石破茂がブログで、デモ行為による単なる絶叫戦術はテロ行為と本質的に余り変わり無い、と書いた事を切っ掛けとし、石破の書いた事に一点集中し野党やマスコミ全体というよりも、一部のマスコミといった方がいいのかもしれないが、もっと深い議論をすべきだと言いながら、実際は廃案へ持ち込もうとしている。
だが、石破は今月2日のブログで先月29日に書いた事を訂正している。だが、29日に書いた事を誤りだったと訂正しているのでは無く、表現の訂正をしている。
デモ行為による絶叫戦術は、一般市民に畏怖の念を与えるような手法であり、民主主義とは相容れないテロとの共通性を感じ、テロと本質的に変わらないと記したが、撤回し「本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思います」とするとしている。
マスコミは、デモ行為はテロ行為と同じだと書いたとし、慌てて訂正をしたと報じていたかと思うが、絶叫戦術によるデモ行為がテロ行為と本質的に変わりはないと書いた意義が何も報じられてはいなかった。
単に「デモ行為がテロ行為と同じだ」みたいな事だけを報じられれば、多くの人々は特定秘密保護法案が可決されれば、一般市民に夜でも行為も禁じられるのではないかなどと思い込むのかもしれない。
その様に思い込んでくれれば、野党やマスコミにとっては思い通りだと思っていたんだろうな。
だが、石破はブログに確かにでも行為を批判する事は書いているが、行ってはならない事だとは一切書いていない。
ただ自分達の主義主張を訴えるだけの絶叫主義を行おうと、人々の普通の生活にとって、非常に紛らわしい行為であり世論の共感を呼ぶ事はないだろうとしていると思えるが。
そして、民主主義的な主義主張の方法を示し、絶叫主義はそれとは異なるとしている。
テロリズムに関し特定秘密特別保護法案の第12条に「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ」と示されている。
石破の書いていた「デモ行為とテロ行為は本質的に変わりない」は、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要」を示していたのかもしれない。
では、デモ行為とは何か。Wekipediaに「ある特定の意思・主張をもった人々が集まり、集団でそれら意思や主張を他に示す行為である」と書かれてある。
特定秘密特別保護法案第12条の示すテロリズムとは全く異なる事だと思えるが。デモリストとはどういった活動なのか、そしてテロリストは何なのか、マスコミは勿論だが野党議員達もしっかりと把握しているのではないのか。
テロ行為が行われれば、一般市民には大きな恐怖が及ぶ事は間違い無い。自分達も犠牲者とされるのかもしれないのだから。
絶叫主義によるデモ行為でも、周囲で執拗に集団の主義主張の絶叫を行われれば、非常に不快に感じる者もでるだろうし、畏怖する者も多くでるだろう。
石破の書いている事に、決して誤りは無かったのではないかと思うのだが。
マスコミの一部にはブログの一部だけを報じ、徹底的に批判を繰り返しているし、野党も石破のブログを安部政権を破壊する大きなチャンスと見てか、一体となり国会でもっと深い議論を行なわなければならないと激しく主張する。
だが、全く意の相容れない与野党が深い議論をしてどの様なメリットがあるのだろうか。合意による結論などでる訳など無く、単なる時間潰し、税の無駄遣いをするだけだ。
野党の一部には、既に日本に内閣情報調査室が中心となっている様だが、防衛省や外務省、或いは日米安保などに情報機関は存在していると主張しているのではないだろうか。だから、特定秘密保護法案など必要無いと強く主張する。
しかし、野党やマスコミの特定秘密保護法案を強く批判する軸となっているのは、「国民の知る権利」や「報道の自由」が失われるではなかったろうか。
既に情報機関が存在していたのであれば、その機関には多くの情報が置かれている筈だ。それらの機関には何年立てば情報公開は行われるといった規定はされているのだろうか。
そういった事など一切定められておらず、「国民の知る権利」や「報道の自由」は既に剥奪されていたのではないのか。これら機関の存在に関し、マスコミはこれまでに報じてきていたろうか。
その様には思えない。まして、マスコミは情報機関に納められている情報公開を政府に強く要求した事があったのだろうか。特定秘密保護法案に対する「報道の自由」を主張するのであれば、過去から存在していたらしい複数の情報機関に対しても同じ様な主張を行わなければならなかった筈だ。
だが、過去には何故行わなかった。何故、特定秘密保護法案だけに行う。全く理解し難い。
まして、過去から存在する情報機関に関しては何年経てば情報公開を行うといった規定など組まれてなどいなかったのだろう。
対し、特定秘密保護法案では5年毎、30年後、更には60年後には公開するとしている。情報公開が行われない特例も認められるとされているが。
過去には情報公開に関し何ら規則など無かったろう機関に対し批判を浴びせようとはせずに、情報公開に関する特定秘密保護法案に対し批判を浴びせているのか。野党の集中批判は安倍内閣崩壊を目論んでいるんだろうが、マスコミの批判の趣旨は全く理解できない。
結局、読者や視聴者にどんな意識を埋め込みたいと思っているのか。単なる批判なのか、他にちゃんとした目的があるのか。