to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

いつか眠りにつく前に

2008-03-01 01:18:09 | the cinema (ア行)
あなたが最後に呼ぶのは、誰の名前ですか―
原作 スーザン・マイノット
監督 ラホス・コルタイ
音楽 ヤン・A・P・カチュマレク
出演 クレア・デインズ/トニ・コレット/ヴァネッサ・レッドグレーヴ/パトリック・ウィルソン/ヒュー・ダンシー/ナターシャ・リチャードソン/メリル・ストリープ

死の床にある老婦人アン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)を2人の娘たちが見守る中、熱にうなされたアンは娘たちの知らない男性の名前を何度も口にする。そんな中、アンの記憶は1950年代のある出来事へとさかのぼっていく。親友の結婚式のため、海辺の町を訪れた彼女は運命の恋に落ちるが、その恋は取り返しのつかない悲劇を引き起こす。(シネマトゥデイ)

どんな世代の人の中にも、もう既に胸の中の一番奥に大事に、或は密かにしまってある
忘れられない物語があると思う・・・
そしてこれからも増えていき続けるページのどの部分に
最後、こころを呼び覚まされるのだろう・・・?

正直、若い日のアンには惹かれなかったし、感情移入はできなかった。
親友ライラが想いを寄せていた事を知り、結婚はやめるべきだと、厭なら救い出してあげるとか言っていた直ぐ後でハリスと二人っきりになっちゃうし、
ライラの弟バディの気持ちも気付かない年齢でもあるまいし、とか
なんだか誠実な女の子には見えなくて、魅力的にも見えなかったのが困った(笑)

知り合って2日間の恋。お互いに惹かれあって、幸せになるはずだったアンとハリス。
だけど、ナイーヴで自嘲的なライラの弟・バディ(ヒュー・ダンシー)を激しく拒絶した直後の悲劇。
たった2日間の激しい恋―その事が招いた結果のような悲劇に、実ることが無かったのだろう二人。
それからの失敗と、後悔の連続の結婚生活。

聞いた事も無い男の名前に心配する娘たち。
母が思うように生きれなかったという、その人生の中で生きてきた娘たち、、、。
彼女たちもそれぞれに悩みを抱えていた。

まだ娘達は幼く、アンが料理をしている途中で、むずがっているニナをニナの父である夫がアンに手渡し、
パニックになったアンは料理を放り出し、子供たちと歌っている―ある日の一コマ・・・
おそらくもともとアンは家庭的ではないというか、家事の苦手な女だったという気がするそのシーンは
実はニナ(トニ・コレット)の不安な記憶でもあったのだと思う。
私がこの作品で唯一良かったと思ったのが、この母の惨状をみて育ち、
好きな男との結婚や子育てに不安を持ち、幸せになることに臆病だったニナが
恋人に素直に打ち明けるシーンだった

豪華キャストを配しながら、物語の主軸ふたりに魅力を感じることが出来ず終いだったのが残念だったけど、
40年前の舞台となるウィッテンボーン家の別荘の周囲の景色は綺麗だし、音楽も良かったです♪