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10月に見つけた野草の花
ツユクサシュスラン(露草繻子蘭)
Goodyera foliosa (Lindl.) Benth. ex C.B.Clarke var. foliosa
ラン科 シュスラン属
花 期 : 9~11月
生育地 : 山地の樹林下、沢沿いの林縁、林床
分 布 : 伊豆、小笠原諸島 四国 九州
RL指定 : 長崎県絶滅危惧ⅠB類
撮影 9月~10月 長崎県 佐賀県
ツユクサシュスラン(広義)は、種内形態変化により、日本には2種が生息している
アケボノシュスラン(var.laevis)は、北海道~九州の広い範囲に生息しているが、ツユクサシュスラン(var.commelinoides)は四国、九州~沖縄および伊豆諸島、小笠原諸島に限り自生している
アケボノシュスランは、種内に倍数性をもっており、異なる倍数体は特に広島県で顕著にみられる
広島県では、2倍体の 2n=28と4倍体の2n=56 の個体が確認できるが、より西の地域での染色体数は 2N=56であった
よって、低い染色体数はより東の集団に由来すると推測される
九州および沖縄地方におけるこれまでの調査で、ツユクサシュスランおよびアケボノシュスランの2倍体は見つかっておらず、本州北部では4倍体は確認されていない
よって、G. foliosaの4倍体化は、高温耐性獲得による、南方への分布拡大を意図しているのかもしれない
ちなみに、葉緑体ゲノム配列に基づく分子系統解析では、G. foliosaとG. schlechtendalianaの間に非常に密接な遺伝的関係が示された
形態的に近いシュスランより、ミヤマウズラの方がより近縁だとは意外なことである
湿った岩壁に群生するツユクサシュスラン
初版 2015年9月22日
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