花追い放浪記

登山や野草観察のブログです
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キバナノジギク 大分県

2024-12-14 | 花散策

12月11日

ツツザキノコンギクを観察した後、近くの海岸でノジギクを観賞した

 

波打ち際の崖地には、ノジギクが多く見られる

海岸が大好きなキダチアロエの葉もみられるね

 

花が終盤を迎え、舌状花がピンクに染まった頭花もみられる

 

後ほど謎の野菊と比較するため、ノジギクの葉を採取した

 

コウヤボウキの群生地を覗いてみたが、花は完全に終了しており残念●)ToT(●

 

次に謎の野菊の自生地を訪問

ここでは、仮にキバナノジギクとして話を進めます

 

一昨年発見し、頭花が小さく、舌状花が少ないもののキバナノジギクとしたこの野菊

ひょっとして、ニジガハマギクではないかと思い始めた

この地域では、3か所の自生地を見つけているが、いずれの場所にも黄花と白花が混生しており、黄花の舌状花は、色が濃いものから非常に薄いものまでさまざま

 

牧野日本植物図鑑によるとニジガハマギクは・・・

ノジギクとシマカンギクとの中間形質を示す事から、両種間の自然交雑種と言える

葉は広卵形または卵形、鋭頭、基部は微心形または切形で羽状深裂または尖裂し、裂片はシマカンギクより広く、鋸歯は鈍いが、ノジギクと比較して鋸歯はとがる

シマカンギクに似る黄花(稀に白花)をつけ、舌状花は15~20

 

下図は淡黄色の花で、このタイプが一番自生数が多い

 

色見本と比較

日本色研事業の199a-It8+が舌状花の色に最も近い

 

僅かに黄味がかった花もみられる

 

こちらは白花

舌状花の数が少ないが、第一印象はノジギクに見える

 

葉の比較

牧野氏によると

「葉は広卵形または卵形、鋭頭、基部は微心形または切形で羽状深裂または尖裂し、裂片はシマカンギクより広く、鋸歯は鈍いが、ノジギクと比較して鋸歯はとがる」

とあるが、ノジキク系の葉は、変異が大きいので、型にはめるのは難しいと思う

下図の採取した葉は、牧野氏の意見には合致しないが、この自生地の個体の葉は変化に富み、多様な形態を示す

(一番右が先ほど採取したノジギクの葉)

 

ニジガハマギクの標本(画像上)と、キバナノジギク(画像下)の葉の比較

標本の葉は、キバナノジギクより鋸歯が尖っているように見える

 

 

総苞片の比較

黄花は総苞片の幅が広く、シマカンギクにも似るが、毛が生えているので無毛のシマカンギクとは異なる

ノジギクと比較すると、キバナノジギクの総苞片の毛量は少なく見える

 

葉表の毛

ノジギクと比較すると、キバナノジギクの毛量は少ない

シマカンギクの葉表は、無毛もしくは、極短毛がまばらに生える

 

葉裏の毛

ノジギクと比較すると、キバナノジギクの毛量は少ない

シマカンギクの葉裏は、丁字状毛が散生する

 

頭花の大きさと舌状花の数

ノジギク     3.3cm 13~21枚

キバナノジギク  2.8cm 12~21枚

キバナノジギク白 2.8cm 10~15枚

(牧野氏の意見によると、ニジガハマギクの舌状花は15~20枚)

シマカンギクの頭花は、2~2.5cm 14~20枚

 

ノジギクと比較してキバナノジギク(特に白花)は、頭花が小さく、舌状花は少ない傾向がある

頭花の大きさ、舌状花の数、総苞片の形状と毛量、葉の毛量を鑑みると、シマカンギクとノジギクの中間形態とも言えなくもないような

ニジガハマギクの系統については諸説あるが、牧野氏の説を正と仮定すると、ここに示した植物はキバナノジギクではなく、ニジガハマギクなのかもしれない

しかし、葉の形態はニジガハマギクとは違って見えるな

ちょっと素人には難しい判断ですね(*_*;

 

染色体数

ニジガハマギク 2n=6x=54

シマカンギク  2n=6x=54 九州には 2n=4x=36 もある

ノジギク    2n=6x=54

 

今回の観察でも結論はでなかった('ω')ノ