12月11日
ツツザキノコンギクを観察した後、近くの海岸でノジギクを観賞した
波打ち際の崖地には、ノジギクが多く見られる
海岸が大好きなキダチアロエの葉もみられるね
花が終盤を迎え、舌状花がピンクに染まった頭花もみられる
後ほど謎の野菊と比較するため、ノジギクの葉を採取した
コウヤボウキの群生地を覗いてみたが、花は完全に終了しており残念●)ToT(●
次に謎の野菊の自生地を訪問
ここでは、仮にキバナノジギクとして話を進めます
一昨年発見し、頭花が小さく、舌状花が少ないもののキバナノジギクとしたこの野菊
ひょっとして、ニジガハマギクではないかと思い始めた
この地域では、3か所の自生地を見つけているが、いずれの場所にも黄花と白花が混生しており、黄花の舌状花は、色が濃いものから非常に薄いものまでさまざま
牧野日本植物図鑑によるとニジガハマギクは・・・
ノジギクとシマカンギクとの中間形質を示す事から、両種間の自然交雑種と言える
葉は広卵形または卵形、鋭頭、基部は微心形または切形で羽状深裂または尖裂し、裂片はシマカンギクより広く、鋸歯は鈍いが、ノジギクと比較して鋸歯はとがる
シマカンギクに似る黄花(稀に白花)をつけ、舌状花は15~20
下図は淡黄色の花で、このタイプが一番自生数が多い
色見本と比較
日本色研事業の199a-It8+が舌状花の色に最も近い
僅かに黄味がかった花もみられる
こちらは白花
舌状花の数が少ないが、第一印象はノジギクに見える
葉の比較
牧野氏によると
「葉は広卵形または卵形、鋭頭、基部は微心形または切形で羽状深裂または尖裂し、裂片はシマカンギクより広く、鋸歯は鈍いが、ノジギクと比較して鋸歯はとがる」
とあるが、ノジキク系の葉は、変異が大きいので、型にはめるのは難しいと思う
下図の採取した葉は、牧野氏の意見には合致しないが、この自生地の個体の葉は変化に富み、多様な形態を示す
(一番右が先ほど採取したノジギクの葉)
ニジガハマギクの標本(画像上)と、キバナノジギク(画像下)の葉の比較
標本の葉は、キバナノジギクより鋸歯が尖っているように見える
総苞片の比較
黄花は総苞片の幅が広く、シマカンギクにも似るが、毛が生えているので無毛のシマカンギクとは異なる
ノジギクと比較すると、キバナノジギクの総苞片の毛量は少なく見える
葉表の毛
ノジギクと比較すると、キバナノジギクの毛量は少ない
シマカンギクの葉表は、無毛もしくは、極短毛がまばらに生える
葉裏の毛
ノジギクと比較すると、キバナノジギクの毛量は少ない
シマカンギクの葉裏は、丁字状毛が散生する
頭花の大きさと舌状花の数
ノジギク 3.3cm 13~21枚
キバナノジギク 2.8cm 12~21枚
キバナノジギク白 2.8cm 10~15枚
(牧野氏の意見によると、ニジガハマギクの舌状花は15~20枚)
シマカンギクの頭花は、2~2.5cm 14~20枚
ノジギクと比較してキバナノジギク(特に白花)は、頭花が小さく、舌状花は少ない傾向がある
頭花の大きさ、舌状花の数、総苞片の形状と毛量、葉の毛量を鑑みると、シマカンギクとノジギクの中間形態とも言えなくもないような
ニジガハマギクの系統については諸説あるが、牧野氏の説を正と仮定すると、ここに示した植物はキバナノジギクではなく、ニジガハマギクなのかもしれない
しかし、葉の形態はニジガハマギクとは違って見えるな
ちょっと素人には難しい判断ですね(*_*;
染色体数
ニジガハマギク 2n=6x=54
シマカンギク 2n=6x=54 九州には 2n=4x=36 もある
ノジギク 2n=6x=54
今回の観察でも結論はでなかった('ω')ノ