to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

疲れたら・・・めぐる♪

2009-01-17 23:51:05 | Heart pink
深田恭子 ドラマ未放送シーン


早いもので、もう1年近くが経ってしまったんですね~。『未来講師めぐる
パねログ★も、みなさんで頑張って更新を続けてくださって、
番組終了後、もうDVD発売してからでさえ半年以上経つのに、
キャストとスタッフがこんなにブログを続けてくださったのも珍しいと思います!
それというのも、みんながパートⅡを望んでいるからなんですよね♪
何かと大変でしょうが、Pのみなさん(笑)に頑張ってもらって、実現してほしいです



告発のとき

2009-01-17 01:09:47 | the cinema (カ行)
真実を語る勇気は ありますか―
原題 IN THE VALLEY OF ELAH
上映時間 121分
監督 ポール・ハギス
脚本 ポール・ハギス
音楽 マーク・アイシャム
出演 トミー・リー・ジョーンズ/シャーリーズ・セロン /スーザン・サランドン /ジョナサン・タッカー /ジェームズ・フランコ

「クラッシュ」のポール・ハギス監督が、イラク戦争から帰還した一人の兵士を巡る衝撃の実話を映画化したミステリー・ドラマ。帰還後間もなく無断離隊したとの連絡を受けた父親が、息子の汚名を拭うべく行方を捜す中で次第に浮かび上がる過酷な真実を描き出す。
2004年11月1日、元軍警察のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)のもとに、軍に所属する息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が行方不明だとの連絡が入る。軍人一家に生まれ、イラク戦争から帰還したばかりのマイクに限って無断離隊などあり得ないと確信するハンク。不安に駆られた彼は、息子の行方を捜すため基地のあるフォート・ラッドへ向かう。同じ隊の仲間に話を聞いても事情はさっぱり分からず、念のため地元警察にも相談してはみたものの、まともに取り上げてはもらえず途方に暮れる。そんな中、女性刑事エミリー・サンダース(シャーリーズ・セロン)の協力を得て捜索を続けるハンクだったが・・・

アメリカで2003年に実際に起こったイラク帰還兵の事件をもとに、
退役軍人の真面目な男が、行方不明の真の息子に辿りつくまで―。

イラク戦争が始まった1993年の日本は、バブル崩壊後の不況が始まってはいたけど、
若者たちの間では今ほどの危機感はなかったのではないかという時代。
アメリカの若者たちはどうだったのだろう?
青年兵とて、テレビを観てニュースをみても、「戦争」の実感などなく普通に青春を過ごしてきたのではないかという気がする。
そんな青年たちが、「正義」という大儀を掲げて見知らぬ人の死を見ながら、血にまみれて行くのが戦争。

昔かたぎの男であり、愛国心に支えられた軍人のハンクが、
頭の中にこびり付いている息子の声に不安を募らせ、その行方を捜す。
先日の「永遠のこどもたち」が、息子を捜す母の物語なら、
これは息子を捜す父の物語。
そして、強いアメリカではなく、病んだアメリカを知る物語。

以下は多少のネタバレを含みます。
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「母と娘」や「母と息子」の絆を描くものには、どこかに甘い郷愁とか優しさがあるけど、
「父と息子」の姿を追う時、いつもなぜか物悲しい。
本作でも、父と母の、子供との繋がりが対照的に描かれる。
どんなに頑張っても母親と息子の間にはない、父と息子を繋ぐもの。
それがどうしようもなく切なく苦しい、だけど、それが親子。。。



原題「IN THE VALLEY OF ELAH」(エラの谷)は、
息子を失ったハンクを夕食に招いたエミリーの家で、彼女の息子に話して聞かせる羊飼いの少年と巨人ゴリアテが戦った場所の名前。
御伽噺を読んであげれない昔かたぎの古い男であるハンクが、父のいない少年に語り聞かせる英雄の伝説。
このシーンにも、男が息子に望む姿、母親が子に望むものが象徴的に描かれていると思う。

「何故、王はダビデを送り出したの?」と問うエミリーの息子
まだ子供なのに・・
そう、後日エミリーは息子に問われるのだが・・。

戦争→出兵。こういう場合、女は愛するものを奪われる予感に激しく反応する。
しかし、世の男たちは見送る側ではないと思っている。
「コールドマウンテン」のレニーのセリフが思い出される。
男たちは自分で雨を降らせておいて・・・」の、あのセリフ。

ベトナム戦争終結後の帰還兵は、枯葉剤の後遺症や、凄惨だった状況によって精神のバランスを崩し、PTSDに苦しんでいると、
私たちは後になって事件や映画でそれを少しだけ擬似体験する。
そして、イラク戦争―。
今また帰還兵の1割以上がPTSDに苦しんでいるアメリカの現状があるという。



この映画のテーマについて、主演のトミー・リー・ジョーンズはいっている。
登場人物達が感じている事は、アメリカ人がみんな感じている事なんだ。映画を観て、こういう問題について一度は考えてほしいと思う。」

遠い戦地から、震えながらの息子のSOSを逃してしまった父親の息子探しの旅。
それは、まだ子供のSOSに気づいていない無数の帰還兵の親たちへのメッセージ。
答えを持たないまま戦争を始めたアメリカのSOS.....なのかも知れない。
そして、世界はとても近くなっているこの時代の多くの人に送られてくるSOSなのだという気がした、心に残る作品でした。