11月に見つけた野草の花
キチジョウソウ(吉祥草)
Reineckea carnea (Andrews) Kunth
クサスギカズラ科 キチジョウソウ属
花 期 : 9~11月
生育地 : 樹林下、林縁
分 布 : 関東~九州
RL指定 : なし
撮影 10~11月 長崎県
キチジョウソウは、一般的に陰性植物とされ、暗い樹林下などの日陰に生育している
にもかかわらず、適度な日射を受けられる場所で生育しない場合めったに花を咲かせる事がないように思う
陰性植物は、樹林下などの日陰の場所で生育できる植物で、上層木に被覆されて直射光が届かず、風通しもよくない場所に自生する
このような植物は、弱光下での光合成効率(葉の単位重量当たりの光合成速度)が高く、十分な光合成産物を得る事ができるのだが、強光下では明反応が過剰となり障害(強光障害)を起こしてしまう
キチジョウソウは強陰耐性が非常に高く、相対照度0.1%の強陰状態でも被害が軽微である
それにも関わらず、相対照度100%の陽光状態でも十分生育が可能だと論文に記されている
このような植物は、公共緑化用の地被植物に適しているという事だ
キチジョウソウは、根茎による旺盛な栄養繁殖能力を有するが、競合には弱く、雑草が繁殖するような場所での生育状況は思わしくない
あまり花を咲かせない事から、繁殖は栄養繁殖がほとんどではないかと考える
初版 2017年10月31日
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