12月11日 水曜日
毎年観察を続けている植物の自生地を訪問しました
薄暗い林床に地下茎を這わせて、花を咲かせるツツザキノコンギク
舌状花が筒状に丸まっている野菊については、ツツザキヤマジノギクやツツザキヤナギノギクが知られているが、ツツザキノコンギクは学術的に定義されていない
チョクザキヨメナなるものが園芸種として流通しており、学名はAster microcephalus var. ripensis f. tubulosus とされ、タニガワコンギクの品種と定義されている
タニガワコンギクは、今ではセンボンギクと同一とされているので、センボンギクの品種という事になるだろう
クローナル植物であり、各ラメットは、地下茎により連結され、光合成産物や無機栄養をお互い融通しあっている
この自生地では、地下茎は地表に露出しており、クローナル成長の様子がよくわかる
各ラメットの草丈(地下茎からの高さ)は、2年前から変わらず矮性を保っており、5cm~10cm程度
筒咲の形質も2年前から変わらず、すべてのラメットがその性質を示している
頭花は、各ラメットに1~2花(1花の場合が多い)
花の大きさは3cm程度、葉の長さは大きなものでも2.5cm程
総苞片はノコンギク同様3列で、葉は表裏とも短毛が生えザラザラしている
ここには多くのラメットが見られるが、それらがすべて同一個体のものであるのかはわからない
集団は少し距離をおく2群に大別され、それら2群の形態に大きな差はない
この自生地の個体に特徴的な形質は、筒咲に咲く舌状花と矮化で、それらは3年間の観察の結果、固定化されていると考える
ただ、それが遺伝的なものなのか、環境的な要因なのかはなんとも判断しかねる
種子を採取し、光環境や養分の良好な環境下で栽培しても、それらの形質が維持されるのか確認したいと思っている
3年間その形質が維持されている事で、いつものように、この植物を勝手に命名してみよう
その名は、ヒメツツザキノコンギク(コウ命名)
舌状花が筒状となり、草丈が非常に小さい特徴を反映した名である
報告されている各種野菊とゲノムを比較すると新種と判断される可能性も0ではないのかもね
まぁ~ この手植物の種子は長距離散布される場合があるので、園芸品が逸出して、環境により形態変化した可能性もありますが
どうなんでしょうね
長くなりそうなので、次回キバナノジギクに続く('ω')ノ