1964年の東京オリンピック。
当時小学生で、学校からのお達しで日本人選手が出場する競技をテレビで視聴しなければならなかった。学校はそのため時短だったり、休みだったりした。
貧乏で家にテレビのない私はひどく困った。
明日食べる物にも事欠く生活で、オリンピックをテレビで見なければいけない、なんて祖父母に言える訳がない。
結局は毎回友達の家で見せてもらったのだが、友達のご両親は何も言わなかったけれど、回数が回数だけに、私はとても肩身が狭かった。
いつの世も、子供の都合にはお構い無く、大人のすることは理不尽である。
そんなほろ苦い思い出を打ち消しつつ、昨日はホームシアターの大画面で開会式を見た。
57年前に戻って、惨めな思いで下を向いていた私に、頑張って生きていれば、きっといいことあるよって、伝えてあげたかったね。
