10月に見つけた野草の花
アキザキヤツシロラン(秋咲八代蘭)
Gastrodia confusa Honda et Tuyama
ラン科 オニノヤガラ属
花 期 : 9~10月
生育地 : 竹林、広葉樹林、人工林
分 布 : 関東以西
RL指定 : 大分県絶滅危惧ⅠB類
撮影 9月~10月 大分県 福岡県
アキザキヤツシロランの生育地は竹林や広葉樹林がほとんどだが、このアキザキヤツシロランは人工林内に生育している
菌従属栄養植物と人工林はあまり結びつかないように感じるのだが、それはスギ、ヒノキ林にキノコが少ない印象があるからではないだろうか
撮影:大分県
スギ、ヒノキはアーバスキュラー菌根を形成し、グロムス菌と共生しており、それは子実体(キノコ)を形成しない菌なのである
しかし菌従属栄養植物は、グロムス菌のようなAM菌はもちろん、外生菌や腐朽菌といった多様な菌と共生しうるものである
撮影:大分県
クヌギタケ属やホウライタケ属の腐朽菌は、スギ、ヒノキの落ち葉や落ち枝、球果を分解し、アキザキヤツシロランに栄養を供給できる
また、シロシャクジョウやキリシマシャクジョウは、前述のスギ、ヒノキと共生するグロムス菌を利用する
一方、ムヨウラン類は外生菌と、ギンリョウソウやシャクジョウソウなどは、モノトロポイド菌根菌と共生しており、それらの菌と共生しないスギ、ヒノキの人工林内では、あまり見られないものである
撮影:福岡県 アキザキヤツシロランの果実
杉の落ち葉に発生した腐朽菌の子実体
初版 2016年10月10日
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