原作 有川 浩「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚本 橋部敦子 (『不毛地帯』、『Around40』、『僕の生きる道』)
演出 河野圭太(『マルモのおきて』『わが家の歴史』『佐賀のがばいばあちゃん)
出演 二宮和也/香里奈/井川遥/友康平/丸山隆平/嶋大輔/山本龍二/井上正大/岡本玲/児嶋一哉/風吹ジュン/国広富之/石橋蓮司/赤座美代子/竹中直人/浅野温子
昨年の連ドラで家を購入した誠治が正社員に雇用されて終わったところから、1年後の、
武家のその後をオリジナル脚本で描くとともに、誠治と真奈美、それぞれの親の話をからめながら二人の関係の進展を描く2時間スペシャル。
武誠治(二宮)は大悦土木の正社員となって一年が経ち、武家は新しい家での生活を穏やかに過ごしていたが、ある日、母・寿美子(浅野温子)の不在時、武家に寿美子の兄(国広富之)が訪ねてきて、誠治と亜矢子(井川遥)は、両親が寿美子の家族の反対を押し切って結婚したことを知る。また、和歌山で研修中の真奈美(香里奈)が東京に1週間滞在することになり、誠治と真奈美は久しぶりの再会を果たす。
去年の連ドラではニノ演じる誠治が、根気もなく忍耐力もないヘタレな大学生から、
母の鬱病発症をきっかけに、世間や父親の無神経さから彼女を護り、
その原因が隣人にあったことから、姉とともに父親を説得、新しい家を購入するまでの紆余曲折を描いたもので、
一番の見所は誠治を初めとする武家の家族の奮闘と、成長にあって、そこがヨカッタんですよねー。
でも、このスペシャルでは誠治のゴールを迎えた後の話なので、完全にオリジナルのようです。
しかも、話は誠治の家族というより、両親の過去を持ってきたため、どうしても父・誠一が中心になり、
亜矢子と誠治は動き回るだけに見えてしまいがちでした。
真奈美が上京し誠治と大悦土木のメンバーと飲んだ帰り道に子猫を拾い、真奈美の実家で面倒を見てもらう事にするが、
誠一はネコを飼うことに断固反対する。が、真奈美には凄く好意的(笑)
しかし、ある日寿美子の実兄が訪ねてきたことで、誠治と姉は、母の実家と父が不仲になった
その原因について知ることになる―。
一方の真奈美も、母(風吹ジュン)からの電話で、いつの間にか再婚した相手と別れ一人暮らしなのを知らされる・・・。
相変わらず誠一は見栄っ張りで意固地だけど、母の寿美子は「コーラス」に通っていて、少し快方に向かっている様子ではあったのだけど、
そもそも寿美子の両親に結婚を反対され、以来30年以上も実家と断絶とはびっくり
しかもその間には、少なくとも両親の葬式があったわけで、、それにも顔を出していないことになる。
まあ、駆け落ち同然ならば疎遠もあるかも知れないけど、
実の親の葬式に出席しないなどは現実には考え難い。
自分の親が結婚式を挙げていないのを誠治が知らないなど、ちょっと無理やりな設定ではあるけど、
娘は父親に似た相手を選ぶ、など、なるほど・・という部分もあったかな。
子猫の存在があって、自然に真奈美と誠治はお互いの実家を行き来することになっていくのも
自然な展開だったけど、
なんだかちょっとまったりとしたホームドラマになっていたのが物足りない。
誠治と真奈美のラブなんて、完全にオマケのようになっちゃってたし
それでも「家」について、一つの答えを得た誠治が、ちゃんと一回り成長していたということで
ちょっといいラストになっていました。