油屋種吉の独り言

日記や随筆をのせます。

米とともに生きて。  (1)

2025-03-10 23:35:40 | 随筆
 「米がとっても高くてね。困ったわ。年金暮らしだし、
収入はきまってるし。しょうがないからパンやうどんに
スパゲッティ、ああそうそう、それから、すいとんなん
てご存じかしら。若い方はわからないでしょうね」

 ある年老いた婦人の嘆きです。

 「米だけじゃないぞ。電気代に水道代。なんだって値段
が上がってる。おれたち年寄りはどうやって生きて行け
ばいいんだろ」

 もうひとりの老人がこう応える。

 ちょっと前は十キロで四千円くらいだった精米がなんと
二倍にも値が上がりましたね。
 
 昨年の「令和の米騒動」以来、ほんとうに庶民の生活が
苦しくなりました。

 一方では、マスメディアがテレビニュースなどで盛んに
危機意識をあおる。

 「ウクライナとロシアの戦いを見なさい。たくさんの人が
傷ついたり命を落としたりしている」

 「日本ひとりだけが、もはや平安ではいられない。ぼやぼ
やしてると、まわりの国々に攻め込まれるかもしれないぞ。
北朝鮮をみよ。中国をみよ。ロシアをみよ」

 そういわんばかりの勢いである。

 こうなると、ああ、そうか。生きてるだけで幸せなんだな
と思ってしまう。

 所詮、国際政治など、国々の思惑次第で、ころころと変わっ
てしまうもの。

 庶民の暮らしが極端にわるくなるとき、為政者がこうしたこ
とを、盛んに喧伝するのは昔からのことである。

 農業問題はたしかに難しい。
 コメに限らず、ムギや野菜もの。

 たくさん収穫できたりそうでなかったり。お天気に左右され
る点を、もちろん考慮しなくてはなりません。

 しかしですね。
 もっと本腰を入れて、お上がこの問題に取り組んでいれば、今
回の米騒動は起きなかったのではないだろうか。

 この五十年近く、兼業農家としてやってきたからわかること
があります。

 この際、瑞穂の国としてのわが国土を、自分なりにふりかえっ
てみるのも、何かの役に立つかもしれません。


 もっとも他人のせいにできることなどなんにもない。

 所詮この世のことですもの。

 自分がすべてを見たり聞いたりして認識しているのですから。

 今、生きている。

 今こそ、真善美をモットーにして生きるのもわるくはないで
しょう。

 哲学めいてしまいましたね。
 
 あれがない。これがない。
 不平ばかりいってもらちがあかない。

 なんとか、かんとかして、食べるものを手に入れて暮らして
いくすべを身に付けることにいたしましょう。

  さて、それでは始まり始まりです。
  まずは、幼い時分のお話でスタートといたしましょう。
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二月二十三日(日)晴れたり曇ったり。

2025-02-23 18:00:28 | 日記
 こんばんは、ブロ友のみなさん。
 そちらのお天気はいかがでしょう。
 こちら、きょうは一日中風が強かった
ですよ。

 とても寒くてね。
 さすがの私も、外出するのが億劫にな
るほどでした。

 でもね。
 午前中、日帰り温泉につかったり、帰
りがけに町の図書館に立ち寄ったりしま
したけれどね。

 ♨はいいですね。
 北関東T県には、火山帯が走っている
せいか、あちこちから温泉が湧き出るの
です。

 いきづまっている物語をなんとかして
展開したいと思っているところ。
 このところ、いい知恵が浮かばずやき
もきしています。

 アルキメデスさんが王様に言いつけら
れた課題。
 あれは何だったでしょうね。
 確か、ゴールドにかかわる難題だった
と記憶していますが。

 それをクリアされたのも、温泉につかっ
ていた時らしいですね。
 彼に見習おうっと思ったのですがね。
 もちろん、天才肌の彼と同じようには
まいりません。

 こんな日は、みなさん、車であちこち
でかけられる。ですから、どの道も混ん
でいます。

 交通の便利な都会なら、ひょいと電車
に乗り込むだけで、どこへでも行けるで
しょう。
 せっかくの連休ですもの。
 少しは日頃のうっぷんを晴らしたいで
すもの。
 お子さんにせかされたりね。

 「遠雷」
 作家立松和平さんの小説です。
 映画にもなりました。
 彼の地元でもあり、少し街を外れると
田園地帯が待っています。

 寒い中、春張り(耕起)が始まりまし
たよ。

 このたび、宇都宮駅東から、工場がた
ちならぶ芳賀地区に向かって路面電車が
走るようになりました。

 北は男体山や女峰。ちょっと離れて茶
臼のある那須連山。
 南に目を向けると、遠く、つくばの山
を観ることができます。

 もう少しすれば暖かくなります。
 おひまなときに、ぜひ一度おいでくだ
さるとにありがたく思います。

 山はふるさとを象徴しますね。
 青年時代までは若草や三笠の山々、生
駒や信貴の山々。

 今はここ下野の地が第二のふるさとに
なっています。
 
 

