「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ヴェリカ・ノボルシカ防衛で取り残されたウクライナ軍が降伏、その他の戦場<ウクライナ紛争2025・01・27

2025-01-27 19:02:45 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

(1)ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)
TASS通信 1月27日 14:46
【Ukrainian soldiers surrender in Velikaya Novosyolka in Donetsk region】
日本語訳『ウクライナ軍、ドネツク州ヴェリカヤ・ノヴォショルカで降伏』

「ウクライナ第110独立機械化旅団の軍人グループが降伏した」とありますから兵士がパラパラ降伏したのではなく取り残された部隊の指揮官が降伏を決めて部隊ごと降伏したのだろうと思います⇒ここは私の推測。
ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)のウクライナ軍は東西南の三方向からロシア軍包囲され北には、モクリ・ヤリー川が流れていて脱出しても砲撃やドローン攻撃で相当な損害を被ったと思います。
市街は、南北に分断されていたので降伏したのは南側で完全に包囲されていた部隊かもしれません。
北側にいた部隊も川を越えての逃亡ですから降伏していなければ、大きな損害を出していると思います。

降伏せず徹底抗戦したエリアが、クラホヴェ(Kurakhove)方面です。戦場は市街地と南の広い郊外です。ロシア国防省によれば、このエリアを守っていたウクライナ軍は約15000名で死傷率が80%と言う話でした。ほぼ全滅に近いと言えます。包囲されて徹底抗戦すれば、このような悲惨な結果になります。ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は、あるいは一部の部隊かもしれませんが、そうならなくて本当に良かったと思います。

航空万能論 2025.01.27
『第110旅団は包囲から脱出、ゼレンスキーはドネツク方面の司令官交代を発表』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/110th-brigade-escapes-from-encirclement-zelensky-announces-change-of-command-in-donetsk-region/

第110機械化旅団の報告
「気象条件を利用して包囲の危険があった地域から撤退した」
「ヴェリカノボシルカ周辺での戦闘を継続している」

こうなっていますが、アウデイーイウカ攻防戦ののち、参謀本部は撤退命令を出しましたが遅すぎてどれだけのウクライナ兵が撤退できたかは、今も不明です。約1000人位の捕虜がいました。この数も不明なままです。どの程度が戦死したかも不明です。しかし多くの将兵が戦死したことは確かです。
ともあれヴェリカ・ノボシルカ市街での戦闘はロシア軍の勝利に終わりました。市街地の陥落が早かったのでウクライナ軍が戦闘より撤退を優先したのは確かだろうと思います。

もっとも違う見方もあり、市街地からは撤退したが北側の川の内側(郊外)で戦闘を継続しているのではないか・という説があります。これは最悪です。最後は川幅平均40メートルくらいの川を渡らないと北西方向の開けた地域に撤退できません。

(2)ポクロウシク(Pokrovsk)西南方面
西南と言うより西に近くなってきました。
1本目の鉄道と幹線道路T-0406を超えコトリーネ(Kotlyne)を制圧してロシア軍は、占領地を広げながら更に北に向かって進撃しています。最短距離5km弱に2本目の鉄道路線と主要幹線道路のE-50があります。
ロシア軍が、ここを制圧するとポクロウシク方面は西にのドニプロ市から来る補給路を失います。
既に危機的な状況と言えます。

(3)クラホヴェ(Kurakhove)西方面
幹線道路E-50の北側からロシア軍が大きく西に前進しました。
多少は要塞として機能するのではないかと期待されていたアンドリイフカ(Andriivka)は早くも東からロシア軍が迫り市街地に侵入し始めています。
この様子では南のルートE-50沿いにあるウクラリーとコンステイアンテイノビルも、そう抵抗できそうもありません。

もう、南ドネツクには要塞になりそうな集落や都市はありません。防衛ラインが用意してあるとも思えません。
ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)方面のロシア軍とクラホヴェ(Kurakhove)西方面のロシア軍は、両方とも周辺のウクライナ軍の拠点を制圧しながら、ドニプロペトロウシク州とドネツク州の州境付近を北上して、ポクロウシク包囲戦に参加するのではないか・と思います。

