(1)ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)
TASS通信 1月27日 14:46
【Ukrainian soldiers surrender in Velikaya Novosyolka in Donetsk region】
日本語訳『ウクライナ軍、ドネツク州ヴェリカヤ・ノヴォショルカで降伏』
「ウクライナ第110独立機械化旅団の軍人グループが降伏した」とありますから兵士がパラパラ降伏したのではなく取り残された部隊の指揮官が降伏を決めて部隊ごと降伏したのだろうと思います⇒ここは私の推測。
ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)のウクライナ軍は東西南の三方向からロシア軍包囲され北には、モクリ・ヤリー川が流れていて脱出しても砲撃やドローン攻撃で相当な損害を被ったと思います。
市街は、南北に分断されていたので降伏したのは南側で完全に包囲されていた部隊かもしれません。
北側にいた部隊も川を越えての逃亡ですから降伏していなければ、大きな損害を出していると思います。
降伏せず徹底抗戦したエリアが、クラホヴェ(Kurakhove)方面です。戦場は市街地と南の広い郊外です。ロシア国防省によれば、このエリアを守っていたウクライナ軍は約15000名で死傷率が80%と言う話でした。ほぼ全滅に近いと言えます。包囲されて徹底抗戦すれば、このような悲惨な結果になります。ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は、あるいは一部の部隊かもしれませんが、そうならなくて本当に良かったと思います。
航空万能論 2025.01.27
『第110旅団は包囲から脱出、ゼレンスキーはドネツク方面の司令官交代を発表』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/110th-brigade-escapes-from-encirclement-zelensky-announces-change-of-command-in-donetsk-region/
第110機械化旅団の報告
「気象条件を利用して包囲の危険があった地域から撤退した」
「ヴェリカノボシルカ周辺での戦闘を継続している」
こうなっていますが、アウデイーイウカ攻防戦ののち、参謀本部は撤退命令を出しましたが遅すぎてどれだけのウクライナ兵が撤退できたかは、今も不明です。約1000人位の捕虜がいました。この数も不明なままです。どの程度が戦死したかも不明です。しかし多くの将兵が戦死したことは確かです。
ともあれヴェリカ・ノボシルカ市街での戦闘はロシア軍の勝利に終わりました。市街地の陥落が早かったのでウクライナ軍が戦闘より撤退を優先したのは確かだろうと思います。
もっとも違う見方もあり、市街地からは撤退したが北側の川の内側(郊外)で戦闘を継続しているのではないか・という説があります。これは最悪です。最後は川幅平均40メートルくらいの川を渡らないと北西方向の開けた地域に撤退できません。
(2)ポクロウシク(Pokrovsk)西南方面
西南と言うより西に近くなってきました。
1本目の鉄道と幹線道路T-0406を超えコトリーネ(Kotlyne)を制圧してロシア軍は、占領地を広げながら更に北に向かって進撃しています。最短距離5km弱に2本目の鉄道路線と主要幹線道路のE-50があります。
ロシア軍が、ここを制圧するとポクロウシク方面は西にのドニプロ市から来る補給路を失います。
既に危機的な状況と言えます。
(3)クラホヴェ(Kurakhove)西方面
幹線道路E-50の北側からロシア軍が大きく西に前進しました。
多少は要塞として機能するのではないかと期待されていたアンドリイフカ(Andriivka)は早くも東からロシア軍が迫り市街地に侵入し始めています。
この様子では南のルートE-50沿いにあるウクラリーとコンステイアンテイノビルも、そう抵抗できそうもありません。
もう、南ドネツクには要塞になりそうな集落や都市はありません。防衛ラインが用意してあるとも思えません。
ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)方面のロシア軍とクラホヴェ(Kurakhove)西方面のロシア軍は、両方とも周辺のウクライナ軍の拠点を制圧しながら、ドニプロペトロウシク州とドネツク州の州境付近を北上して、ポクロウシク包囲戦に参加するのではないか・と思います。
もう、南ドネツクと中部ドネツクは、現地のウクライナ軍は守りようがないと思います。
本来なら大きく後方に後退して、あるのなら防衛ラインでロシア軍を迎撃するべきです。
キエフ政府や国防省のやり方を見ていると、多分ないと思います。
(4)航空万能論の記事の後半では、またお約束のような国防省の汚職の話が書いてあります。
国防相交代後、ほぼ無能を発揮してきたウメロフ国防相は汚職に関しては能力を発揮しているようです。
これは評判の良かった前任の国防相を解任して、ゼレンスキーの肝いりの人事です。
その他にもウクライナの腐りきった話は山ほどあります。それが分かっていてこれまで欧米は、ゼレンスキーを徹底的に支持してきました。ゼレンスキー他キエフ政府と国防省の幹部を総入れ替えすれば、少なくとも今よりは「マシ!」になると思います。
ほんと!上から下までウクライナは、腐りきっていますね。特に上の方が悪質です。ここに新興財閥が絡んで金を抜き取る構図は、昔からです。ウクライナの救いようのない病根です。
こんな政府のためにこの戦争で死傷したウクライナ兵は、ロシア国防省の発表では100万人を軽く超えています。
バイデンさんは、飛んでもない悪事を犯したと思います。バイデンさんによるバイデンさんのための戦争です。
ご本人は、大統領候補から引きずり降ろされてさっさと逃げ出しました。
※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27