2月に見つけた野草の花
ユキワリイチゲ(雪割一華)
Anemone keiskeana T.Itô ex Maxim.
キンポウゲ科 イチリンソウ属
花 期 2~4月
生育地 樹林内、林縁、竹林
分 布 本州(近畿以西)~九州
RL指定 大分県絶滅危惧Ⅱ類
撮影 2月~3月 大分県
ユキワリイチゲは、春植物(スプリングエフェメラル)と言われる
春植物の定義について疑問があったので、少し論文を調べてみた
典型的な春植物:上層木の落葉樹が萌芽し展葉するまでのあいだ、つまり林床の明るい3月下旬から5月下旬までのわずか2ヶ月足らずの期間に、出芽、開花、結実を終えて地上部が枯死する植物(養父 1988)
一般に春植物と呼ばれているのは、温帯夏緑樹林の林床に生育する多年生草本植物のうち、特に林床に光が豊富な早春から樹木の展葉までの短期閥に、展葉・開花・結実を行なう植物群を指す(hayashi et al. 2005)
論文には、早春に出芽、展葉するとの記述がみられるが、ユキワリイチゲは冬が到来する前に展葉し、越冬するのだ
参考になる論文を見つけたので以下に転記してみた
ユキワリイチゲの果実(田村道夫 1982)より
ユキワリイチゲは早春に開花し、晩春に地上部は枯れる
葉は秋に地上に現われ、スプリングエフェメラルの暖地に適応した一変型とみなされる
通常種子による繁殖は行わず、地下茎で栄養繁殖を行う
栄養繁殖については、約30万種と言われる被子植物のうち、約7割がその能力を持つという報告がある
痩果は1個だけつき、長楕円形で細毛が生え、長さ9mm程
染色体数は 2n=4x=28で4倍体
一般にキンポウゲ科は自家受粉が多いが、ユキワリイチゲは自家不和合性の稀な例である
春植物というものの定義は少し曖昧で、ユキワリイチゲがそうであると断言できるものなのか?
素人の感想でした
初版 2017年3月17日
画像アップロード 2024年1月30日
記事アップロード 2024年2月27日