もう、南ドネツクと中部ドネツクは、現地のウクライナ軍は守りようがないと思います。
本来なら大きく後方に後退して、あるのなら防衛ラインでロシア軍を迎撃するべきです。
キエフ政府や国防省のやり方を見ていると、多分ないと思います。

(4)航空万能論の記事の後半では、またお約束のような国防省の汚職の話が書いてあります。
国防相交代後、ほぼ無能を発揮してきたウメロフ国防相は汚職に関しては能力を発揮しているようです。
これは評判の良かった前任の国防相を解任して、ゼレンスキーの肝いりの人事です。

その他にもウクライナの腐りきった話は山ほどあります。それが分かっていてこれまで欧米は、ゼレンスキーを徹底的に支持してきました。ゼレンスキー他キエフ政府と国防省の幹部を総入れ替えすれば、少なくとも今よりは「マシ!」になると思います。
ほんと!上から下までウクライナは、腐りきっていますね。特に上の方が悪質です。ここに新興財閥が絡んで金を抜き取る構図は、昔からです。ウクライナの救いようのない病根です。

こんな政府のためにこの戦争で死傷したウクライナ兵は、ロシア国防省の発表では100万人を軽く超えています。
バイデンさんは、飛んでもない悪事を犯したと思います。バイデンさんによるバイデンさんのための戦争です。
ご本人は、大統領候補から引きずり降ろされてさっさと逃げ出しました。


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


アウシュビッツ解放から80年、関連記事<2025・01・27

2025-01-27 19:00:14 | ヨーロッパ

時事通信
魂むしばむ恐怖と孤独 生存者「伝え続ける」―27日、アウシュビッツ解放80年
2025年01月27日07時04分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012600269&g=int
読売新聞
アウシュビッツ解放80年…何度も殴られ「選別」された女性、毒ガス不足で生還「人間の非道と強さ知った」
2025/01/25 06:00
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250124-OYT1T50222/
産経新聞 2025/1/27 18:21
「虐殺の悲劇繰り返すな」アウシュビッツ収容所解放から80年 生存者ら献花で犠牲者追悼
https://www.sankei.com/article/20250127-TB5UO3JOBZKDDMLUCTVCFIPBWU/
AFPBB
ホロコースト生存者、世界で約24万5000人
2024年1月24日 12:34 発信地:ベルリン/ドイツ [ ドイツ イスラエル 中東・北アフリカ 米国 北米 フランス ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3501773
ユダヤ人「強制移送から80年」 ポーランド首都で追悼行事
2022年7月23日 17:35 発信地:ワルシャワ/ポーランド [ ポーランド ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3415930
CNN
アウシュビッツに住む唯一のユダヤ人、解放80年で現代の反ユダヤ主義に思うこと
2025.01.27 Mon posted at 17:46 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35228703.html

日本のマスコミに比べると欧米のマスコミは日本語版ではあまり取り上げていません。
アウシュビッツを解放したのは、旧ソ連軍です。
記念式典にロシアを招かないのは、いくら何でも差別が酷すぎると思います。
今、イスラエルがガザで同じことをしているのは、どうかな❓と思います。
もちろん責任は、ガザ市民を人間の盾として利用しているハマスにも同じ分あると個人的には考えています。

※追記

アウシュビッツ解放80年追悼式典、生存者が反ユダヤ主義の拡大に警鐘
2025年1月28日午前 7:21 GMT+93時間前更新
https://jp.reuters.com/world/europe/C5YSSVAKWVITVDCTHCK7EAVHBM-2025-01-27/

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★ウクライナ民族主義者組織(正確には、西ウクライナ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%B0%91%E6%97%8F%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E7%B5%84%E7%B9%94
(後継組織)
ウクライナ蜂起軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%9C%82%E8%B5%B7%E8%BB%8D
<記述>
ソ連とその後継国家であるロシア及びポーランドにおいては、「ナチス協力者(英語版)」「戦争犯罪組織」と扱われている。
ヴォルィーニとガリツィアでUPAが行ったポーランド人民族浄化(ジェノサイド)
ホロコーストへの関与
UPAにはウクライナ補助警察時代にアインザッツグルッペンやゲルマンSS(英語版)の指揮下でユダヤ人虐殺に加担した者も多数参加していた。
UPAの前身であるOUNは1941年にリヴィウでユダヤ人に対するポグロムを行った組織でもある。