 
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2月11日(火)晴れ 

2025-02-11 18:30:43 | 随筆
 こんばんは、ブロ友のみなさん。
 睦月から如月へ。

 暦が変わったとたん、とんでもない寒
さにおそわれてしまい、わたしの身体は
ただただうちふるえていました。

 みなさまはいかがでしたか。
 お変わりないことを祈るばかりです。

 でもね。
 今日あたりはようやく厳しい寒さが去っ
たようで、車で岩船まで外出しました。

 ご存じない方がいらっしゃるでしょうし、
少しお話しさせていただきます。

 佐野市の外れに、舟のごとき形をした山
があります。

 わたしとしては、舟ではなく、動物のサ
イを思い出させる岩山です。

 このあたりは心理学者に訊いてみたい
ところです。
 同じものを見ても、人によって判断が
違う。
 実に興味深いことです。

 栃木県には、人さまの願いを聞き入れて
くださりそうな場所がふたつ。

 ひとつは那須烏山の龍門の滝。
 もうひとつは、ここ、岩船のお地蔵様
です。

 何か願い事がおありになるときは、これ
らふたつのいずれかを訪ねてみるのも善き
ことかなと思います。

 わたしの場合、龍門の滝は幾度も訪れま
した。

 滝つぼに竜が住む。
 そんな言い伝えがありますよ。

 霊験あらたかだったかどうか。
 それはおいおい明らかとなることでしょ
う。

 思うにまかせぬ世の中です。
 ときどきは、大いなるものに身をゆだね
てみるのもいいかもしれませんね。 

 
 


 
 
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一月三十一日(金)晴れ。

2025-01-31 17:06:44 | 日記
 昼間、車中にいると、暖かい。
 陽ざしが徐々に春めいてくるのがしれて嬉しい。

 しかしいったん外に出ると、風がつめたい。
 この時期、特有のお天気である。

 ドライブが好きで、しばしば車を走らせる。

 男体山に女峰、それに茶臼のある那須岳。
 それらはいまだ雪におおわれ、遠目には美しい。

 だが、近寄れば近寄るほど、自然の厳しさが知
れて驚かされる。
 
 谷間に足を踏み入れようものなら、お天気が一
変。

 谷間は灰色の雲におおわれ、パラパラ雪が舞い
散ってくる。

 ところどころで、栃木は熱いお湯がわく。
 こんなお天気の中でも、温泉客が絶えない。

 雪見酒としゃれこんだりと、それなりのだいご
味があるのだろう。

 このところ不安が増した。
 すわっ、道路陥没。

 数日前、埼玉の八潮で起きたようなことが、目前
で起きたらと思うと、そら恐ろしい。

 もっともわたしが住むところは、田舎でもあるし、
と自分に言い聞かせるが……。

 県都宇都宮なら、どうだろう。
 地下の様子は……?

 下水道管はきちんと整備されているのだろうか。

 不安が尽きない。

 思わぬ事態に巻き込まれた七十四歳の運転手の、な
るだけ早い救助が、待たれるところだ。

 一寸先は闇。
 肝に免じて運転したい。 

 

 
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正月26日(日)晴れのち曇り

2025-01-26 18:47:04 | 小説
 日差しに季節の移り変わりが感じられる
ようになりましたね。

 車に乗っているとそのことが顕著で、眩
しいやらあったかいやら。

 おまけに、わたしのからだも、なんだか
変な具合。

 頭が重い。

 さては、くしゃみ、鼻水の時期が迫って
いるってことだろか。


 春は残酷な季節だ。

 英国の詩人のことばを思いだした。

 日光街道。

 道の両側につらなる樹齢400年あまりの
大杉の群れ。

 それらの葉が徐々に茶に変色して来てい
るのを、一種哀感の念を持って、眺めてい
る自分がいるのに気づく。

 発症以来、今年でどれくらいの月日が流
れ去っただろう。

花粉症になったのは確か昭和54年の春あた
りだった。

「はくしょん大魔王が来たわ」

 アサヤ塾の講師として、二十年勤めた。

今は亡き麻屋先生の奥様に、そう指摘され
たのを、きのうのことのように思い出す。

 一番につらかったのは、運転中にくしゃみ
が止まらないこと。

 頭がとても重かった。

 くすりが苦手。
 服用するとたちまちにして眠くなってしま
い、たいへんに難儀した。

 季節はめぐり、あれから四十六年。
 今また憂うつな時節の到来ではある。
 


 
 
 
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