10月に見つけた野草の花
トモエシオガマ(巴塩竈)
Pedicularis resupinata L. subsp. teucriifolia (M.Bieb. ex Steven) T.Yamaz. var. caespitosa Koidz.
ハマウツボ科 シオガマギク属
花 期 : 8月~10月
生育地 : 山間の草地
分 布 : 近畿以北
RL指定 : なし
撮影 10月 熊本県
トモエシオガマという植物は、よくわからないものである
分布は、近畿以北の亜高山~高山帯という事になっているが、なぜか大分県のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠB類に分類されている
また、福岡県の平尾台に自生するとのブログが見られるのである
シオガマギクの変種とされ、区別点は花が茎先に集まり、ねじれた花冠が巴形に並ぶ
また、葉はシオガマギクよりやや幅広だという
下図、阿蘇で撮影した個体の花は、茎先に集まり巴形になっている
茎の下の方に花がついているように見えるが、よく見ると下部から分枝した茎の頂部に付いた花なのである
私の認識が違っているのかもしれないが、阿蘇で撮影した個体はトモエシオガマとして整理する事にした
ハマウツボ科の植物の多くは寄生植物で、トモエシオガマ(シオガマギク)も同様だが、普通葉を持ち光合成も行うので、半寄生植物という事だ
根に吸器を形成して、宿主の根に侵入し、宿主の維管束と自己の維管束をつなげ、栄養を横取りする
コシオガマを用いた試験では、寄生されたシロイヌナズナの根が4倍にまで肥大化したそうだ
これはコシオガマが吸器を介して、自ら生成した成長ホルモンをシロイヌナズナの根へ注入し、宿主の二次成長を促したのだ
宿主の維管束を肥大させることで、効率的に栄養を奪う事ができるというわけだ
初版 2017年9月8日
記事アップロード 2022年10月16日
画像アップロード 2022年10月15日