「1950年に司令官のシュヘーヴィチが戦死すると活動停止状態になる。その後も数年間にわたって散発的に戦い続けたが1954年にはほぼ壊滅状態となり、残党は西ヨーロッパ、特に西ドイツや、支援者の移民がいるアメリカ合衆国に逃亡した。 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この生き残りが、現在の西ウクライナ過激民族主義者=キエフ政府です。
指導者であった「ステパーン・バンデーラ」は、2014年クーデター後、現在のキエフ政府により「英雄」とされました。
ステパーン・バンデーラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%A9

※関連日記目次
項目「ヨーロッパ」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


「ヴェリカ・ノボルシカをロシア軍が制圧」ロシア国防省発表、速報する産経新聞<ウクライナ紛争2025・01・27

2025-01-27 15:55:23 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は既にウクライナ側軍事サイトのDEEP STATEがロシア軍の市内全域への進撃を報告しています。だから制圧は時間の問題でした。ロシア国防省が制圧を発表したのが26日です。まだ英語版TASS通信は記事にしていません。

産経新聞
ウクライナ、ロシア製油施設に無人機攻撃 東部ドネツク州では攻防続く
2025/1/27 07:13
https://www.sankei.com/article/20250127-FOTIIR4H35PLNJDJNK2ZJCHVOQ/
「ロシア国防省は26日、ドネツク州西部の集落ベリカノボシルカを制圧したと発表した。」と何故か産経新聞が速報しています。
TASS通信のロシア語版を転載したのか、直接ロシア国防省の発表を速報したのかどちらかです。
記事の大部分は、共同通信からの転載です。
共同通信 2025年01月27日 09時22分
ロシア製油施設にドローン攻撃 ウクライナ、ドネツクでも攻防
https://www.47news.jp/12081381.html

ところが共同通信は、「ベリカノボシルカを制圧」については報道していません。
だから、この部分は産経新聞の独自報道です。
最近、産経新聞が時々ロシア国防省の発表を速報します。
従来は、他の日本のマスコミと同じでウクライナ支持報道に偏向していました。
なぜ、ロシア国防省の報道を速報するようになったのか❓

ウクライナ支持偏向報道は相変わらず続けています。
以前にも書きましたが、そこにロシア国防省の発表の速報を混ぜるのは、トランプ政権への配慮かもしれません。そしてウクライナ支持偏向報道の軌道修正かもしれません。
今まで散々ウクライナ絶対支持的報道をして戦争を煽りまくってきました。
トランプ(=アメリカ)が、その姿勢を変えれば、さすがに都合が悪いのは確かです。
どう言う事情なのか、または変化なのか注目しています。

※その後、読売新聞も報道していました。
『 ロシア軍、ドネツク州南西部の集落を制圧…ウクライナ反転攻勢の起点まで押し戻す』
2025/01/27 11:05
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250127-OYT1T50042/
これは、やはり「トランプ効果」かもしれませんね。
ウクライナ不利を報道して停戦の雰囲気作りをしているのかもしれません。


(2)ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は守りようもなく、もっと早くウクライナ軍は撤退するべきでした。キエフ政府の命令で最後まで戦ったのだろうと思います。現地の将兵は、哀れ・と言うしかありません。

占領後の後始末にしばらく時間がかかります。
しかし、その後方面軍の任務が空きます。つまりヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)方面を攻撃していたロシア軍の他への転戦が出来るようになります。
方向は二つあり、西のザポリージャ州方面。もう一つが、このままザポリージャ州とドネツク州の州境付近を北上するルートです。個人的な予想は、北上してポクロウシクの西を目指すと思います。やはり今ロシア軍の第一目標は、ドネツク州の完全制圧でしょう。
ルガンスク州でもロシア軍は州全域の制圧を目指す動きを見せています。

こうなるとポクロウシク方面のウクライナ軍には、方面軍が一つ増えることになりロシア軍の数が最低でも数万人増えます。

航空万能論 2025.01.25
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-soldiers-raise-the-russian-flag-with-military-flags-in-velikanovosilka/

