続一日一生 内村鑑三著
金銭の要はこれを有益に消費するにあり。
消費すべきものを蓄積すれば腐蝕(ふしょく)するはもちろんなり。
他物の腐蝕は、その物自身の腐蝕にとどまれども、金銭の腐蝕はひいて精神に及ぶ。
もし憂鬱的(ゆううつてき)思想を去らんと欲せば、
もし常に快活にして生命の真意を味わわんと欲せば、吾人は守銭奴を放棄し、
銭を捨て想を得るの道を講ぜざるべからず。(信十九・五一)
テモテへの手紙1 6:7-12
なぜならば、わたしたちは、何も持たずに世に生まれ、
世を去るときは何も持って行くことができないからです。
食べる物と着る物があれば、わたしたちはそれで満足すべきです。
金持ちになろうとする者は、誘惑、罠、無分別で有害なさまざまの欲望に陥ります。
その欲望が、人を滅亡と破滅に陥れます。
金銭の欲は、すべての悪の根です。
金銭を追い求めるうちに信仰から迷い出て、
さまざまのひどい苦しみで突き刺された者もいます。
しかし、神の人よ、あなたはこれらのことを避けなさい。
正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい。
信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。
命を得るために、あなたは神から召され、
多くの証人の前で立派に信仰を表明したのです。