to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

スマグラー おまえの未来を運べ

2011-10-30 23:05:59 | the cinema (サ行)

製作年度 2011年
上映時間 114分 映倫PG12
原作 真鍋昌平
脚本 石井克人/山口雅俊/山本健介
監督 石井克人
出演 妻夫木聡/永瀬正敏/松雪泰子/安藤政信/満島ひかり/テイ龍進/高嶋政宏/津田寛治/阿部力/小日向文世/松田翔太/大杉漣

夢に挫折してその場しのぎの日々を過ごす若者が、もうけ話に乗ったつもりが死体などのヤバイ荷物の運び屋(スマグラー)として働くハメになるアクションエンターテインメント
25歳の青年・砧涼介(妻夫木聡)は、役者志望のフリーター。ところが夢に破れた上、中国人の怪しげな儲け話で逆に300万円の借金を背負ってしまう。やむを得ず、裏社会の便利屋・山岡が紹介する秘密の運送屋“スマグラー”の仕事をするハメに。こうしてリーダー格のジョー(永瀬正敏)とその相棒ジジイ(我修院達也)と共にトラックでワケありのブツを運ぶことになった砧……。

悪人」ぶりの妻夫木クン作品だし、観たいけどちょっと怖そうでなかなか一人で行けずにいたら、
アクション系はあまり観ない友人が誘ってくれて、ようやく観て来ました。
覚悟して行ったのでまぁ、大丈夫でしたが、
一応、PG12ということですが、私的にはPG-15じゃないのが不思議なくらいの残虐なシーンが
結構な長さでありました。なので、これは観る人を大いに選ぶ作品だと言えます。

背骨(安藤政信)のヌンチャクを使いながら踊りながら舞いながらの殺人ショー、
残酷なんだけど華麗で、コミカルなシーンで幕を開けるのだけど、
後半、段々笑えなくなってくる。

砧は「カイジ」のフリーターのようでもあり、
或いは同じく妻夫木くんが演じた「闇の子供たち」の気の弱いカメラマンのよう。
どこか想像力に欠けていて、緊張感がない。
それでも仕事の途中で警官に遭遇した時は必死で切り抜ける。
役者志望だった彼が、誰にも頼らずに踏ん張らなければいけない最初のシーン。

対して、過去は語られないものの、相当危ない橋を渡ってきただろう凄味のあるジョーは
降りかかる火の粉の中に飛び込むタイプ。
甘ちゃんな砧にいらつきながらも男気をみせるジョーに惹かれる男性は多いのではないだろうか。

裏社会の男たちの欲と裏切りと、道に迷った若者の壮絶な試練。ひとつのウソ。
そこでしか生きられないひとたちと、そこでは生きていけそうにない男。しかし・・・なのだ。

―望まぬ日常に埋もれるカスだけにはなるな―

クールな女も絡んできますが、松雪さんは相変わらず自然に嵌っていましたが、
満島ひかりさんの作り過ぎな組長の女房は、あえての棒読みセリフも含めて、ひとり浮いてましたね~。
もっと普通にやさぐれていれば良かったように思いました。

一際異彩を放っていた河島役の高嶋さん・・も、ちょっとやり過ぎ感があって、
怖いと言うよりなんかヘン。




「聖者の行進」で初めて観て「青の時代」では吉沢悠くんとともに注目した安藤政信くん。
意外に彼の映画は余り観ていなくてこれで3本かな?
彼の、ナニモミエテイナイかのような乾いて透明な瞳の演技が秀逸。

いつも優しさで潤っている妻夫木くんの瞳が、今回は大変なことに!
ファンは心して行かれますように!
あと、、
やたらアップのシーンが多いので、ちょっと目が疲れるかも
座席は後ろの方がお薦めです。