今ですらロシア軍は、ポクロウシク西部のウクライナ軍の補給路を遮断しようと言う動きを見せています。北側にある2本目の鉄総路線と幹線道路E-50まで5km弱まで迫っています。

クラホヴェKurakhoveの西方面にまだウクライナ軍の拠点が、いくつか残っていますがこのエリアも長くは、もたないだろうと思います。ヴェリカ・ノボルシカを攻撃していたロシア軍が北上を始めれば、そう長くかからず南ドネツクはロシア軍が全域制圧するだろうと思います。
この方面のロシア軍も加わって、ポクロウシク方面の攻撃が始まればロシア軍の総数は2倍以上に増えます。
ポクロウシクが、大きく三方向から包囲されるのも時間の問題と言えるでしょうね。

停戦を拒否したいゼレンスキーですが、停戦が遅れるほどウクライナ軍将兵の犠牲は増えていき、ロシア軍の占領地も拡大していきます。
クルスク作戦に血道をあげたり、ロシア領をドローンやミサイルで攻撃したところで、ドネツク州でのロシア軍の進撃を遅らせることは出来ません。

(3)ルガンスク州方面
TASS通信 1月27日 13:10
Russia eliminates 7,200 Ukrainian soldiers, mercenaries on LPR borders in week — expert
(日本語訳)『ロシアは1週間でLPR国境のウクライナ軍兵士と傭兵7,200人を排除したと専門家が発表』
※これはロシア国防省の発表ではありません。軍事専門家アンドレイ・マロチコ氏によるとロシア軍はハルキウ州で大きな戦果を挙げたようです。場所は書いていませんがクピャンスク方面か、リマン~クレミンナ方面のどちらかでしょうね。両方かもしれません。

※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


シリア革命で、見えてくること(イランの弱体化が中東の平和に繋がる)<2025・01・27

2025-01-27 15:52:09 | アフリカと中東

シリア革命後、新政府は様々な苦労があるようです。まず第一に旧シリア政府の金庫がカラッポでした。旧シリア政府は欧米から制裁を受けています。
幸いにして内戦が再燃することは、今の所回避されています。内戦が再開されれば、もうシリアは国として存在しなくなるでしょうね。その危機感が各勢力の摩擦の激化を抑えていると言えます。
そして、やっと取り戻した平和を失いたいシリア人は、居ないと思います。

革命の指導者のアル・シャラア氏は、元はアルカイダの所属でありイスラム原理主義的思想を持っていると思います。しかしイスラム色を強く出せば、欧米の支援は受けられません。世俗路線を取るのでは、ないかと思います。その後、ニュースが少なく現状は良く分かりません。湾岸諸国と相談しているようです。取り敢えずの資金は湾岸諸国が提供しないと新政府が運営できないと思います。

(2)シリア革命の結果、劇的な変化が起きました。
イランの勢力が、シリアから排除されました。
旧アサド政権が最後に頼ったのがイランです。ほぼイランの傀儡国家化していました。これを好機にイランは、イラン~イラク~レバノン=ヒズボラの陸の回廊を作ることに成功しました。
ガザ紛争からレバノン紛争の過程でイスラエルは、イラン勢力を叩きまくりました。これがシリア革命を陰から援助しました。
シャーム機構がダマスカス制圧後も、イスラエルの徹底的な空爆がシリア政府軍を襲いました。多分、旧政権下にいたアラブ過激派民兵組織も相当叩きまくっているでしょうね。これが一番危ない組織です。
その後、イスラエル軍はゴラン高原で停戦ラインを超えて少しシリア領に入って監視しています。監視対象は旧政府軍の残党とアラブ過激派民兵組織です。これは種々雑多でかなり数があります。

流れを見ると4回の中東戦争後、アラブ諸国はイスラエルに敵対するのを止めてイスラエルに折り合いました。
折り合わず徹底的にイスラエルと対立したのが旧アサド政権です。国力のあったときはレバノンに内政干渉してレバノンを傀儡化しました。その後、イスラエルとの戦争に敗北します。この後、レバノンは内戦状態に陥り長く続きます。
この過程でレバノンに浸透してきたのが、イランです。

