10月に見つけた野草の花(長崎県)
シマシャジン(島沙参)
Adenophora tashiroi (Makino et Nakai) Makino et Nakai
キキョウ科 ツリガネニンジン属
花期 : 9~11月
生育地 : 海岸付近の草地
分布 : 長崎県
RDB指定 : 環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類 長崎県:絶滅危惧Ⅱ類
今年(2021年)は、久しぶりに長崎県へ里帰りし、シマシャジンの自生地を訪れてみた
10月4日時点で、すでに花が終盤を迎えている自生地もあったが、まだまだ蕾で開花していない場所もある
以前見つけた白花がないかと、期待していたのだが、今年は見られない
気になったのは、林縁に数株自生していたものがすっかりなくなっていた事
自生地情報はかなり拡散しているので、盗掘が増えるのは当然の事である
平戸島の自生地は盗掘と植生の遷移で危機的状況となっており、なんらかの対策が必要なのかもしれない
しかし、保護地とし看板など設置しようものなら、更なる情報の拡散をまねき盗掘に拍車がかかるだろう
カノコユリやクロカミランが良い例なのだ
昔は草原だった場所は、今はその面影もなく変わり果てている
シマシャジンの自生地付近には、昔の名残で草原性の植物が自生して、場違いというか違和感のようなものを感じさせる
シマシャジンは草丈20~50cm程度の合弁花類キキョウ科の多年草
茎は斜上し、花序が分枝して青紫色で釣鐘型の花を多数咲かせる
葉は厚みがあり、卵形~広卵形、葉縁は鋸歯状で互生する
国内の自生地は長崎県の島嶼部のみ
APGではサイヨウシャジンと同一との記述も見られるが、実際花の大きさが全然違うし、サイヨウシャジンの葉は輪生または対生で、シマシャジンは互生と違いがある
どうやら、琉球列島のサイウヨウシャジンの花は大きいようで、シマシャジンはそちらのものに近いのか?
しかし、琉球列島のものは葉が全縁との事なので、やはり違う
ちなみに福江島のシマシャジンは、平戸島のものよりも小ぶりのようだ
平戸島では絶滅を免れる事は難しいと思われるが、できるだけ長くそこで花を咲かせてもらいたいと願う
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