノジギクとしたものは、ひょっとするとニジガハマギクではないかと思い始めたのだ

ニジガハマギクがノジギクとシマカンギクの雑種であると仮定すると、それは、光市に限らず、両者が自生する地域に広く見られるものであると論文に記載されている

それではさようなら(=゚ω゚)ノ