イランは、革命後の憲法に「イスラエル撲滅」を書き込んでします。そのためイランは、イスラエル撲滅を国是としています。イランの支援を受けて勢力を拡大したのが、ヒズボラです。
ヒズボラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%83%A9

最近ではヒズボラが強力になりレバノン政府の中にヒズボラ政府があるような状態でした。
こうなったのは、イラン・イラク・レバノンの陸の回廊が完成し、イランのヒズボラ支援が容易になったからです。
当然、陰に隠れてハマスも支援しているでしょう。

結局、見てくるとシリア弱体化後はイランが中東地域の平和を乱して混乱状態を作ってきたと言えます。
こうして2023年のガザ紛争後、周辺の紛争も激化しレバノン紛争まで起きました。ヒズボラはイスラエル軍に徹底的に叩かれました。ついでにイスラエルはシリアの反イスラエル組織や政府軍も徹底的に空爆しています。
ヒズボラとイスラエルの停戦後、シリアの反政府勢力は一斉に攻撃を開始して政府軍は崩壊しました。

こうしてイスラエルに対して闘争を挑み2023年からこの地域に戦争をもたらした各勢力は徹底的にイスラエルが弱体化しました。当然、レバノンからイランの勢力は大方追放され、ヒズボラも弱体化してイスラエルと戦うどころではなくなりました。イランはレバノンへの陸の回廊を失いました。仮にレバノンのヒズボラを支援するにしても、今度は地中海経由になります。海上にはアメリカ海軍が「バッチリ!」監視の目を光らせています。

結局、中東に不安定をもたらしていたのは、イランです。イランの策動の余地はイスラエルが排除しました。イスラエルも相当、国力を消耗しましたが、何とかやり遂げました。
今度は、アメリカの大統領は「イラン大嫌い!」のトランプ氏です。イランが何事か策動すれば、容赦はしないでしょう。
弱体化したイランは、当分アメリカには逆らえないと思います。
イラン諸勢力対イスラエルの戦いは、終わってみればイスラエルの圧勝でした。

そしてシリアも蔓延っていた外国勢力が、大体いなくなりました。
後は、まだISが残っていますが、各勢力が新政府に参加して統一を保てれば、ISは封じ込めると思います。
トルコもクルド人問題は残りますが、新政府を支援すると思います。トルコは平和になればトルコにいるシリア難民の帰還事業に取り掛かりたいでしょう。今360万人~370万人いるそうです。これだけの大人数を抱え込んでいるのですからアラブ(イスラム)の同胞意識の強さには、感心します。

イランも憲法にイスラエル撲滅を書き込むようでは流石にやりすぎだと思います。イランはアラブではありません。おまけに宗派はシーア派です。だからイランがアラブ諸国の支持を集めることは、ないでしょうね。むしろアラブ諸国からは異民族であり宗派の違いから警戒され嫌われているだろうと思います。
イランは、中東への関与は止めるべきだと思います。
何というのか、日本人には理解不能な中東情勢では、あります。

※関連日記目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2


「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧

2025-01-27 12:52:00 | 「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次

ヴェリカ・ノボルシカ防衛で取り残されたウクライナ軍が降伏、その他の戦場<ウクライナ紛争2025・01・27
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/edc2ca0e5639f43450b5a2bf57f09473
「ヴェリカ・ノボルシカをロシア軍が制圧」ロシア国防省発表、速報する産経新聞<ウクライナ紛争2025・01・27
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/0c831ffa2709085449e289ab55557bec

西ウクライナと東ウクライナの戦いに変化したウクライナ紛争とヴェリカ・ノボルシカの市街戦<2025・01・26
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/1547aa46fcb2e2c78d3c99a684d66e5d
トランプ式交渉術とウクライナ和平の行方<2025・01・24
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/5b0c4e38f87950ceb9fc98ad02da6743

トランプ氏のロシア「口撃」一発目とクルスク戦線でロシア軍が進撃<ウクライナ紛争2025・01・23
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/2b4dd6358d0ac90fb76aee9bff7b9289
クピャンスク方面オスキル川北でロシア軍が橋頭保を拡大してザパドネを制圧<ウクライナ紛争2025・01・23
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/110c155926b0ee8a8e878c0d6ed942ab

