「全部聞く覚悟、出来てるのね?」
製作年度 2011年
上映時間 129分
原作 東野圭吾「夜明けの街で」(角川文庫刊)
脚本 川場サいづみ
監督 若松節朗
音楽 住友紀人
主題歌 久保田利伸
出演 岸谷五朗/深田恭子 木村多江/石黒賢/萬田久子/黄川田将也/田中健/中村雅俊
大手建設会社に勤めるエリート社員の渡部和也(岸谷五朗)。妻(木村多江)は美しく、かわいい一人娘にも恵まれ、幸せな日々を送っていた。満ち足りた生活を送る彼は、不倫をする男のことなどまるで理解できなかった。ところが気づくと、派遣社員の仲西秋葉(深田恭子)と思いがけず急接近。ある日、ついに一線を越えてしまう。不倫の深みにはまっていく渡部に、秋葉は衝撃の告白をする……。
コチラも原作未読のまま、予告を観ただけで、試写会で1回目の鑑賞。
舞台挨拶の恭子ちゃんが余りに綺麗で可愛らしくて、主題歌の久保田利伸さんの生歌で始まったこの日の舞台挨拶の雰囲気がとってもヨカッタので、
もうその時点で頭の中は☆5つだったので(爆)
今日はちゃんと観てきました。・・・が、
「セカバ」は先に観た友人の「出演シーンがめっちゃ少ないから友情出演ぐらいの顔出しだよ~」という言葉で
ドラマも好きじゃなかったしパスしたので(恭子ちゃんは怪演だった)
コチラは愉しもうと思っていました少しネタバレ気味の感想です。
出会いはロマンチックでもなく、その日の印象は恋を予感させる何もない。
それどころか最悪の別れ方をしたあげく、
平凡な妻子もちの男と、たった一人でアフター5を過ごす女になぜ恋は訪れたのか?
男の生活は満ち足りて、なんの不足もない。普通に居るよき夫、良き父親で、不倫願望があった訳ではない。
そんな絵に描いたような善良な男が、初めて妻にウソをつく・・・。
これは、予告で感じた
重く暗い不倫モノ映画の幕開けにしては、拍子抜けするほどのコミカルな出だしに
些か戸惑いました。が、そうなんですよね・・・
普通のある日。
普通の妻帯者に訪れる「モテキ」に、ちょっとムフフと舞い上がる感じといったら、
こんなのもなのでしょう。
秋葉に翻弄されるというよりは、嵌っていくのですよね?わかります。(爆)
これは男性目線の不倫恋愛映画でした。
原作では秋葉が渡部を翻弄、渡部も彼女と会うために妻を裏切る工作を弄するらしいのですが
この作品ではただ、恋愛の挙句渡部が巻き込まれる姿を描いています。
秋葉の目的も明かされるのですが、それは余り重要ではないそれまでの描き方。
ここに若松監督の「原作の解釈」を見た気がします。
そう、、不倫による大きなツケ。
一度なら浮気?
でも、2度3度となると不倫と呼ばれるのか?
何度でも浮気で押し通す男性も多く存在するのはご存知の通りなんだけど、
本作の渡部にはどんな結末が待っているのか?
恭子ちゃんがPRをほぼ一人で頑張っているので、彼女が主人公のように勘違いされている方が多いのにびっくりしましたが
あくまでも本作の主人公は渡部であり、岸谷さんです。
そして、ヒロインの秋葉は、きっと不倫を忌み嫌っていた。
なので、「八日目の蝉」のヒロイン希和子のように、妻から奪いたいという激しい愛情をぶつけることはしないんですねぇ・・。それはナゼか?!
秋葉という女性の過去の経験が縛りになっているのですが、
そのシーンで胸打たれる彼女の思いやり。ここが秋葉のラストの真意の解釈にとっても重要でした。
不倫がもたらす、女への傷、男たちの喪失を描きたかったと思うのですが、
秋葉の15年をまるで描いていない為、サスペンスの味付けが効いていなく、どこかバランスの悪さは否めないです、が
不倫が大切な人を不幸にする――それを二人の男が身を持って知ることを通じて
世のチャンスを狙っている男たち(爆)への若松監督のメッセージと受け止めました。
恭子ちゃんの美しい秋葉、木村さんの良妻ぶりにやに下がってもいいけど、
キャッチコピーも「全部聞く覚悟、出来てるのね?」「全てを知っても私を愛せますか?」と目にしてきましたが 、
やっぱり終わってみれば
「この恋は甘い地獄」コレでしょう~(笑)
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