神の恩寵を、この世の幸福または成功において見るほど間違うたる見方はない。
そう見るがゆえに、われらはたびたび神を疑い、彼を見失わんとするのである。神と人とを愛し得る心である。 いかなる境遇にあろも満足する心である。人のすべて思うところに過ぐる平安である。
そして、これらは神が聖霊をもって、ただちに人に賜う恩恵の賜物であって、身の幸福、または事業の成功を離れて、 しかり多くの場合においてはこれに反して、賜う賜物である。
幸福はありてもよく、なくてもよきものである。無くてはならぬ物は善心である。 これさえあれば他は何がなくてもよいのである。人生の目的は善心獲得にありというて可なりである。内村鑑三
新版 日日のことば ー日本プロテスタント史上の人物によるー 満江巌編より