ミスリード記事の書き方(ウクライナ和平>CNNとスプートニク日本の記事から)<2025・01・22
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6e744b935cdbe46cc0f999e70c28e834
トランプ大統領とウクライナ和平の今後<2025・01・22
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/ca8ad86b596ab740b19da2e7035e5864
トランプ大統領とウクライナ和平関連記事<2025・01・22
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/469f967a0a78bffe9eb6eaafd8f22142
西側のメデイアが無視するウクライナ国内のニュース<2025・01・21
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/9ea89626ce075f49f435cc80e135f303
ウクライナの政治模様と二つのウクライナ<2025・01・21
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/fe02976cc78b8a670f67f0475e1da305
西側は美化しすぎたウクライナ(ゼレンスキー)の「修正」が必要<ウクライナ紛争2025・01・21
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/13511def4df4f509c37dfd0e6187f7e2
スプートニク日本の興味深い記事(ポーランドのウクライナへの要求とは❓)&西ウクライナの歴史<ウクライナ紛争2025・01・20
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/c4c03c1347f0430d663f7a93d87907ea
トランプ氏大統領就任後のウクライナ紛争<2025・01・20
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/1c2ccaeb7970d2abdb897fb631662735

ヴェリカ・ノボルシカは市街戦に突入、チャシブ・ヤールはロシア軍が市街地の占領を拡大中、ポクロウシクはロシア軍が最後の補給線に接近<ウクライナ紛争2025・01・19
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/ee3cefd585473a2ef012d2a2eb9d4344
開戦までの流れと、その後「欲得と利権と矛盾の巣窟」と化したウクライナ紛争<2025・01・19
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/9b3c3338ed607eb302e825a07e25666a
ロシアの国内避難民が「当局の支援不十分と集会」<ウクライナ紛争2025・01・19
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/770d62619e0aaded5e9182782c09b162

ウクライナのオリガルヒ(新興財閥)と極右民兵組織(2014年クーデターを主導した❓)<2025・01・18
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/c342733ebbc3bd7c6e7cd6299fe2572c
2024年2月25日NYタイムスのCIAのウクライナ関与に関する記事とスプートニクの反論<再掲載2025・01・16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/3171a86e3f55fb9d6ff47b6486db326c
産経新聞がロシア国防省の発表を速報する謎❓(クルスク州の戦果)<2025・01・18
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/00d64dbcb43ce84ec3d181debc14c679

ロシア軍がヴェリカ・ノボルシカの包囲の輪を縮める<ウクライナ紛争2025・01・16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8c5bcdc850f0140998c053196f717b98
シカゴ大ジョン・ミアンシャイマー教授とは、どんな人か(防衛省の研究所)<2025・01・16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/b8204cafe52d8422892d98e67025394e
(本川 裕)先進国の中で日本だけ異様に高い国民の「マスコミ」への信頼度<2025・01・15
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/b8670f3343357e94c9811a2e7f083bc0
ガザ停戦合意が成立した模様、ウクライナは❓<2025・01・16
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/1ccb97278c2653805d985b676c268ecf
クルスク戦線、ロシア軍の本格反攻が続き進撃中<ウクライナ紛争2025・01・15
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/db9699d2c3e4d8bee28e4d84a18413e0
トランプ次期政権の優先課題(対中国政策)とウクライナ問題<2025・01・15
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/27be8d444e3d376e2431895809cda13b

ドネツク州クラホベ解放とドネツク市にある「天使の並木道」<ウクライナ紛争2025・01・11
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/cf8d1013e372fa6a49cfff6f7d3e6e00

 

※以下に続く

「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/41c965aebe89a1810bf31e1e08e43775

「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6948482e9217b158f7a169c6223084a4

「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/3aecbda19ff9b32f9cbd94063ccc33bc

「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/339cef0dd5f3725cb7b0bbaf56970b8c

「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/df4962583237de83aeb84fe47d322f36
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/408676fe96fbaa0fe4bc1b31cea0713e

「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/17753478895dfe0a5b417aba0f316d57