20代後半からの親しい友達だったというより客先の友人だったK氏が突然逝った。あまりにも急でこんな別れ方が世の中には有るのかというほど突然だった。4月中ごろまで元気で酒を飲めていたのだが、5月2日に入院して14日には逝ってしまった。原因は胃がんだった。以前から体調が悪かったらしいのだが、家族にも検査結果を話さなかったらしい。スポーツマンでゴルフや野球、テニスなど何でもやったし、見るのも好きで横浜球場などへはよく観戦に行っていたし、宴会が好きで若い頃からいつもその中心に居た。
M電機の工場で製造管理や外注管理などその経歴は生き字引といわれるくらい、社内人脈が広く元気印が歩いているような人だった。私より三つ年上で納期が遅れるといつもこっぴどく起こられたが、裏では製造現場の工程にはなんだかんだといっては味方になってくれた兄貴のような存在であった。ゴルフの師匠でもあったし一時期テニスも教えてもらったが、いつも当社のことを心配してくれて、担当が替わってもいつも大船や横浜で勉強会と称しては夜中まで飲み歩いた仲間だった。
今ほど管理がきつくない時代だったのかもしれないが、客先と業者という関係ではなく、人間として友人として付き合える唯一の友達だった。5万人居る会社と30人の零細企業とでは勝負にならないが、規模ではなく人間として協力をしてくれる人間を大切にするという彼のポリシーが多くの外注先の人達からも慕われ、社内的にも人望があり、今でも彼が中心だった月に一度の飲み会がM電機のクラブで行われている。
人生最大の関心事は人は死んだらどこに行くのだろうかという事ではないだろうか。無になるということはどういうことなのだろうかとつくづく考えさせられる。信じないかもしれないが、彼が14日に亡くなりまだ知らせが来ない時に私の所には別れの挨拶があったのです。15日朝9時40分に玄関のベルが押され出てみると誰も居ないことがありました。瞬間、もしかしてK氏に何かあったと思ったのですが、仕事に出てしまいました。ベルはきちんと押さないと鳴らない方式ですし、下から上に押さなければ絶対に鳴らないのです。家内も確認しているのでそう信じているのです。
今、この年になってお迎えの準備をしなくてはならなくなってきましたが、悔いなく人生を終わる為には今日のことは今日やるという想いで、これから歩いていきたいと願っています。誰かが云ったように記録ではなく記憶に残る人間になって死んで生きたいと思うのです。誰でも死ぬのは嫌ですが、多分その時がくれば感謝して『お先にバイバイ』と言えるような逝き方がベストかなと思います。K氏の場合も家族に看取られ、愛する孫の看護師の勤務する病院で眠るように旅立ったとの事なので幸せだったのかもしれません。
只、親しい友人を失うのは本当に切ない、悔しい、それ以上に家族を失うのはもっと辛いであろうから、これからの人生家族友人を大切にして有意義な残りの人生を歩んで生きたいと願っています。
年に一度の検診は必ず受けましょう。そしてその結果は家族で共有しましょう。
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