to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ギルバート・グレイプ

2007-08-14 23:41:36 | the cinema (カ行)
原題 WHAT'S EATING GILBERT GRAPE
製作年度 1993年
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ジョニー・デップ/ジュリエット・ルイス/メアリー・スティーンバージェン/レオナルド・ディカプリオ/ダーレン・ケイツ/ローラ・ハリントン

アイオワ州エンドーラ。―音楽のないダンスのような退屈な町―。
生まれてから24年、この町を出たことがない青年ギルバート(ジョニー・デップ)は、知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、過食症を病む250kgの母親、2人の姉妹の面倒を見る日々。
毎日を生きるだけで精一杯のギルバートの前に、ある日トレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れ、ギルバートの疲弊した心にも少しずつ変化が起こっていく……。

父親は17年前に、何も言わず自ら命を絶ち、
そのことでショックを受けた母親は17年もの間ひたすら食べ続け。。
片時も目を離せないアニーの面倒を見、
母親の食費を稼ぐ為に、時代から取り残されていく食料品店で働いているギルバート・・・。
感情を露わにする事も無く、アニーを愛し、面倒を見、
母親に気を使い、、「生きているのに死んでいるような」ギルバート・・・。

そんな彼の唯一の気休めは、配達先の夫人との密かな関係だが、これも思わぬ展開で終わりを告げる。

故障したトレーラーの部品を調達するまでの、1週間の滞在のはずだったベッキーは、
そんな心を涸らして生きているギルバートに、媚びる事無く近づき
カレに"生きること"を優しく問う
そこから始まる、抑えこんだ筈の若者らしい感情―
おそらく初めて真剣に自分の"今"を考え、悩み、
捨てられない家族を思い、アニーに向けて感情を爆発させる・・・ギルバート

淡々とした、どこか人生をあきらめている苦悩する、優しい青年を
若きジョニーが魅力的に演じている

そして名子役といわれたディカプリオは、その才能を遺憾なく発揮、
全身で難しいアニーを演じきっていて素晴しい

                  

「死んでいるような」ギルバートを優しく抱きしめる女神のようなベッキー役のジュリエット・ルイスの存在感
この三人のシーンは、どれもほのぼのとして癒される。

物語は、さらにギルバートに試練を課すが・・
悲しみの後にギルバートと、アニーに希望がみえるラストが嬉しい
観終わった後、優しい温かなもので満たされていく素晴しい作品。