荒野の泉 カウマン夫人著より
「わたしはあなたがたを友とよんだ。」ヨハネ十五ノ十五
数年前のこと、ドイツ人の一老教授が居たが彼のうるわしい生活は、
その生徒たちにとって驚異であった。
その中の一人が、その秘密を探る決意をした。
そこで彼は年老いた教授が、その夕べを過ごす書斎に隠れていた。
教授がはいって来たのは遅かった。
彼は疲れていたが、席について聖書を三十分ばかり読んでいた。
やがて彼は首(こうべ)をたれ、無言で祈り出したが、ついに聖書を閉じて
「さて、主イエス様、わたしたちは相変わらず親しい間柄です」と言った。
主を知るということは生涯の最高の到達である。
そしてどんな代価を払っても、すべてのクリスチャンは「彼と変わらぬ親しい間柄」
になるように努めねばならない。
イエスの現実性は、かくれた祈りと、祈り深い、しかも熱心な聖書の個人的研究の結果として来る。
キリストは、彼の臨在の中に生きる生活を不断に養なう人に、いよいよ現実となられる。
彼聞きたもうなれば彼に語れ
霊と霊とは相会わん
彼は呼吸よりなお近く
手足よりも近くいましたもう。